2020年第17回G3福島牝馬ステークス予想 注目出走馬分析

重賞レースの注目馬分析

昨年の福島牝馬ステークスの覇者デンコウアンジュ、中山牝馬ステークス上位組のフェアリーポルカ、リュヌルージュ、エスポワールが挙って参加する今年の福島牝馬ステークス。福島牝馬ステークスの出走登録馬の中から注目馬をピックアップし、勝ち負けできるか分析します。

2020年福島牝馬ステークスの注目馬を分析!

福島牝馬ステークスの特徴

G3福島牝馬ステークスは福島第1回開催5日目に行われる牝馬限定の芝1800mの別定戦。獲得賞金3000万円超えの馬は本賞金が2000万円を超えるごとに負担重量が1kgずつ増えます。また国際競争に指定されているため、海外調教馬も出走可能です。

ヴィクトリアマイルのトライアルレースに位置付けられ、JRA所属は1着まで、地方所属馬は2着までにヴィクトリアマイルの優先出走権が与えられます。

ただし過去10年、福島牝馬ステークスで優先出走権を得た馬がヴィクトリアマイルで馬券になったことはありません。またここをステップにヴィクトリアマイルで馬券に絡んだのは福島牝馬ステークス4着だったデンコウアンジュ1頭だけと、関連性の薄いレースです。

福島牝馬ステークスの馬券の傾向

過去10年で、福島記念で馬券になった馬のほぼ2/3が前走中山牝馬ステークスを走っています。ただし中山牝馬ステークスと福島牝馬ステークスを連勝した馬はなく、2着まで。逆に2着だった馬が3勝と好成績を収めています。

さらに中山牝馬ステークスで人気薄ながら好走した馬が、この福島牝馬ステークスでも好走する傾向にあります。基本的に福島コースは中山コースと形状が似ており、違いはゴール前の急坂の有無。中山名物ゴール前に急坂が無くなっただけ走りやすくなっています。

他のステップの重賞組は前走人気や着順に関係なく突っ込んで来る可能性があります。また条件戦からの挑戦であれば前走1着が好走条件。

また馬齢では競走馬として完成期を迎えた5歳馬が圧倒的に強く、過去10年で3着までに馬券になった馬の半数が5歳馬です。逆に高齢馬の活躍は少なく、過去10年で7歳以上の馬が馬券になったのは1回だけです。

過去10年の福島牝馬ステークス入賞馬のデータを見たい方はこちら

福島牝馬ステークスのレース及びコースの攻略法

スタートはスタンド正面の第4コーナーを回ったあたりから。スタートから第1コーナ-までの直線があまりなく、先行争いは厳しくなります。また福島コースは小回りなのでスピードが上げ難く、全体のペースは落ち着き気味。

またゴール前直線が300m弱と短く、坂も無いため逃げ、先行が有利ただしこの頃になると内ラチが荒れるのである程度パワーが必要で、一瞬切れる脚を持っている馬であれば外差しも届きます。走法は細かく脚を使えるピッチ走法の馬が有利です。

