2020年第27回G3平安ステークス予想 注目出走馬分析

重賞レースの注目馬分析

2019年NRAダートグレード競走特別賞馬オメガパフューム、2017年度JRA最優秀ダートホース・ゴールドドリームが出走登録している今年の平安ステークス。果たしてこの2頭に割って入る馬がいるのか、平安ステークス登録馬の中から注目馬をピックアップし勝ち負けできるか分析します。

2020年平安ステークスの注目馬を分析!

平安ステークスの特徴

G3平安ステークスは第3回京都開催9日目に行われるダート1900mの古馬別定戦です。過去のG1及びG2の勝利により負担重量が決まり、基本負担重量は牡馬56kg、牝馬54kg。最高でプラス3kgまで負担重量が増えます。国際競争に指定され外国調教馬の出走も可能です。

2012年までは第1回京都開催でダート1800mのレースとして施行されていましたが、2013年に現在と同じ第3回京都開催に移行。同時に距離も100m伸び1900mで行われます。

JRAで行われるダート重賞の中では秋に行われるシリウスステークに次ぐ長距離のレースで、スタミナ自慢のダート馬が集まります。もともとJRAはダート重賞が少なく、本レースは別定戦なのでダートの有力馬が集まります。

間隔的にも距離的にも大井競馬場のJPN1帝王賞に向けたたたき台に最適で、JRA所属馬でもG1クラスが出走してきます。

平安ステークスと馬券の傾向

2012年以前と現在では距離、時期、またレースの目的が異なるため2013年以降の7年間で集計します。

人気と馬券

1番人気は3勝で勝率42.8%。ただし2、3着は無く勝つか負けるか。軸にはできません。2番人気は一切馬券に絡んでいません。3番人気は0勝2着3回3着1回、連対率4割、複勝率57%。3番人気を軸に穴馬と本命を絡めると的中率が上がる傾向。ただし人気だけで決めるのは難しく、2桁人気も過去7年で3回馬券に絡んでいます。

有力馬が出走すれば当然人気が出ますが、帝王賞に向けこのレースをどう捉えているかが重要。余力残しなら、このレースで本賞金を加算したい馬に足元をすくわれます。基本的に荒れるレースです。

馬齢と馬券

4歳馬  4勝2着2回3着2回、占有率38%

5歳馬  2勝2着2回3着1回、占有率24%

6歳馬  1勝2着2回3着1回、占有率19%

7歳馬  0勝2着1回3着2回、占有率14%

8歳以上 0勝2着0回3着1回、占有率5%。

ダートは高齢馬でも活躍しますが、実際は年齢が上がるごとに馬券に絡まなくなっています。狙うならこの頃から完成期に入る4歳馬か、古馬としてダート実績を上げている5歳馬。

尚、牝馬は苦戦傾向で2頭しか馬券に絡んでおらず、共に4歳馬です。また重賞実績により負担重量が決まる別定戦なので、負担重量がそのまま実力を反映しています。そのためトップハンデでも十分馬券に絡んできます

血統と馬券

基本的に日本の主流血統であるサンデーサイレンス系の種牡馬が苦戦傾向。サンデーサイレンス系のダート種牡馬であるゴールドアリュール産駒であっても過去7年で2頭しか馬券に絡んでいません。

強いのはミスタープロスペクター系かロベルト系。どちらかの種牡馬を父、或いは母の父に持つ血統の産駒が大多数を占めます。

前走と馬券

過去7年ではアンタレスステークス組が強く3勝2着3着2回。前走の着順はほとんど関係ありません。地方重賞からの転戦であれば前走2番人気以内で3着以内が馬券の条件です。

平安ステークスのレース及びコースの攻略法

コーナーを4つ回る京都ダート1900mのコースを使用。1周の大きさでは東京競馬場に次いで2番目の大きさです。スタートはスタンド正面、第4コーナーを回り切ったところから。スタート後の直線が300m以上もありポジション争いはスムーズにながれます。

ダートでは長距離レースになるので全体的にゆったり流れます。バックストレッチ中間あたりから登り坂ですが、コース全体が平坦なのであまりスタミナロスがありません。第3コーナーから第4コーナーに掛けて長い下り坂が続くので、先行馬はここから一気に加速します。

