ゴールドアリュールはエスピワールシチーやスマートファルコン、コパノリッキーなど中央・地方を問わずダートG1を席巻するようなダート馬を多数輩出する大種牡馬。
ゴールドアリュール産駒の距離適性やコース適性を知るには、ゴールドアリュールの現役時代の特徴や血統構成、産駒の共通性を知るのが何より重要。種牡馬ゴールドアリュールの特徴を知ると勝ち馬や穴馬、人気でも惨敗の可能性を予想できるので、ぜひ馬券の検討にお役立てください。
種牡馬ゴールドアリュールとゴールドアリュール産駒の特徴を紹介
ゴールドアリュールの現役時代の成績
戦績
16戦8勝2着1回
G1及び重賞勝利
G1:ジャパンダートダービー、ダービーグランプリ、東京大賞典、フェブラリーステークス
G3:アンタレスステークス
特記事項
2002年度JRA賞最優秀ダートホース、
2002年度NARグランプリ特別顕彰馬、
2002年度NARグランプリダートグレード競走特別賞
ゴールドアリュールの現役時代の特徴
ゴールドアリュールは数いるサンデーサイレンス直仔のG1馬の中で、唯一のダートG1勝馬です。
当初は芝路線でスタートし、2戦目の新馬戦を勝ち上がった後は掲示板には乗るものの勝てないレースが続きます。そのためダート路線に変更すると2連勝。獲得賞金によりダービー出走が叶い、5着と好走します。しかし芝のレースはこれが最後。以後ダート路線に本格的に舵を取ります。
その後、中央・地方を含め3歳春(旧4歳)のダートチャンピオンを決める大井のG1ジャパンダートダービーで2着に1.3秒も付ける大差勝ち。続くダート3冠の最終レースの盛岡G1ダービーグランプリではさらに2着馬に1.6秒もの差をつけ優勝。
古馬と初対戦となったジャパンカップダートでは5着に敗れましたが、優勝馬のイーグルカフェとは0.4秒差と僅差。年末の中央・地方のダートNo.1を決める東京大賞典では優勝を果たします。
翌年のフェブラリーステークスでも1番人気で優勝。その後ドバイを予定していましたが、第二次湾岸戦争が勃発し遠征が終始。返し刀で参戦したG3アンタレスステークスでは59kgの酷量を背負いながら2着イーグルカフェに8馬身差を付け大楽勝。
春のダートNO1を決める帝王賞では単勝1.1倍という圧倒的な1番人気に支持されながら、先頭から3.3秒も離され11着と敗退。その後喘鳴症を発症していたことが分かり、競争を引退し種牡馬となりました。
ゴールドアリュール(サンデーサイレンス系)の血統上の特徴
ゴールドアリュールの父は大種牡馬サンデーサイレンス。サンデーサイレンスは米国3歳三冠レースの二冠馬で、ダートG1を6勝した名馬。日本に種牡馬として繋養されて以来産駒は芝馬に偏り、ダートG1で強さを発揮したゴールドアリュールは異端児です。
母のニキーヤは米国でダートの条件戦を3勝しただけすが、その母のリラクタントゲストは米国の牝馬限定ダートハンデキャップG1ビバリーヒルズハンデの優勝馬。リラクタントゲストの父ホステイジはアメリカの中距離ダートG1アーカンソーステークスの優勝馬です。
ニキーヤはゴールドアリュール以外に、サンデーサイレンス直仔のネオユニヴァースを付けた時にもダートG3の根岸ステークスの優勝馬ゴールスキーも輩出しています。
そのため、ゴールドアリュールのダート適性は母のニキーヤから引き継いだものと判断できます。また母の父のヌレイエフからダート向きのパワーを産駒に伝える力があります。
ゴールドアリュール産駒のG1馬のほとんどの母の父がブライアンズタイムやフレンチデピュティ、ティンバーカントリー、エルコンドルパサーなどダート適性の高い種牡馬です。ゴールドアリュールは母の父にあるダート馬の血を引き出す種牡馬だと言えます。
