キングカメハメハ 予想に役立つ成績・血統・産駒の特徴を解説

私見、種牡馬解説

芝・ダートを問わず数多くのG1馬を輩出した種牡馬キングカメハメハ。

キングカメハメハ産駒の距離適性やコース適性を知るには、キングカメハメハの現役時代の特徴や血統構成、産駒の共通性を知るのが何より重要。種牡馬キングカメハメハの特徴を知ると、勝ち馬や穴馬、人気で惨敗する馬を予想できるので、ぜひ馬券の検討に役立てください。 

種牡馬キングカメハメハとキングカメハメハ産駒の特徴を紹介

キングカメハメハの現役時代の成績

戦績

8戦7勝

G1及び重賞勝利

G1:NHKマイルカップ、ダービー
G2:神戸新聞杯
G3:毎日杯

特記事項

2004年度JRA最優秀3歳牡馬受賞。

キングカメハメハの現役時代の特徴

キングカメハメハは現役時代スライド走法で飛びが非常に大きく、脚質的に皐月賞が行われる中山コースが合わないと判断されていました。そのため当初からNHKマイルカップからダービーというローテショが組まれ調整されています。

実際にキングカメハメハハは陣営の期待に応え、NHKマイルカップではレースレコード、ダービーではコースレコードで優勝ています。

またキングカメハメハは新馬戦から馬体が500kg近くあり、しかも筋肉質。そのため実際の体重以上に馬体が雄大に見えました。

さらにキングカメハメハハは持続するスピードとパワーが最大の武器。NHKマイルカップ、ダービーと800mも距離が違うG1をレコードで連勝したように、底力も兼ね備えていました。

秋はコース適性を考慮し天皇賞秋を目標にローテーションが組まれましたが、レース前に屈腱炎を発症し引退します。

キングカメハメハ(ミスタープロスペクター系)の血統上の特徴

Kingmambo Mr.Prospecter Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
マンファス ラストタイクーン トライマイベスト
Mill Princess
Piot Birad Blakeney
The Dancer

 

キングカメハメハの父は、アメリカの主流血統であるミスタープロスペクター系のキングマンボ。

キングマンボはジャパンカップ優勝、凱旋門賞で当時欧州最強馬モンジューに半馬身差2着のエルコンドルパサーを輩出。この凱旋門賞が行われたロンシャン競馬場の芝は重く、しかもエルコンドルパサーが2着した時は極端な重馬場でした。

このことから考えても、キングカメハメハはキングマンボのパワーを引き継いでいると考えられます。

キングカメハメハの母の父ラストタイクーンはノーザンダンサー系で、英国芝1000mG1スプリントチャンピオンシップ、米国芝1800mG1ブリダーズカップ・マイルを制したスピード馬。キングカメハメハのスピード能力ははこの馬から引き継いだもの。

ラストタイクーンは日本でも繋養されましたが、種牡馬として日本のG1勝馬は桜花賞場のアローキャリー1頭にとどまっています。

キングカメハメハは血統内にサンデーサイレンスをはじめとしたヘイリトゥーンリズン系の血がありません。そのためサンデーサイレンス系の牝馬との相性が良いのが特徴です。

キングカメハメハは種牡馬として2010年、2011年にはリーディングサイアーに輝いています。その後はディープインパクトにリーディングサイアーの座を奪われましたが、長きに渡り2位を維持していました。

ただし体調不良により2019年の種付けシーズンを前に種牡馬を引退。その年8月に18歳で逝去。2018年に種付け分がラストクロップです。

キングカメハメハ産駒の特徴

遺伝力が非常に強い種牡馬です。キングカメハメハがはパワー溢れる筋肉と馬格、そして爆発力を産駒に伝えます。

キングカメハメハは芝・ダートを問わず、短距離から中長距離までコンスタントに活躍馬を送り出します。また基本的にキングカメハメハ産駒の距離適性は母系に依存しますが、3000mを超える長距離戦は極端に成績が悪化します。

キングカメハメハはスライド走法で持続するスピードが武器で、そのスピードは雄大な馬格から繰り出すパワーが源泉。そのためキングカメハメハ産駒も多くが飛びが大きなスライド走法で、筋肉のパワーに依存した走りをします。

一般にスライド走法の馬は重馬場を苦にします。しかしパワーがあるキングカメハメハ産駒は重馬場を苦にせず、また急坂や荒れた馬場もものともしません。

さらにレコードが出そうなハイペース、どスローで直線瞬発力勝負などの極端なレースで、パワーに依存した爆発的な底力を発揮します。

一方でキングカメハメハ産駒はパワーに依存した走りはエネルギー消費が大きく、長距離戦ではガス欠を起こします。さらに1回のレースで消費するエネルギーがあまりに大きいため疲労回復に時間がかかり、コンスタントにレースに使えない欠点もあります。

またキングカメハメハ産駒は驚異的なレースをした後は疲労が原因で長く不調が続いたり、或いは故障を発生したりするタイプが多いのが特徴です。クラッシック路線で活躍しますが消耗が激しく、ここで活躍すると古馬までもたない産駒が大半です。

逆にクラシック路線を棒に振った馬や、一回のレースでの消耗が少ない短距離・マイル志向の馬、ダート馬などは古馬になっても長く活躍しています。

キングカメハメハの代表産駒

芝、ダートを問わずG1や重賞勝ちなど多くの活躍馬を輩出しています。JRAに限れば2019年現在、11頭のG1馬を出しています。すでに後継種牡馬のロードカナロアがG1馬を輩出し、キングカメハメハの血の枝葉を広げています。

アパパネ(牝馬三冠他、G1全5勝)
ロードカナロア(スプリンターズS、安田記念など国際G1を含めG1を6勝、種牡馬)
ホッコータルマエ(チャンピオンズカップ他地方を含めダートG1を10勝、種牡馬)
ラブリーデイ(宝塚記念、天皇賞秋、種牡馬)
ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー、種牡馬)
など

 

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コメント

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