ハーツクライ 予想に役立つ成績・血統・産駒の特徴を解説

私見、種牡馬解説

中距離から長距離まで芝で活躍する質の高い産駒を輩出しているハーツクライ。

ハーツクライ産駒の得意な距離やコースを知るには、ハーツクライの現役時代の特徴や血統構成、産駒の共通性を知るのが何より重要。種牡馬ハーツクライの特徴を知ると、勝ち馬や穴馬、人気で惨敗する馬を予想できるので、馬券の検討にぜひお役立てください。 

種牡馬ハーツクライとハーツクライ産駒の特徴を紹介

ハーツクライの現役時代の成績

戦績

19戦5勝2着3回(内、海外2戦1勝)

G1及び重賞勝利

G1:有馬記念、ドバイシーマクラシク 
G2:京都新聞杯 

特記事項

ハーツクライの現役時代の特徴

クラシックではトライアルレースのオープン若葉ステークス勝ち。皐月賞では5番人気ながら14着に敗退。ダービー出走権を掛けた京都新聞杯を勝って獲得賞金を積み増しし、ダービーに駒を進めます。

このダービーを勝ったのは、当時のダービーのレースレコードを2秒も塗り替えたキングカメハメハ。ハーツクライも驚異的な追い上げをみせますが0.2秒差2着と惜敗します。その後のクラシック路線では神戸新聞杯3着、菊花賞7着と振るいませんでした。

ダービー2着馬として3歳でジャパンカップ、有馬記念に参戦も成績は振るわず、翌年G2大阪杯で2着を確保。天皇賞秋では5着、宝塚記念からルメールが鞍上となり2着を確保します。

休養後の天皇賞秋では32.8という驚異的な末脚を見せるも6着。その末脚が評価され2番人気に押されたジャパンカップでは、日本レコードに僅か3cmの鼻差2着で敗れます。続く有馬記念では脚質とレコード決着後の反動が懸念され4番人気でした。

この有馬記念には無敗で牡馬3冠レースを制したディープインパクトが単勝1.3倍の圧倒的な1番人気で参戦。ルメールは今まで追い込脚質だったハーツクライに敢えて先行させ、直線でディープインパクトの強烈な追い込みを半馬身差抑えて勝利。初のG1に輝きます。

翌年ドバイシーマクラシックに参戦し、2着に4馬身差を付けて完勝。続くキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスで3着と健闘。秋はジャパンカップから参戦も喘鳴症を発症し12着と敗退。今後の競争能力の低下が避けられず引退します。

ハーツクライ(サンデーサイレンス系)の血統上の特徴

サンデーサイレンス Hao Hail to Reason
Comah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
アイリッシュダンス トニービン カンパラ
Severn Bridge
ビューパーダンス Lyphard
My Bupers

 

父は大種牡馬サンデーサイレンス。ハーツクライは同期のキングカメハメハに比べ脚がスラっとして脚が長く、関節部分も非常に柔らかい印象がありました。自身が2度もレコード決着で接戦を演じたように、スピード能力はサンデーサイレンス譲りでしょう。

母は現役時代新潟大賞典と新潟記念とG3を2勝したアイリッシュダンス。アイリッシュダンスの父トニービンは直線の長い東京競馬場が得意な産駒が多い種牡馬。コース形態が東京と似た新潟競馬場で重賞2勝のハーツクライはトニービンの影響が強いと判断できます。

実際、トニービンの子でG1を勝つような馬は総じて脚長で体が薄め、ほとんどの馬が飛びの大きなスライド走法で走ります。現役時代に直線の長い東京コースでハイレベルなレースを繰り広げたハーツクライは、サンデーサイレンスよりトニービンの血が濃いと言えるでしょう。

基本的に日本ではサンデーサイレンスや、その子を父に持つ牝馬で溢れているのでハーツクライが種付けできる牝馬が限られます。

ただ、G1馬を数多く輩出したディープインパクトとキングカメハメハが相次いで亡くなったため、その穴を埋める形でハーツクライがクラシック馬(特にダービー・オークス)を出す可能性は十分あります。

ハーツクライ産駒の特徴

ハーツクライは遺伝力の強い馬で、ハーツクライ同様に大飛びのスライド走法を得とする産駒を多く輩出します。

ハーツクライ産駒は良績が芝に集中します。また距離適性はハーツクライの血が濃く出てく、中距離以上で能力を発揮します。スタミナロスが少ない走法のため、距離は伸びれば伸びるほど良い感じです。

ハーツクライ産駒はマイルも走りますが中距離より成績が落ちます。短距離はほとんど走りません。基本的に大飛びなので直線の長い東京や京都・阪神の外回り、中京、新潟などが得意。逆に小回りで直線の短い中山や福島、小倉などは苦手です。

ハーツクライ産駒は晩成型が多いのでクラシック路線では重賞勝ちこそすれG1では勝ち切れず、入着までが多い印象。クラシック勝ちは今の所直線が長い東京コースのオークス、ダービーだけです。

ただしハーツクライが古馬で大成したように、ハーツクライ産駒は晩成型で成長力に富み、古馬になって大きなところを獲る馬が大半です。

ハーツクライ産駒の中には地方ではダート重賞を勝つ産駒もいますが、ハーツクライの特徴が強く出た産駒は基本的にダートは苦手。中央のダート路線ではほぼ条件戦までしか勝てません。

ハーツクライ代表産駒

天皇賞秋・安田記念勝ち、ドバイデューティーフリー勝利で当時世界ランキング単独1位を獲得したジャスタウェイが代表産駒。またダービーを勝ったワンアンドオンリー、オークスを勝ったヌーヴォレコルトなど、JRAのG1に限れば2019年現在、計8頭のG1馬を輩出しています。


ジャスタウェイ(天皇賞秋、安田記念、ドバイデューティーフリー、2014年度最優秀3歳以上牡馬、種牡馬)
ワンアンドオンリー(ダービー、種牡馬)
ヌーヴォレコルト(オークス)
リスグラシュー(エリザベス女王杯、宝塚記念、有馬記念、コックスプレート、2019年度年度代表馬)

 

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