ゴールドアリュール産駒の特徴
基本的に良質なゴールドアリュール産駒はダート馬がほとんど。ダートであれば中央・地方を問わず走ります。特にダートG1を勝ちまくるような大物を多く輩出し、JRA所属で地方を含めダートG1を勝った馬は9頭。そのほとんどがダートG1を複数回優勝しています。
芝の重賞馬を多く出すサンデーサイレンスの血も入っているため、芝もそこそこ走りますが上級クラスまで這い上がれる産駒は稀で、芝の重賞勝ち馬はダービー卿チャレンジトロフィー優勝のタケノミカヅチ、愛知杯と中山牝馬ステークスを勝ったフーラブライドくらい。
ゴールドアリュール産駒の芝・ダートの距離別勝率と複勝率
距離 | ~1400m | ~1800 | ~2200m | ~2600m | ||||
勝率/複勝率 | 勝率 | 複勝率 | 勝率 | 複勝率 | 勝率 | 複勝率 | 勝率 | 複勝率 |
芝 | 0.059 | 0.153 | 0.056 | 0.201 | 0.053 | 0.207 | 0.077 | 0.262 |
ダート | 0.085 | 0.242 | 0.104 | 0.267 | 0.090 | 0.320 | 0.062 | 0.200 |
実際に芝とダートの成績を比べても、上の表からダートの方が圧倒的に走ることが分かります。母系にパワーを伝えるヌレイエフが入っているので、種牡馬としてマイルから中距離のダート路線でその能力を遺憾なく発揮します。
また意外なことに、芝の中長距離だと複勝率が上質の芝向きの種牡馬とさほど変わらない数値を出します。これは母系の影響が強い繁殖牝馬と掛け合わせたときに、父のサンデーサイレンスの血が上手くはまった場合で、馬券的に妙味が出ます。
ゴールドアリュールとカネヒキリの条件別勝率比較
重賞 | 特別 | 平場 | |||||||
出走数 | 勝利数 | 勝率 | 出走数 | 勝利数 | 勝率 | 出走数 | 勝利数 | 勝率 | |
ゴールドアリュール | 333 | 22 | 0.066 | 2302 | 178 | 0.077 | 8514 | 787 | 0.092 |
カネヒキリ | 43 | 2 | 0.047 | 312 | 35 | 0.112 | 1881 | 132 | 0.070 |
また条件別の勝率は、平場なら勝率1割近くと非常に高い数値です。特別戦は同じサンデーサイレンス系のダート種牡馬カネヒキリには劣りますが、勝率も7.7%とまずまず。ただ重賞となるとカネヒキリを圧倒し、勝率6.6%と高い数値を叩き出します。
これはゴールドアリュールが1頭だけで重賞を勝ちまくるような上質な馬を出すため。ゴールドアリュール産駒で1番人気に支持されるような強い馬は、ほぼ信頼できます。
2017年に死亡しているため、2019年デビュー組の4頭がラストクロップです。
ゴールドアリュールの代表産駒
ゴールドアリュールは種牡馬2年目からダートのマイル路線でG1を勝ちまくったエスピワールシチーと、ダートの中距離路線でG1を勝ちまくったスマートファルコンの2頭のG1馬を出しています。
さらにG1を11勝したコパノリッキー、2017年度のJRA両ダートG1を勝ったゴールドドリームなどがいます。
エスピワールシチー(ジャパンカップダート、フェブラリーSどG1を9勝、現種牡馬)
スマートファルコン(JBCクラシック、東京大賞典、帝王賞などG1を6勝、現種牡馬)
コパノリッキー(フェブラリーS2回、東京大賞典、かしわ記念3回他G1を11勝、現種牡馬
ゴールドドリーム(フェブラリーS、チャンピオンズカップ、かしわ記念2回他G1を5勝、現種牡馬)
コメント