ダイワメジャー 予想に役立つ成績・血統・産駒の特徴を解説

私見、種牡馬解説

マイラー種牡馬としての地位を築きつつあるダイワメジャー。

ダイワメジャー産駒の距離適性やコース適性を知るには、ダイワメジャーの現役時代の特徴や血統構成、産駒の共通性を知るのが何より重要。種牡馬ダイワメジャーの特徴を知ると勝ち馬や穴馬、人気で惨敗する馬を予想できるので、ぜひ馬券の検討に役立てください。  

種牡馬ダイワメジャーとダイワメジャー産駒の特徴を紹介

ダイワメジャーの現役時代の成績

戦績

28戦9勝2着4回(内、海外1戦0勝)

G1及び重賞勝利

G1: 皐月賞、天皇賞秋、マイルチャンピオンシップ2回、安田記念
G2:マイラーズカップ、毎日王冠
G3:ダービー卿チャレンジトロフィー

ダイワメジャーの現役時代の特徴

現役時代は主にマイルから中距離路線で活躍した名馬です。

母がJRA重賞を4勝したスカーレットブーケで、当時種牡馬として飛ぶ鳥を落とす勢いだったサンデーサイレンスの仔としてデビュー前から期待されていた1頭。新馬戦で546kgと非常に大柄な馬体で筋肉質、相当なパワーを備えていました。

一方で知らない場所では興奮してパニックになるなど気性難も抱え、皐月賞トライアルレースのスプリングステークスを出走するまでダートの未勝利戦を勝っただけ。そのスプリングステークスでも3着を確保するのがやっとという状態でした。

鞍上にM.デムーロを迎えた皐月賞では10番人気という低評価ながらレースレコードに0.1秒差に迫る高速時計で優勝。ダービーではキングカメハメハのレースレコード(2秒更新)に屈し、1秒差の6着に沈みます。その後喘鳴症が発覚し、手術のため長期休養に入ります。

復帰初戦のダービー卿チャレンジトロフィーではレースレコードで優勝するも、その年の勝利はこの1戦のみ。G1もマイルチャンピオンシップ2着が最高。本格化したのは5歳秋からで、毎日王冠を皮切りに天皇賞秋、マイルチャンピオンシップと3連勝。有馬記念で3着します。

翌年も安田記念とマイルチャンピオンシップのマイルG1を制し、引退レースの有馬記念では妹に当たるダイワスカーレットと兄妹対決。1着は中山巧者のマツリダゴッホでしたが、2着がダイワスカーレット、3着がダイワメジャーと兄妹で馬券に絡んでいます。

 

ダイワメジャー(サンデーサイレンス系)の血統上の特徴

サンデーサイレンス Hao Hail to Reason
Comah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
スカーレットブーケ ノーザンテースト Northern Dancer
Lady Victoria
スカーレットインク Crimson Satan
Consentid

 

ダイワメジャーの父は大種牡馬サンデーサイレンス。早い時計決着でも対応できるのはサンデーサイレンスのスピード能力を受け継いだから。ただしサンデーサイレンスの仔としては大柄で筋肉質。あまりサンデーサイレンス系の種牡馬には見えません。

母のスカーレットブーケからは他にG14勝馬ダイワスカーレット(父アグネスタキオン)が出ています。またその母のスカーレットインクの系統から地方・中央のダートG1を9勝したヴァーミリアンなど数多くの重賞馬が輩出し、この系統は俗に「スカーレット」一族と言われています。

さらに母カーレットブーケにはノーザンテーストの血が入っています。ノーザンテーストは大種牡馬ノーザンテーストの直仔で、サンデーサイレンスが現れる一世代前に長く日本競馬のリーディングサイアーに君臨していた種牡馬です。

自身のG1成績はフランス芝1400mG1フォレ賞のみ。ただし日本では様々なタイプのG1勝利馬を輩出しています。ノーザンテースト産駒は総じてタフで筋肉質が多く、またパワーも備えています。ダイワメジャーのパワフルで筋肉質の馬体も、このノーザンテーストの血です。

このようにスカーレットブーケの血がサンデーサイレンスに負けず劣らず非常に活力があるため、ダイワメジャーも産駒にノーザンテーストの特性を濃く伝えます。

ダイワメジャー産駒の特徴

ダイワメジャーは遺伝力が強い種牡馬です。産駒の距離適性はほぼダイワメジャーに依存し、短距離からマイラーまでを多く輩出します。特にマイル戦に強く、上級は馬ほどマイル適性が高い傾向にあります。ただし、それ以上の距離になると成績が極端に落ちます。

産駒は仕上がりが早く、2歳から芝・ダートを問わず走ります。ただし多くのイワメジャー産駒は3歳いっぱいで成長のピークを迎えてしまいます。その後長く能力を維持し、あまり使い減りしない産駒が比較的多い傾向です。

またダイワメジャー産駒はタフでパワーがあり、中山の急坂を苦にしません。これらの特性はほぼノーザンダンサーの影響です。

ダイワメジャー産駒は基本的に筋肉質なので関節の柔軟性に欠け、産駒は総じてピッチ走法。ただしスローペースで最後に瞬発力勝負になるレースは苦手。しぶとく競り勝つレースを得意とし、時計勝負のようなタフな展開で能力を発揮します。

ダイワメジャーの代表産駒

2019年現在、JRAのG1勝馬は6頭。NHKマイルカップや2歳G1の阪神ジュベナイルフィリーズや朝日杯フューチュリティーステークスなど2、3歳時のマイルG1勝ちが非常に目立ちます。
ただ2011年から種牡馬生活をはじめ、いまだに古馬になってG1を勝ちした馬がコパノリチャードしかいないのが難点です(4歳で春の勝利で、その後の勝鞍はありません)。

カレンブラックヒル(NHKマイルカップ)
コパノリチャード(高松宮記念、種牡馬)
メジャーエンブレム(阪神ジュベナイルフィリーズ、NHKマイルカップ)
アドマイヤマーズ(朝日杯フューチュリティーステークス、NHKマイルカップ、香港マイル)
など

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コメント

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