競馬の芝コースの攻略法

競馬の基礎知識

芝コースのは競馬場や季節で違う

競馬場の芝コースの馬場状態が、良・稍重・重・不良の4段階だけだと思っていると、思わぬ勝ち馬を見落としてしいます。

実は競馬場の芝コースは野芝コースと洋芝コースがあり、明らかに時計の差が出ます。そのため馬券の購入には競走馬の野芝、洋芝に対する適性も考慮が必要です。また季節で芝の状態が違うので、勝ち馬予想に大きな影響を及ぼします。ここでは競馬場の芝コースについて解説します。

競馬場には芝コースは野芝と洋芝が使われている

素人目にはどこの競馬場の芝コースも同じに見えます。しかし、競馬場の芝コースは暑さに強い野芝と、寒さに強い洋芝(主にケンタッキーブルーグラス)の2種類が使い分けられています。

日本は夏と冬、また地方ごとに気温差が大きく、競馬場や季節で芝が使い分けられます。野芝と洋芝は見た目は同じでも、植物としての性質が異なります。そのため使っている芝で時計の速さや競走馬の適性に大きな影響を与えます。

野芝と洋芝の特徴の違い

同じ芝という名前ですが、野芝と洋芝は成長の仕方やその特性がかなり異なります。それぞれの特徴を詳しく解説します。

野芝は土の表面に茎を伸ばし表面が堅く軽い力でもスピードが出せる

野芝は匍匐(ほふく)茎と呼ばれる茎を地表に網目状に広げて繁殖します。芝の茎は丈夫で網目も緻密、馬の蹄で踏みつけられても容易に切れず、下の土まで掘り返せません。また表面が堅くクッション性も低く、軽い力でも速いスピードが出ます。

一方で雨で水を含むと表面が水たまりの状態になり、蹄が滑って走り難くなります。

野芝は秋から冬にかけて葉が枯れて黄色く変色しますが、茎は生きています。この間、芝コースの見た目を良くするためにイタリアングラスの種を撒きオーバーシードと呼ばれる施工が行われます。オーバーシードに関しては後の項目で詳しくお話します。

洋芝は土の中に茎を伸ばしクッション性が高く走るのにパワーが必要

一方で洋芝は地下茎を地面の中に広げて繁殖します。そのため芝の葉と葉の間に柔らかな土が入る状態となり、クッション性が高まります。クッション性が高いと力強く踏み込まないと推進力が生まれないためパワーが必要で、必然的に野芝より時計も遅くなります。

また洋芝は野芝に比べ含水量が1.5倍あり、蹄に葉が絡みやすい性質があります。これもパワーが必要な理由です。雨で馬場状態が重、不良となると芝の間の土が泥状態になって蹄に絡むので、さらにパワーが必要です。

野芝と洋芝の特性を表にまとめたので、参考にしてください。

  茎の状態 蹄の影響 クッション性 好走条件 重・不良
野芝 表面を覆う匍匐茎 土が掘られ難い 低い スピード優先 滑る
洋芝 地中で伸びる地下茎 土が掘られ易い 高い パワー優先 ぬかるむ

 

各競馬場で使われる芝の種類

競馬場によって使われる芝の種類が異なります。どの競馬場でどの芝が使われているのか詳しく見てみましょう。

札幌・函館は洋芝100%

洋芝は寒さに強く、逆に暑さに弱い特徴があるため札幌・函館競馬場で使われています。この2会場は洋芝100%です。そのため他の競馬場に比べ同じ距離でも必然的に時計が遅くなり、非力なタイプの競走馬は札幌と函館ではほとんど好走しません。

逆に時計が遅く高速馬場が苦手な競走馬が札幌と函館で台頭することも珍しくなく、成績表を見ると良績がこの2会場に偏っている馬が結構います。

また洋芝は開催が進むと芝の間の土が掘り返され馬場がボコボコになり、良馬場発表でも一段とパワーが必要になります。札幌・函館で馬券を獲るには、洋芝巧者でパワータイプの競争馬を選ぶのがお薦めです。

札幌・函館の「夏の上がり馬」は要注意

他の競馬場で凡走していた馬が夏競馬で札幌・函館で良績を上げると、「夏の上がり馬」として人気になります。

しかし、ひと夏を越して野芝がきれいに生え揃った中山や阪神競馬場の高速馬場に戦場を移したら、早い時計について行けずに凡走することがよくあります。意外と盲点なので、番組表などで各競馬場の成績や血統をよく見直してください。