直線は薬329mと中央のダートコースにしてはやや短め。さらに最後の直線も平坦なので逃げ、先行馬が傾れ込みしやすく有利です。

過去10年の平安ステークス入賞馬のデータを見たい方はこちら

2020年平安ステークス出走表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 アシャカトブ シニスターミニスター 牡4 武藤雅 岡田牧場
小笠倫弘 (美浦) キングカメハメハ 56kg 吉冨学
2 2 ロードレガリス ハーツクライ 牡5 池添謙一 ケイアイファーム
野中賢二 (栗東) Fusaichi Pegasus  56kg ロードホースクラブ
3 3 ヒストリーメイカー エンパイアメーカー 牡6 畑端省吾 青藍牧場
新谷功一 (栗東) バブルガムフェロー 56kg 岩崎僖澄
3 4 ハヤヤッコ キングカメハメハ 牡4 斎藤新 ノーザンファーム
国枝栄 (美浦) クロフネ 57kg 金子真人H
4 5 オメガパフューム スウェプトオーヴァーボード 牡4 北村友一 社台ファーム
安田翔伍 (栗東) ゴールドアリュール 59kg 原禮子
4 6 ヒロブレイブ カジノドライブ 牡7 国分恭介 小河豊水
川村禎彦 (栗東) ワイルドラッシュ 56kg 石川博
5 7 ゴールドドリーム ゴールドアリュール 牡7 藤岡佑介 ノーザンファーム
平田修 (栗東) フレンチデピュティ 58kg 吉田勝己
5 8 スマハマ ネオユニヴァース 牡5 坂井瑠星 千代田牧場
中内田充 (栗東) アフリート 56kg 山紫水明
6 9 ミツバ カネヒキリ 牡8 松若風馬 タバタファーム
加用正 (栗東) コマンダーインチーフ 58kg 協栄
6 10 スワーヴアラミス ハーツクライ 牡5 松田大作 NICKS
須貝尚介 (栗東) Sligo Bay 57kg 白老ファーム
7 11 ヴェンジェンス カジノドライブ 牡7 幸英明 富田牧場
大根田裕 (栗東) スペシャルウィーク 57kg 宮川純造
7 12 マグナレガーロ キングカメハメハ 牡5 北村宏司 ノーザンファーム
角居勝彦 (栗東) アドマイヤベガ 56kg シルクレーシング
8 13 アッシェンプッテル バトルライン 牝4 太宰啓介 フジワラファーム
奥村豊 (栗東) ダンスインザダーク 54kg フジワラ・ファーム
8 14 ダンツゴウユウ バンブーエール 牡6 酒井学 バンブー牧場
谷潔 (栗東) サクラバクシンオー 56kg 山元哲二

勝ち馬予想に役立つ!平安ステークスの注目馬分析

オメガパフューム

スウェプトオーヴァーボード  エンドスウィープ  フォーティナイナー 
Broom Dance
Sheer Ice  Cutlass 
Hey Dolly A. 
オメガフレグランス  ゴールドアリュール  サンデーサイレンス 
ニキーヤ
ビューティーメイク  リアルシャダイ
セイリングビューティ 

オメガパフュームはJRA所属馬ですが地方のダート2000mのG1を3勝。東京大賞典は連覇し、JRAのダート2000mG3シリウスステークスを3歳で優勝しています。一方で中央のG1フェブラリーステークスは10着、チャンピオンズカップは6着と、長い直線は苦手な様子です。

450kg前後とダート馬としては小柄です。しかし、昨年の平安ステークでは今回と同じ59kgを背負い0.2秒差3着と斤量負けするタイプではありません。

オメガパフュームの父は芝・ダートを問わず短距離馬を多く出すスウェプトオーヴァーボード。母オメガフレグランスはダート3勝の条件馬で、その父ゴールドアリュールの血が濃く出てダート1600~1800mを中心に走っています。オメガパフュームのダート適性はこのゴールドアリュールから。

ただ、ゴールドアリュール産駒はダートの長めのマイラーが多く、2000mを超える距離を走れるのは祖母の血にあるロベルト系のリアルシャダイから。リアルシャダイはライスシャワーをはじめ多くのステイヤーを輩出している種牡馬です。

東京大賞典連覇後は惨敗経験のあるフェブラリーステークスをパスして休養に充てたことからも、今回は帝王賞連覇へのたたき台として使っている公算が大。小柄な馬体で59kgを背負うことからも、あまり無理をさせないと考えられます。

