2020年第27回G2チューリップ賞の注目馬分析

重賞レースの注目馬分析

2020年チューリップ賞の注目馬を分析!

チューリップ賞の特徴

桜花賞本番と同じ阪神外回り芝1600mを使って行われるトライアルレース。JRA所属馬であれば3着までに桜花賞優先出走権、地方所属馬であれば優先登録権(2頭まで)が与えられます。

2017年まではG3で賞金別定戦でしたが、2018年に馬齢定量戦のG2に昇格。桜花賞まで適度に間隔があるため、本番を見据え既に賞金で桜花賞出走を確実にしている有力馬が調整のたたき台として走る傾向があります。

2017年はソウルスターリング、2018年はラッキーライラック、2019年はダノンファンタジーと前年の阪神ジュベナイルフィリーズ優勝馬が出走し、順当に勝ち上がっています。今年もその優勝馬であるレシステンシアが登録しています。

他にも阪神ジュベナイルフィリーズ組が多数出走していますが、2着以下は軽く追っただけで0.8秒差も離されているのでレシステンシアが順調なら逆転は難しいと思われます。

またレシステンシアが出走するにもかかわらず他の重賞勝ち組が出走するのは、やはり本番を見据え阪神コースに慣れさせる試走と考えられます。仮に穴を狙うのであれば、本番では賞金が足りない1勝クラスの馬で、2、3着狙いでキッチリ仕上げてくると思われます。

チューリップ賞のレース&コースの攻略法

本番の桜花賞と同じ舞台設定の阪神外回り1600m。コーナーはゆったりして3コーナーから4コーナーに掛けてスピードに乗りやすいものの、ゴール前直前に急坂が待ち構えているのであまりスピードを出してしまうとここで脚が止まってしまいます。

開催が進んだ桜花賞本番と違い開幕第2週目で芝の状態が良く、基本的に内ラチ沿いを走れる逃げ・先行馬が有利。

2020年チューリップ賞出走表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 クラヴァシュドール ハーツクライ 牝3 M.デムーロ 下河辺牧場
中内田充 (栗東) Giant’s Causeway 54kg 山紫水明
2 2 メデタシメデタシ ロードカナロア 牝3 坂井瑠星 社台ファーム
大久保龍 (栗東) アグネスタキオン 54kg 諸江幸祐
3 3 スマートリアン キズナ 牝3 幸英明 三嶋牧場
石橋守 (栗東) Mr. Greeley 54kg 大川徹
3 4 レシステンシア ダイワメジャー 牝3 北村友一 ノーザンファーム
松下武士 (栗東) Lizard Island 54kg キャロットファーム
4 5 チェーンオブラブ ハーツクライ 牝3 石橋脩 ノースヒルズ
小笠倫弘 (美浦) Street Cry 54kg 前田幸治
4 6 ショウリュウハル ジャスタウェイ 牝3 松若風馬 ノーザンファーム
佐々木晶 (栗東) キングカメハメハ 54kg 上田芳枝
5 7 ウーマンズハート ハーツクライ 牝3 藤岡康太 ダーレー・ジャパン・F
西浦勝一 (栗東) Shamardal 54kg ゴドルフィン
5 8 モズアーントモー Uncle Mo 牝3 松山弘平 Springhill Farm
森田直行(栗東) Giant’s Causeway 54kg キャピタル・システム
6 9 イズジョーノキセ ハーツクライ 牝3 岩田康誠 沖田哲夫
中内田充 (栗東) キングカメハメハ 54kg 泉一郎
6 10 スマイルカナ ディープインパクト 牝3 丹内祐次 木田牧場
高橋祥泰 (美浦) Distorted Humor 54kg 岡田繁幸
7 11 シャンドフルール キズナ 牝3 武豊 ノースヒルズ
松永幹夫 (栗東) Gone West 54kg 前田葉子
7 12 フルートフルデイズ ブラックタイド 牝3 藤岡佑介 千代田牧場
浜田多実 (栗東) アフリート 54kg 飯田正剛
8 13 マルターズディオサ キズナ 牝3 田辺裕信 天羽禮治
手塚貴久(美浦) Grand Slam 54kg 藤田在子
8 14 ピーエムピンコ リアルインパクト 牝3 和田竜二 ノーザンファーム
和田正一 (美浦) ハービンジャー 54kg 松山毅

 

勝ち馬予想に役立つ!チューリップ賞の注目馬分析

レシステンシア

ダイワメジャー サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
スカーレットブーケ ノーザンテースト
スカーレットインク
マラコスタムブラダ Lizard Island Danehill Dancer
Add
Mapul Wells Poliglote
Pulma

 

昨年の阪神ジュベナイルフィリーズの優勝馬。2着以下を0.8秒も引き離しての優勝なので力の差は歴然。しかも時計も1:32:7と古馬かと思わせるほどの好時計。前走と同じ舞台で、しかも他馬と同斤量で、早い時計決着が見込まれるチューリップ賞なら不動の本命。

父のダイワメジャーはマイル前後で活躍する馬を多く輩出し、特に2歳から3歳に掛けてのマイル戦は滅法強い種牡馬です。実際に昨年はアドマイヤマーズがNHKマイルカップを制し、過去にも同産駒のメジャーエンブレムが同じくNHKマイルカップ、レーヌミノルが桜花賞を制しています。