【2020年】福島牝馬ステークス出走表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 エスポワール オルフェーヴル 牝4 池添謙一 ノーザンファーム
角居勝彦(栗東) シンボリクリスエス 54kg 近藤英子
1 2 フィリアプーラ ハービンジャー  牝4 丸山元気 ノーザンファーム
菊沢隆徳(美浦) サンデーサイレンス 54kg キャロットファーム
2 3 サラキア ディープインパクト 牝5 吉田隼人 ノーザンファーム
池添学 (栗東) Lomitas 54kg シルクレーシング
2 4 アロハリリー ハーツクライ 牝5 中谷雄太 ノーザンファーム
高野友和 (栗東) キングカメハメハ 54kg 吉田勝己
3 5 リープフラウミルヒ ステイゴールド 牝5 丹内祐次 TC・ラフィアン
相沢郁 (美浦) クロフネ 54kg ビッグレッドファーム
3 6 カリビアンゴールド ステイゴールド 牝6 秋山真一郎 ダーレー・ジャパン・F
鮫島一歩(栗東) Cape Cross 54kg ゴドルフィン
4 7 マルシュロレーヌ オルフェーヴル 牝4 坂井瑠星 ノーザンファーム
矢作芳人 (栗東) フレンチデピュティ 54kg キャロットファーム
4 8 ダノングレース ディープインパクト 牝5 斎藤新 ノーザンファーム
国枝栄 (美浦) Oratorio 54kg ダノックス
5 9 レッドアネモス ヴィクトワールピサ  牝4 酒井学 社台ファーム
友道 康夫(栗東) サクラバクシンオー 54kg 東京ホースレーシング
5 10 ハーレムライン マンハッタンカフェ 牝5 柴山雄一 社台ファーム
田中清隆 (美浦) グルームダンサー 54kg 吉田千津
6 11 デンコウアンジュ メイショウサムソン  牝7 柴田善臣 磯野牧場
荒川義之(栗東) マリエンバード 55kg 田中康弘
6 12 モルフェオルフェ オルフェーヴル 牝5 木幡育也 宮内牧場
大江原哲(美浦) キングカメハメハ 54kg 並河賢一郎
7 13 リュヌルージュ モンテロッソ  牝5 団野大成 坂東牧場
斉藤崇史(栗東) メジロマックイーン 54kg 窪田康志
7 14 フェアリーポルカ ルーラーシップ  牝4 和田竜二 ノーザンファーム
西村真幸(栗東) アグネスタキオン 54kg 山本剛士
8 15 ショウナンバビアナ ディープインパクト 牝4 鮫島克駿 下河辺牧場
上原博之 (美浦) Unbridled’s Song 54kg 国本哲秀
8 16 ランドネ Blame 牝5 西村淳也 Winchester Farm
角居勝彦 (栗東) A.P. Indy 54kg 小林英一H

勝ち馬予想に役立つ!福島牝馬ステークスの注目馬分析

エスポワール

オルフェーヴル ステイゴールド サンデーサイレンス
ゴールデンサッシュ
オリエンタルアート メジロマックイーン
エレクトロアート 
スカーレット シンボリクエスエス Kris S. 
Tee Kay 
グレースアドマイヤ トニービン
バレークイーン 

エポワールは前走中山牝馬ステークスで1番人気に押されながら3着。1着馬とは0.2秒差で、斤量差を計算に入れるとタイム差し。また当日は不良馬場だったので差し脚質のエスポワールには運がなかったと言わざるを得ません。

エスポワールの父はオルフェーヴルなので成長力があり、さらにオルフェーヴル自身がピッチ走法でパワーも兼ね備えていたので中山や福島など小回りコースは得意。

エスポワールの半兄に青葉賞馬のアドミラブル、母系からフサイチコンコルドやリンカーン、ヴィクトリーなどG1馬を多数輩出している良血。秋華賞でも3番人気に押されるほどの実欲があるので、斤量差が無くなる今回は勝ち負けを期待できます。

フェアリーポルカ

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
エアグルーヴ トニービン
ダイナカール
フェアリーダンス アグネスタキオン サンデーサイレンス
アグネスフローラ
フェアリードール Nureyev 
Dream Deal 

フェアリーポルカは3番人気ながら中山牝馬ステークスを優勝馬。3歳時に中山芝2000mのG3紫苑ステークスでも2着しているように小回りコースは得意です。

フェアリーポルカの父ルーラーシップは産駒に高い競争能力を与えますが、気性難も伝えやすく成績にムラがあります。ただフェアリーポルカの母系は一流で、エリザベス女王杯を勝ったトゥザビクトリーをはじめ、重賞勝ち馬がずらりと並びます。

今回は前走負かしたエスポワールとは同斤量。また中山牝馬ステークス1着馬の複勝率3割はあまり良い数字ではありません。能力が高いのは間違いありませんが、ポカが多い血筋なので頭からは狙い難い馬です。連下で。

デンコウアンジュ

メイショウサムソン オペラハウス Sadler’s Wells
Colorspin 
マイヴィヴィアン ダンシングブレーヴ
ウイルプリンセス 

デンコウラッキー
マリエンバード Caerleon
マリエンバド 
メイショウユリヒメ サンデーサイレンス
トウホーダイヤ 

デンコウアンジュは前走の中山牝馬ステークスでトップハンデを背負い4着昨年の福島記念の優勝馬です。さらに2017年のヴィクトリアマイルでは11番人気で2着しています。基本的にいつ走るか分からない馬ですが、小回りコースの重賞で馬券に絡みます。