基本的に末脚勝負の馬なので道中は無理せず、直線で調教代わりに追うだけのレースする可能性は十分あります。

ゴールドドリーム

ゴールドアリュール サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ニキーヤ Nureyev 
Reluctant Guest 
モンヴェール フレンチデピュティ Deputy Minister 
Mitterand 
スペシャルジェイド Cox’s Ridge 
Statistic 

ゴールドドリームはJRAの両ダートG1を制し、2017年にはJRA最優秀ダートホースにも輝いているダートの一流馬。2016年のチャンピオンズカップから中央・地方を問わず全てG1での出走。ダートの1600~2000mまで走り、24戦して馬券にならなかったのは僅か6回、9勝16連対という抜群の安定性を誇ります。

ゴールドドリームはダートの大種牡馬ゴールドアリュールの血を継承。本来なら昨年の東京大賞典4着をもって種牡馬になることが決定していました。しかし、サウジカップに招待されたため急遽現役を続行。そのサウジカップでは世界の強豪相手に6着しています。

2018年の帝王賞も優勝しており、ゴールドドリームも帝王賞へ向けてここはたたき台の可能性が大。ただし東京大賞典で負けたオメガパフュームより今回は1kg軽くい上、ゴールドドリームは馬体が520kgもあります。さらに中央の砂も得意です。

基本的に左回りの方が走ります。しかし右回りの大井競馬場でも勝ち負けできるので、オメガパフューム以外は格下相手の今回は特に問題はないでしょう。余裕残しでも連軸に出来る馬です。

ヴェンジェンス

カジノドライヴ Mineshaft A.P. Indy 
Prospectors Delite 
Better Than Honour Deputy Minister 
Blush With Pride 
スペシャルクイン スペシャルウィーク サンデーサイレンス
キャンペンガール
ソシアルクイーン エルハーブ 
ニーストウショウ 

ヴェンジェンスは昨年の京都ダート1800mG3みやこステークスの優勝馬。今年は東海ステークスで0.1秒差2着しているようにダートの長いところは得意。昨年のチャンピオンズカップでは10番人気7着、フェブラリーステークスで10着と、G1ではいまいちの成績。

ヴェンジェンスの父カジノドライヴはJRAに所属しながらアメリカのダートクラシックに挑戦した馬で、半兄がベルモントステークス馬ジャジル、半姉のベルモントステークスとケンタッキーキーオークスを制したラグズトゥリッチズという良血。自身は米国G2までしか勝てず、日本ではG1フェブラリーステークスで2着。

母スペシャルクインは短距離ダートの条件馬で1600万下まで勝ち進んでいますが、一族にこれといった活躍馬はいません。本馬にとってヴェンジェンスは初仔です。基本的にはカジノドライヴの血が濃いと考えた方が良く、ダートの1600~1800mが守備範囲でしょう。

馬場適性はありますが、今回はG1チャンピオンズカップで格付けが終わっているゴールドドリーム、オメガパフュームが出走。オメガパフュームとは半馬身差で今回は2kg差、ゴールドドリームとは0.7秒差で今回は1kg差なので、オメガパフュームに逆転できてもゴールドドリームには届かない計算。

この2頭は帝王賞を目指すはずなのでやや余裕残しなら、当日の調子次第では逆転できる可能性はあります。

スワーヴアラミス

ハーツクライ サンデーサイレンス Halo
Wishing Well 
アイリッシュダンス トニービン
ビューパーダンス 
ベイトゥベイ Sligo Bay  Sadler’s Wells 
Angelic Song 
Bala  With Approval 
Muskoka Dawn 

スワーヴアラミスは前走のG3マーチステークスで重賞初制覇。その前走では今回と同じ舞台の京都ダート1900mのオープンで0.1秒差2着になっているので馬場、距離適性には問題ありません。オープンクラスに出世してから全レースで上がり3番手以内とレースが安定しています。

スワーヴアラミスの父芝の中長距離馬を多く出すハーツクライ。そのため新馬から芝を走っていましたが勝ち切れず、3歳夏の未勝利戦からダート路線変更し勝ち星を重ねています。母ベイトゥベイはカナダの芝のステークスウィナー。その父スライゴベイも芝のG1馬。血統からはダートを走る要素はありません。

強いて言う米クラシックニ冠馬サンデーサイレンスの父イローのクロスがあり、この血が強く出た可能性が大。ダートの長距離を走るのはハーツクライにスタミナを産駒に伝えるトニービンの血の影響と考えられます。

ここまでゆったりしたローテーションなのでさほど疲れは残っていないと考えられ、今後のために今回も勝負に来るはず。ただし7歳馬は全体的に苦戦傾向。今回は勢いのある4、5歳馬も出走してくるので来ても3着までと判断します。

