初年度産駒から2頭のG1馬を輩出した種牡馬オルフェーヴル。オルフェーヴル産駒の距離適性やコース適性を知るには、オルフェーヴルの現役時代の特徴や血統構成、産駒の共通性を知るのが何より重要。種牡馬オルフェーヴルの特徴を知ると勝ち馬や穴馬、人気でも惨敗の可能性を予想できるので、ぜひ馬券の検討にお役立てください。
種牡馬オルフェーヴルとオルフェーヴル産駒の特徴を紹介
オルフェーヴルの現役時代の成績
戦績
17戦10勝2着6回(内、海外4戦2勝)
G1及び重賞勝利
G1:皐月賞、ダービー、菊花賞、有馬記念2回、宝塚記念、
G2:スプリングステークス、神戸新聞杯、大阪杯、フォア賞(仏国)2回
特記事項
2011年度JRA年度代表馬、最優秀3歳牡馬
2012・2013年度最優秀4歳以上牡馬
顕彰馬
オルフェーヴルの現役時代の特徴

先にG1を3勝したドリームジャーニー全弟。ただし小柄だったドリームジャーにと比べオルフェーヴ
ルは標準馬体。新馬戦で新潟の長い直線コースを上がり33.4秒の驚異的な末脚で快勝。しかしその後は父ステイゴールドから遺伝する気性難に泣かされ惜敗が続きます。
馬が変わったのは皐月賞トライアルレースのスプリングステークスを勝ってから。
その年は関東大震災の影響で中山競馬場が使えず、皐月賞・ダービー共に直線の長い東京競馬場で行われ、これも強烈な末脚で勝負するオルフェーヴルには追い風に。皐月賞は34.2秒の末脚を繰り出し2着に0.5秒差をつけ快勝。不良で行われたダービーでも34.8秒の末脚で優勝します。
秋は神戸新聞杯、菊花賞を連勝し、ディープインパクト以来6年ぶり、7頭目の三冠馬に輝きます。続くブエナビスタをはじめG1馬9頭が参加した有馬記念で2番人気。第3コーナーから大まくりを繰り出し2着と3/4馬身差で優勝。ナリタブライアン以来17年ぶりに3歳で四冠を制します。
翌年は阪神大賞典で大逸走ながら2着。天皇賞秋では気性の悪さを見せ11着と惨敗。続く宝塚記念では力の違いを見せつけ優勝。凱旋門賞挑戦が決まります。
フランスではステップレースのフォア賞を快勝。本番の凱旋門賞では直線で先頭に立つも気性の悪さを見せ内に刺さり失速し、ゴール前で優勝馬に首差刺され2着と惜敗。この結果を受け翌年の凱旋門賞挑戦も決定します。
翌年はG2大阪杯を叩き、凱旋門賞のステップレースのフォア賞を余裕勝ち。しかし本番の凱旋門賞では3歳牝馬のフランス馬トレヴィに5馬身差を付けられ2着。トレヴィは翌年の凱旋門賞も快勝するので相手が悪かったというしかありません。
その年の有馬記念が引退レースで、前年の有馬記念の覇者でオルフェーヴルと同じ血統構成を持つゴールドシップも参戦。この有馬記念では2着に1.3秒もの大差をつけて優勝。その強さを改めて他馬に見せつける形で引退します。
もっとも、オルフェーヴルを一番印象付けるのは2着に負けた阪神大賞典。レースと途中で掛かってしまい口を割りながら先頭馬と併走。2週目の3コーナー手前で大外へ逸走し、故障かと思わせるような止まり方をしますが、他の馬が3コーナーを回り始めるのを見つけると再び猛追。
先頭馬から100m近く離されたにもかかわらず、最後は先頭馬に並びかけ1/2馬身差2着を確保。心肺能力の高さもさることながら、その気性の悪さや闘争心の凄さをまざまざと競馬ファンに見せつけています。
オルフェーヴル(サンデーサイレンス系)の血統上の特徴

ステイゴールド | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ゴールデンサッシュ | ディクタス | |
ダイナサッシュ | ||
オリエンタルアート | メジロマックイーン | メジロティターン |
メジロオーロラ | ||
エレクトロアート | ノーザンテースト | |
グランマスティーヴンス |
全兄に朝日杯フューチュリティステークス、宝塚記念、有馬記念の3つのG1を制したドリームジャーニーがいます。
父は大種牡馬サンデーサイレンス直仔のステイゴールド。産駒にサンデーサイレンス特有の柔らかな筋肉、ディクタスの豊富なスタミナを伝えますが、同時にディクタスが持つ気性難も伝えます。オルフェーヴルの気性難はステイゴールドの血にあるディクタスが原因。
兄のドリームジャーニーはステイゴールドに近い馬体ですが、オルフェーヴルの場合は全体的に筋肉質。これは父系と母系にある4×3のノーザンテーストの血。ノーザンテーストは産駒にタフさとパワーを伝えます。実際にオルフェーヴルは力の要る急坂や重馬場、洋芝を苦にしていません。
さらに阪神大賞典で大逸走しても先頭に追いつくズバ抜けた心肺機能は母の父のメジロマックイーンの血によるもの。メジロマックイーンの主戦・武豊の話では、メジロマックイーンは本来スピード馬で、長距離を走れるのは他馬より心肺機能がずば抜けて優秀だからと解説しています。
国内で繁栄しているサンデーサイレンス系なので、種付けできる牝馬はサンデーサイレンスを血統内に持たないミスタープロスペクター系や、ヘイリトゥーリズン系でもロベルトの父系などに限られます。
オルフェーヴルの産駒の特徴
初年度産駒が走り始めてまだ4年目なのでハッキリした傾向は分かりませんが、初年度産駒から阪神ジュベナイルフィリーズとエリザベス女王杯を制したラッキーライラック、皐月賞を制したエポカドーロを輩出。仕上がりが早くクラッシック路線で活躍できることを証明しています。
ラッキーライラックが古馬混合重賞で牡馬と接戦を演じ、芝2400mの香港G1香港カップで世界の強豪相手に2着を確保するなど成長力も確か。1頭当たりの獲得賞金を比較するアーニングインデックスも年々数値が上がっているので、産駒の成長力は総じて高いと考えられます。
オルフェーヴル産駒は基本的に芝向き。ダートでは勝率が落ちます。オルフェーヴル産駒の平均走破距離は1850m前後で中距離向きですが、母系により短距離から中長距離まで幅広く走ります。
質の良い産駒ならメジロマックイーン譲りの心臓の強さも伝えられています。実際にオルフェーヴル産駒のエポカドーロの母系は短距離馬ですが、ダービーでも逃げて2着しています。
オルフェーヴルや兄ドリームジャーニー、その父のステイゴールドがピッチ走法だったように、オルフェーヴル産駒もピッチ走法が多く洋芝や坂のあるコースは苦にしません。
オルフェーヴルの代表産駒

初年度産駒からラッキーライラックとエポカドーロと2頭のG1馬を輩出したのはさすが。この結果と競争成績から全兄のドリームジャーニーより良質の繁殖牝馬を集めるのは間違いないので、今後活躍場が増えると予想されます。
ラッキーライラック(阪神ジュベナイルフィリーズ、エリザベス女王杯、大阪杯)
エポカドーロ(皐月賞)
コメント
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