格が高い重賞ほど勝率が上がるノーザンファームの生産馬で、ノーザンファームと業務提携しているキャロットファームの所有馬。話題性からもここは無敗で桜花賞に臨みたいところでしょう。

スマイルカナ

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
エーシンクールディ Distorted Humor フォーティナイナー
Danzig’s Beauty
キャタリナ Storm Cat
Carolina Saga

 

マイルのみを4戦3勝。負けたのは中段でレースを進めてみた2走目だけで、前走は中山のG3フェアリーステークスを逃げて優勝しています。ただし逃げのレースなのでスローペースになりやすく、時計自体は1:34:00とやや平凡。

父はマイル戦にも滅法強いディープインパクト。馬券になる確率もダイワメジャーを上回っています。馬体重が420kgと最近の馬の中ではかなり軽量ですが、父のディープインパクトも440kgと牡馬ではかなり小柄。今の時期の斤量ならまだ気にする必要はないかも。

ただし逃げ馬なので目標にされやすく、レース展開でうまく前走と同様にスローに落とせるかがカギ。基本的に賞金は足りており、レシステンシアとの力を比較したい思惑が見え隠れするので、ここでは本番に向け他の戦略を試すレースをする可能性はあります。

ウーマンズハート

ハーツクライ サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
アイリッシュダンス トニービン
ビューパーダンス
レディオブパーシャ Shamardal Giant’s Causeway
Helsinki
ビールジャント Green Desert
Belle Genius

 

新潟2歳ステークスの勝馬。新馬戦、新潟2歳ステークスと連続で32秒台の末脚を繰り出して勝っていたため、前走の阪神ジュベナイルフィリーズでは2番人気に支持されるもののレシステンシアに1.2秒離されて4着。

実際に32秒台の末脚を出した2戦はスピードが出やすい新潟でのもので、時計自体は1分35秒台で平凡。強力な末脚は父のハーツクライ譲り。ハーツクライ産駒はマイルでも走りますが、飛びが大きく直線の長いコースでこそ真価を発揮します。

成長力も見込めますが、直線が短く時計が早い今の阪神コースでは前走と同様に割引でしょう。

クラヴァシュドール

ハーツクライ サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
アイリッシュダンス トニービン
ビューパーダンス
パスオブドリームズ Giant’s Causeway Storm Cat
Mariah’s Storm
Path of Thunder サンダーガルチ
Drina

 

サウジアラビアカップ2着馬で、前走の阪神ジュベナイルフィリーズでは3番人気に支持され、人気通りに3着。2着とはタイム差無しです。この馬も新馬戦とG3サウジアラビアカップで共に33秒前半の末脚を繰り出し、父ハーツクライの特性を良く受け継いでいます。

新馬戦は阪神勝ちが評価されそうですが、メンツが弱いので有力馬が揃うここでは新馬戦の成績はコース適性としてあてにできません。ウーマンズハートと同様に時計が早い時期の阪神コースでは割引で、内ラチが荒れて外差しが有利になる桜花賞が本番でしょう。

マルターズディオサ

キズナ ディープインパクト サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア
キャットクイル Storm Cat
Pacific Princess
トップオブドーラ Grand Slam Gone West
Bright Candles
Maltese Dianne スピニングワールド
Lavish Gift

 

新馬戦から4戦全てマイル戦で2勝2着2回と全て連対。前走は阪神ジュベナイルフィリーズでは6番人気でしたが2着を確保しています。新馬戦から3戦連続33秒台の末脚を繰り出していましたが、人気馬は重賞歴があったため人気を落としていたようです。

父はディープインパクト産駒でダービー馬のキズナ。キズナの母の父にディープインパクトとニックスになるストームバードがおり、さらに母はビワヤヤヒデやナリタブライアンを輩出したパシフィカスの血縁で、他に牝馬G13勝のファレノプシスを輩出した良血。

母は短距離中心の条件クラスの馬でしたが、ミスタープロスペクターやヌレイエフの重厚な血が入っているので走る下地は揃っていました。父の血が多く出ればもう少し長い距離の方がいいと思えますが、母系が強く出ているならマイル近辺のここが適鞍。

ショウリュウハル

ジャスタウェイ ハーツクライ サンデーサイレンス
アイリッシュダンス
シビル Wild Again
シャロン
ショウリュウムーン キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
ムーンザドリーム ダンスインザダーク
ミヨシチェリー

 

前走の芝1600m白菊賞を勝って駒をここに進めた1勝馬。母はこのチューリップ賞を含め重賞3勝したハクサンムーン。父がハーツクライ産駒のジャスタウェイで、初年度産駒からG12着馬のアドマイヤジャスタやヴェロックスなどを輩出しています。

母の父がサンデーサイレンス系の父と相性が良いキングカメハメハ。今のところ持ち時計自体は平凡ですが、父・母の父とも爆発力を秘めた血統背景で生産もノーザンファーム。桜花賞出走には2、3着が必須なのでここはしっかり仕上げてくると思われます。

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