ハヤヤッコ

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector 
Miesque 
マンファス ラストタイクーン 
Pilot Bird 
マシュマロ クロフネ フレンチデピュティ
ブルーアヴェニュー 
シラユキ サンデーサイレンス
ウェイブウインド 

ハヤヤッコは昨年G3レパードステークスを10番人気で優勝した白馬です。その後もオープンクラス3戦を2度連対し、連対した時は上がり3番手以内。白馬なので色物に見られますが、G3クラスなら馬券に絡む能力を秘めています。

ハヤヤッコの父は芝・ダートを問わず活躍馬を輩出するキングカメハメハ。母マシュマロはダート500万下クラスの2勝馬でが、全姉に地方G2関東オークスなど重賞3勝したユキチャンがおり、ダート適性は十分。

ただしG1馬クラスの馬とは今回が初対戦。ペースが今までよりきつくなります。キングカメハメハの血が入っているので基本的に坂のあるコースの方が良く、平坦で後半早い時計が続く京都コースでは馬券に絡んでいません。今回は勝ち負けは難しいと判断します。

マグナレガーロ

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector 
Miesque 
マンファス ラストタイクーン 
Pilot Bird 
リビアーモ アドマイヤベガ サンデーサイレンス
ベガ
ラトラヴィアータ サクラユタカオー
サクラハゴロモ

マグナレガーロはここまで5戦4勝。ダート1800~1900mを中心に使われ、前走今回と同じ京都ダート1900mの3勝クラスを単勝1.6倍の1番人気、2着に0.4秒差を付けて勝ち上がっています。勝鞍は全て上がり最速です。

マグナレガーロの父は芝・ダートを問わず活躍馬を輩出するキングカメハメハ。母リビアームはJRA6勝でオープンまで勝ち進んだ活躍馬。祖母ラトラヴィアータはサクラバクシンオーの全妹という良血。母の父はオークス馬ベガを母に持つダービー馬アドマイヤベガ。距離適性はスタミナを伝いえるトニービンの血を持つアドマイヤベガから。

成長力を伝えるノーザンダンサーの5×5×5×5という濃いクロスをもち、まだまだ成長が見込めます。素質の上では今回に人気になるスワーヴアラミスより上です。今回は初重賞のペースに対応できるかがカギ。対応できれば馬券になります。

 

ロードレガリス

ハーツクライ サンデーサイレンス Halo
Wishing Well 
アイリッシュダンス トニービン
ビューパーダンス 
レディマーメイド Fusaichi Pegasus Mr.Prospector 
Angel Fever 
Mother of Pearl Sadler’s Wells 
Sisania 

ロードレガリスは大井時代からを含め6連勝でJRAダートオープンまで勝ち上がってきた昇り馬です。3歳時はJRAで芝の中距離を走っていましたが未勝利を脱せず、地方の大井競馬場に移籍。ダートで本来の力が目覚めたといっていいでしょう。

ロードレガリスの父はハーツクライ。母レディーマーメイドも芝の1勝クラスの馬で、祖母はフランスのマイル重賞勝ち馬。もともと大多数のハーツクライ産駒が芝馬なので、陣営も芝を走らせていたのは仕方がないことでしょう。これは今回同じ舞台で走るスワーヴアラミスと同じ。

ロードレガリスの場合は母の父フサイチペガサスの血が濃く出ていると判断できます。フサイチペガサスは大種牡馬ミスタープロスペクターの直仔で、ケンタキーダービーの優勝馬。ミスタープロスペクター直仔でケンタッキーダービーを制したのは本馬だけ。続くプリクネスステークスでも2着しています。

ロードレガリスは勝負根性を伝えるヘイローの3×5、成長力を伝えるノーザンダンサーの5×5×4の非常に濃いクロスを持っています。さらにサドラーズウェルズやトニービンといったスタミナを伝える血が入っているので距離は長い方が良いタイプ。

血統的には切れるというよりも、じりじり伸び長くいい脚を使える脚質の持ち主です。ダート路線に転戦以降、全レースで上がり最速をマークしているのは、このヘイローの勝負根性が出ている可能性が大。オープンクラスでも上がり最速をマークしているので、重賞でも通用します。

ヘイローの血は気性難も伝えるので、レース中に気持ちが切れなれば人気のG1馬に十分対抗できる力があります。

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