2022年AJCCの注目馬を分析!
AJCCの特徴
G2アメリカジョッキークラブカップ(以下、AJCC)は第1回中山開催8日目に行われる4歳以上芝2200mで行われている別定戦です。負担重量は4歳牡・騙馬55kg、同牝馬53kg、5歳以上牡・騙馬56kg、同牝馬54kg。過去の重賞勝利により、負担重量が加算されます。
1年以内の牝馬G1を除くG1勝利馬、2kg増
1年以上の牝馬限定G1を除くG1勝利馬、1年以内の牝馬限定G1勝利馬及び牝馬限定を除くG2勝利馬、1kg増(2歳限定を除く)。
国際競走に指定され、外国調教馬は9頭まで優先出走権が与えられます。また地方所属馬は認定馬のみ2頭まで登録できます。
2022年AJCC出走表
枠番 | 馬番 | 出走馬 | 父 | 馬齢 | 騎手 | 生産牧場 |
所属 | 母の父 | 斤量 | 馬主 | |||
1 | 1 | キングオブコージ | ロードカナロア | 牡6 | 横山典弘 | 白老ファーム |
安田翔伍 (栗東) | Galileo | 56kg | 増田和啓 | |||
2 | 2 | アサマノイタズラ | ヴィクトワールピサ | 牡6 | 嶋田純次 | 前野牧場 |
手塚貴久 (美浦) | キングヘイロー | 55kg | 星野壽市 | |||
3 | 3 | キャッスルトップ | バンブーエール | 牡4 | 仲野光馬 | 城市公 |
渋谷信博 (船橋) | マヤノトップガン | 57kg | 城市公 | |||
3 | 4 | クレッシェンドラヴ | ステイゴールド | 牡8 | 津村明秀 | 木村秀則 |
林徹 (美浦) | Sadler’s Wells | 56kg | 広尾レース | |||
4 | 5 | エヒト | ルーラーシップ | 牡5 | 菅原明良 | 白井牧場 |
森秀行 (栗東) | ディープインパクト | 56kg | 平井裕 | |||
4 | 6 | ポタジェ | ディープインパクト | 牡5 | 川田将雅 | ノーザンファーム |
友道康夫 (栗東) | Awesome Again | 56kg | 金子真人H | |||
5 | 7 | ダンビュライト | ルーラーシップ | 騙8 | 松若風馬 | ノーザンファーム |
音無秀孝 (栗東) | サンデーサイレンス | 56kg | サンデーレーシング | |||
5 | 8 | アンティシペイト | ルーラーシップ | 牡5 | 大野拓弥 | 追分ファーム |
国枝栄 (美浦) | ディープインパクト | 56kg | G1レーシング | |||
6 | 9 | ボッケリーニ | キングカメハメハ | 牡5 | 横山武史 | ノーザンファーム |
池江泰寿 (栗東) | ダンスインザダーク | 56kg | 金子真人H | |||
6 | 10 | ラストドラフト | ノヴェリスト | 牡6 | 戸崎圭太 | 社台ファーム |
戸田博文 (美浦) | ディープインパクト | 56kg | 社台レースホース | |||
7 | 11 | オーソクレース | エピファネイア | 牡4 | C.ルメール | ノーザンファーム |
久保田貴 (美浦) | ディープインパクト | 55kg | キャロットファーム | |||
7 | 12 | ソッサスブレイ | コンデュイット | 騙8 | 柴田大和 | コスモヴューファーム |
粕谷昌央 (美浦) | スペシャルウィーク | 56kg | 手嶋康雄 | |||
8 | 13 | スマイル | ダイワメジャー | 牡6 | 田辺裕信 | ノーザンファーム |
堀宣行 (美浦) | Mr. Greeley | 56kg | 石川達絵 | |||
8 | 14 | マイネルファロン | ステイゴールド | 牡7 | 松岡正海 | ビッグレッドファーム |
手塚貴久 (美浦) | ロージズインメイ | 56kg | TC・ラフィアン |
勝ち馬予想に役立つ!AJCCの注目馬分析
オーソクレース
エピファネイア | シンボリクリスエス | Kris S. |
Tee Kay | ||
シーザリオ | スペシャルウィーク | |
キロフプリミエール | ||
マリアライト | ディープインパクト | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | ||
クリソプレーズ | エルコンドルパサー | |
キャサリーンパー |
オーソクレースはこれまで5戦2勝2着2回3着1回。重賞勝ちはありませんが、ホープフルステークスと前走菊花賞で2着、セントライト記念でも3着に入っています。ホープフルステークス後に骨折が判明し、3歳春は棒に振っています。
オーソクレースの父はエピファネイア。ディープインパクト産駒の母マリアライトはエリザベス女王杯と宝塚記念を勝ち、JRA最優秀4歳以上牝馬に輝いた名牝で、母の半弟のクリソライトとクリソリベルは共にダートG1を優勝している良血です。
血統内にサンデーサイレンスの4×3の濃いクロスと、サドラーズウェルズの4×5、ヘイルトゥリーズンの5×5を持ち、底力とパワーのある配合。エピファネイア×ディープインパクトの組合せは一昨年菊花賞2着し、昨年のAJCCを優勝したアリストテレスと同じ。