新潟は野芝100%

野芝は暑さに強く、寒さに弱い特徴があり4月から10月が繁殖期です。それを過ぎると葉は枯れて黄色くなります。そのため冬場開催が無い新潟競馬場の芝コースは100%野芝です。

野芝100%で、しかも平坦な新潟は他の競馬場より芝コースで時計が出やすく、非力でスピードタイプの競走馬が台頭します。特に外回りコースが使われるとゴール手前1000mから下りが続くので相当スピード能力がないと勝ち切れない傾向にあります。

他の競馬場は野芝とオーバーシードの併用

他の競馬場は春から秋に掛けては野芝、それ以外は野芝の間に株立ち種の洋芝を植えるオーバーシードが用いられます。オーバーシードとは冬に葉が枯れてしまう野芝の匍匐茎の間に、寒さに強いイタリアングラスと呼ばれる洋芝の種を撒き、芝の緑を保つ施工法です。

イタリアングラスは北海道や函館の洋芝とは異なり地下茎を持ちません。種からそのまま垂直に葉と根が伸び、単純に野芝の匍匐系の隙間から葉だけが出ているだけに過ぎません。そのため冬でも基本に芝の状態は普段の野芝と変わらず、早い時計がでます。

オーバーシードの芝コースは見た目に騙されてはいけない

野芝の冬枯れ

ただし野芝の成長が休止期の冬に開催が進むと、丈夫な野芝の匍匐茎もさすがに激しく損傷し力の要る馬場になります。2月~4月はオーバーシードで芝が生え揃い見た目がきれいでもそれなりにパワーが要る馬場状態なので、軽い芝が得意な競走馬はレースでスタミナ切れする場合があります。

夏競馬終了後の中山・東京・阪神・京都は超高速馬場

夏競馬が終わった9~10月の中山・東京・阪神・京都は野芝100%で、しかも長い期間コースを休ませ芝を育成させているので、芝が生え揃い絶好の状態です。そのため馬場が軽く非常に速い時計が出ます。

特に9月中山開催の芝コースは4か月以上も育成期間があるため野芝がびっしりと生え揃い、超高速馬場です。馬力の要る北海道で良績を挙げてきた馬や時計勝負に実績が無い馬が、9月の中山の超高速馬場に対応し切れず凡走するのも珍しくありません。

野芝の重はパワーが必要だが、不良は器用さが必要

馬券の検討では、降雨による馬場状態の変化が大変気になるところ。

中央競馬の芝コースでは水捌けを良くするため、芝の下の路盤に砂が敷かれています。稍重では芝の表面がやや凹む程度で、きれいに生え揃った野芝ではクッションが効いた状態です。そのため大抵の馬は稍重程度の馬場状態なら競争能力は削がれません。

しかし、馬場状態が重になると事情が違います。重だと芝の葉に水分が多く付着し、蹄に葉が絡んできます。そのため洋芝と同様にパワーが必要です。

馬場状態が不良まで進むと路盤の砂で水分を吸収しきれず、芝の表面に水が浮き水たまりができます。この状態では蹄が野芝のツルツルした匍匐系で滑ります。そのため不良では後ろ脚で踏ん張って進むスライド走法の馬や、蹄が大きい馬は脚を滑らせ本来の力を発揮できません。

一方で芝の滑る不良馬場で、歩幅が小さく細かく脚を使えるピッチ走法の馬が台頭します。スピード競馬に対応できず不良未経験でも、キャンターでピッチ走法なら狙ってみる価値はあります。

 

場状態 芝の状態 馬に必要な要素 不利な馬
葉が蹄に絡む パワー 非力な馬
不良 水で蹄が滑る 器用さ スライド走法や蹄の大きな馬

 

当日の芝状態はJRAホームページや競馬新聞で要チェック

各競馬場の当日の芝の状態はJRAのホームページや競馬新聞に載っています。競馬新聞ではJRAの馬場造園課や、前日実際にコースを走った騎手のコメントが掲載されているので馬券検討の参考になります。

芝の状態は馬のスタミナやコース取に大きく関わり、騎手もそれに合わせて日々戦法を変えてきます。そのため、芝の状態を常に把握していないと騎手が自分の予想したレース展開と大きく異なった戦法を取ることも少なくありありません。

芝のレースを攻略するには当日の芝の状態をしっかり理解しなければなりません。

まとめ

芝コースは各競馬場の特性や季節、或いは天候などで常に状態が変化します。芝の状態を的確に把握すると、馬券で選ぶべき馬が自ずと絞れます。芝の状態で有利な馬が分からない時は、ぜひこの記事を参考にしてください。

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