デンコウアンジュの父メイショウサムソンはオペラハウス産駒。メイショウサムソンは種牡馬としては大物を出してはいませんが、荒れた馬場や力の要る馬場は得意。また福島記念で本馬以外に2頭が馬券に絡んでいます。

7歳馬というところがデータ的に不安ですが、前走は優勝馬と0.4秒差。同斤量なら逆転しています。今回は斤量が1kg軽くなり、さらに得意コースなので勝ち負けを期待できる1頭です。

サラキア

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
サロミナ Lomitas Niniski 
La Colorada 
Saldentigerin  タイガーヒル 
Salde 

サラキアは重賞勝ちこそありませんが、3歳時にG2フローラステークスで2着。また牡馬混合重賞のエプソムカップでも2着しています。前走G3愛知杯では3番人気でしたが、重馬場に泣いた形で9着に敗れています。

サラキアの父はディープインパクト。福島記念でディープインパクト産駒も馬券に絡みますが、過去10年で優勝馬は出ていません。母サロミナはドイツオークス馬。サラキアの半弟はG1朝日杯フューチュリティステークスを無敗で制し、皐月賞2着馬のサリオスです。

サラキアの血統は超一流ですが、重賞で馬券に絡んでいるのが直線の長い東京コース。飛びが大きなサラキアには小回りコースの福島コースはやや忙しい印象。馬券に絡んでも勝ち切るのは難しいと思われます。

リュヌルージュ

モンテロッソ Dubawi  Dubai Millennium 
Zomaradah 
Porto Roca  Barathea
Antelliere 
ムーンハウリング メジロマックイーン メジロティターン 
メジロオーロラ 
アスカシーズ  カコイーシーズ 
カコイーシーズ 

リュヌルージュは前走中山牝馬ステークスを14番人気で2着。過去10年で中山牝馬ステークスを2着馬から福島牝馬ステークス優勝馬が3頭出ているので、データ的には期待が持てる一頭です。ただし、前走不良馬で軽ハンデの逃げという展開の助けがあったのは確か。

リュヌルージュの父はG1ドバイワールドカップ勝ちのモンテロッソ。ただしG1はこの1勝のみ。その父ドバウィが大種牡馬で英仏の芝G1勝馬を多数輩出しています。現在日本で繋養され、やはり基本手に芝馬を多く輩出。今の所重賞勝ち馬は出していません。

またリュヌルージュの母系から重賞勝ち馬は出ておらず、こちらはあまり活力が感じられません。2走前2勝クラスを勝ち上がり、このクラスであれば勝ち負けを繰り返しているので実際は3勝クラスの馬か。今回は斤量が4kgも増えるので良い材料が無く、馬券的に厳しいでしょう。

レッドアネモス

ヴィクトワールピサ ネオユニヴァース サンデーサイレンス
ポインテッドパス 
ホワイトウォーターアフェア  Machiavellian 
Much Too Risky 
マチカネハヤテ サクラバクシンオー サクラユタカオー
サクラハゴロモ
ベルセゾン  ベリファ
ベルセゾン 

レッドアネモスは前走中山牝馬ステークスで12番人気ながら6着。差し追い込みが不利な不良馬場で追い込んで1着から0.6秒差まで詰めています。3歳の春にリステッドクラスを1着しているので、オープン級の力は秘めています。

レッドアネモスの父は皐月賞、有馬記念、ドバイワールドカップを制したヴィクトワールピサ。他に弥生賞や中山記念を制しているように小回りで坂のあるコースは得意でした。ただ種牡馬としては種付け頭数の割にやや物足りなく、重量勝ちは5頭にとどまっています。

レッドアネモスの祖祖母ヴァイアンゴールドの血筋は活躍馬を多く輩出。はG2スワンステークスなど重賞3勝のビハインドザマスク、G1ヴィクトリアマイル優勝のコイウタ、ダート重賞2勝のサンライズソニアなどがいます。

レッドアネモスの母の父にサクラバクシンオーが入っているので距離が気になりますが、サクラバクシンオーが母系に入ると心肺機能の高さを伝えるので特に問題ありません。実際にレッドアネモスが好走しているのはヴィクトワールピサと同じ中距離です。

今回は中山牝馬ステークスより斤量が1kg増えますが、馬格があるので特に問題はありません。タイム差を考えれば中山牝馬ステークス2着馬には逆転できる計算です。優勝は無理にしても馬券に絡む可能性が高い1頭です。

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