菊花賞では優勝馬タイトルホルダーに5馬身離されましたが、後方からメンバー中2番目の上りを繰り出し2着を確保。タイム差無し4着のステラヴェローチェは先週の日経新春杯をトップハンデで3/4馬身差2着。同レース1着も同世代のヨーホーレイクなので、現4歳世代では実力上位。実力からも勝ち負け。
ポタジェ
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
ジンジャーパンチ | Awesome Again | Deputy Minister |
Primal Force | ||
Nappelon | Bold Revenue | |
Sally Go Gray |
ポタジェはこれまで12戦5勝2着4回3着2回。重賞勝ちはありませんが、重賞4戦してG3で2着1回、G2で3着2回。前走の天皇賞では5番人気に推されましたが、優勝馬エフフォーリアから0.8秒離され6着敗退。
ポタジェの父はディープインパクト。母ジンジャーパンチはBCデイスタフをはじめ米ダートG1を6勝、エクリプス賞最優秀古馬に輝いた名牝。ポタジェの半姉に重賞4勝、オークス2着のルージュバックがいる良血。
前走天皇賞では2番手に付けたグランアレグリアを追走して3番手。逃げ馬は潰れましたが、グラナレグリア以下上位馬の末脚には屈しているのでG1では一歩足りない印象。今回はゴール前直線が短い中山で、先行できる本馬には有利です。ただし底力に欠けるため、連下で。
アサマノイタズラ
ヴィクトワールピサ | ネオユニヴァース | サンデーサイレンス |
ポインテッドパス | ||
ホワイトウォーターアフェア | Machiavellian | |
Much Too Risky | ||
ハイタッチクイーン | キングヘイロー | ダンシングブレーヴ |
グッバイヘイロー | ||
オペラレディ | オペラハウス | |
レディステラ |
アサマノイタズラは昨年のセントライト記念の優勝馬。これまで9戦2勝2着1回3着1回で、スプリングステークスでも2着に入っています。前走有馬記念に出走しましたが、優勝馬から3.4秒も離され殿負けしています。
アサマノイタズラの父は中長距離G1を3勝したヴィクトワールピサ。キングヘイロー産駒の母ハイタッチクイーンは芝中距離の2勝馬。近親にこれといった活躍馬はいません。血統内に爆発力と気性難を伝えるヘイローの4×5×4の濃いクロスを持ちます。
中山は7戦して2勝2着1回3着1回で、掲示板を外したのは皐月賞と有馬記念のG1のみ。AJCCと同じコースのセントライト記念を勝っているのは強み。同レース2着だったソーヴァリアントは次走のチャレンジカップで古馬を相手に優勝しています。
ただし、成績から分かるようにむらっ気があり、前走の有馬記念でもレース中にやる気を無くしています。爆発力はありますが、頭から狙えず抑えまで。
キングオブコージ
ロードカナロア | キングカメハメハ | Kingmambo |
マンファス | ||
レディブラッサム | Storm Cat | |
サラトガデュー | ||
ファイノメナ | Galileo | Sadler’s Wells |
アーバンシー | ||
Caumshinaun | Indian Ridge | |
Ridge Pool |
キングオブコージは2020年の目黒記念の優勝馬。これまで16戦5勝2着2回3着1回。一昨年京都大賞典3着後に骨折が判明し長期休養。昨年のオールカマーで復帰し、前走中日新聞杯で5着と掲示板を確保。今回が叩き3戦目です。
キングオブコージの父はロードカナロア。母ファイノナメ海外の2勝馬も、近親にライルランド1000ギニー勝ちのナイトタイム、マンノウォーステークス馬のジューコヴァ、バーデン大賞他G1を4勝したガイヤースがいる活力ある母系です。距離適性は母系のガリレオから。
前走中日新聞杯では57kgでしたが、今回は1kg減と有利。ただし、父系がこの時期芝では調子が悪いミスタープロスペクター系で、前走がG3からAJCCに出走した馬は過去10年で2着が最高。勝ち切まではどうか。また前走先着を許したポッケリーニとは計算上ハンデ差で着差がさらに開きます。抑えまで。
ボッケリーニ
キングカメハメハ | Kingmambo | Mr.Prospector |
Miesque | ||
マンファス | ラストタイクーン | |
Pilot Bird | ||
ポップコーンジャズ | ダンスインザダーク | サンデーサイレンス |
ダンシングキィ | ||
グレイスルーマー | トニービン | |
ディスクジョッキー |
ポッケリーニは2020年の中日新聞杯の優勝馬で、これまで17戦5勝2着5回3着1回。マイル~2000mを中心に使われ、前走連覇を狙った中日新聞杯では2番人気でしたが、トップハンデでしまいが鈍り、優勝馬から0.3秒差4着に敗れています。
ポッケリーニの父はキングカメハメハ。母ポップコーンジャズはダンスインザダーク産駒の1勝馬。ポッケリーニの全兄に宝塚記念と天皇賞秋を勝ち、JRA最優秀4歳以上牡馬に輝いたラブリーディがいます。
ハンデは前走より1.5kg減。ただし前走より距離延長で、2000m以上は今回が初。父がキングカメハメハも、母系はスタミナ豊富な血で構成され、よりスタミナとパワー重視の中山2200mは克服可能。
ただしAJCCでは父ミスタープロスペクター系の成績が悪く、また前走G3からの出走は過去10年で2着が最高。連下で。
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