アドマイヤムーン 予想に役立つ成績・血統・産駒の特徴を解説

私見、種牡馬解説

ファンの間では短距離系種牡馬として知られるアドマイヤムーン。

アドマイヤムーン産駒の得意な距離やコースを知るには、アドマイヤムーンの現役時代の特徴や血統構成、産駒の共通性を知るのが何より重要。種牡馬アドマイヤムーンの特徴を知ると、勝ち馬や穴馬、人気で惨敗する馬を予想できるので、ぜひ馬券の検討に役立てください。 

種牡馬アドマイヤムーンとアドマイヤムーン産駒の特徴を紹介

アドマイヤムーンの現役時代の成績

戦績

17戦10勝2着2回(内、海外3戦1勝)

G1及び重賞勝利

G1:ドバイデューティーフリー、宝塚記念、ジャパンカップ 
G2:弥生賞、札幌記念
G3:札幌2歳ステークス、共同通信杯

特記事項

2007年度JRA年度代表馬、最優秀4歳以上牡馬

アドマイヤムーンの現役時代の特徴

早くからクラシック候補に挙げられていた一頭。鞍上に武豊を迎え出世レースである共同通信杯、トライアルの弥生賞を連勝して臨んだ皐月賞では1番人気に押されるも、メイショウサムソンに0.4秒差4着で敗退。続くダービーでも0.9秒差7着で惨敗しています。

秋は菊花賞ではなく適距離の古馬中距離路線に変更。3歳で古馬混合重賞のG2札幌記念を快勝し、天皇賞秋では0.2秒差3着、香港カップではタイム差無し2着。成長途上の3歳でも高い能力があることを証明します。

翌年、京都記念を勝ってドバイデューティーフリーに参戦しG1初勝利。続く香港のクイーンエリザベス2世カップで0.1秒差3着と惜敗。国内に戻り鞍上を岩田康誠に変え稍重の宝塚記念を優秀し、国内G1をようやく手にします。

その後所属をダーレー・ジャパンに移籍。天皇賞6着後に種牡馬になることが発表され、続くジャパンカップで5番人気ながら優勝。その勝利をもって引退し種牡馬生活に入ります。

現役時代は中距離で活躍しましたが、高い能力を持っていながら先頭に立つとソラを使う(自分が勝ったと勘違いして気を抜くこと)ため、レースコントロールが大変難しい馬でした。また高速決着は苦手で、勝ったG1のドバイも宝塚記念もゆるく重い馬場でした。

アドマイヤムーン(ミスタープロスペクター系)の血統上の特徴

エンドスウィープ フォーティナイナー Mr.Prospector
File
Broom Dance Tom Rolfe
Continue
マイケイティーズ サンデーサイレンス Hale
Wishing Well
ケイティーズファースト Kris
Katies

 

アドマイヤムーンの父はミスタープロスペクター系のエンドスウィープ。その父フォーティナイナーは日本で短距離のダート馬を多く輩出。エンドスウィープ産駒の持ち込み馬・サウスヴィグラスがダートの短距離重賞を勝ちまくったので、その後継種牡馬として導入されました。

実際にエンドスウィープはどんな牝馬に付けても芝・ダートを問わず新馬、未勝利の短距離レースはほぼ勝ち上がるという驚異の短距離適性と仕上がりの早さを見せています。

そのエンドスウィープは僅か3世代を残し早逝しましたが、その中からスイープトウショウ、ラインクラフト、アドマイヤムーンの3頭のG1馬を輩出したのですから、遺伝力の強さが伺えます。

アドマイヤムーンの母はサンデーサイレンスを父に持つマイケイティーズ。その母ケイティーズファーストの系譜からヒシアマゾン、スリープレスナイトなどの国内G1を勝った活躍馬を輩出している活力ある母系です。

エンドスウィープの距離適性は母系の影響力強いと母方の距離適性に依存し、弱ければ父と同じように短距離適性が高まります。ただし長距離馬は出しません。アドマイヤムーンは母系は強く、サンデーサイレンスの血が入ったため中距離馬として大成しています。

ただしアドマイヤムーンは父がミスタープロスペクター系、母がサンデーサイレンス系とどちらも日本の繁殖馬の主流血統なので、種付けできる牝馬が限定されます。

アドマイヤムーンの産駒の特徴

中距離で活躍したアドマイヤムーンとは異なり、優良な産駒はほぼ短距離馬。アドマイヤムーンの現役時代の活躍が頭にあると「短距離では走らないだろう」と馬券から外してしまうので注意が必要です。

アドマイヤムーンはエンドスウィープの血が隔世遺伝する感じで、産駒の距離適性も短距離からせいぜいマイルまで。アドマイヤムーンの父エンドスウィープが芝・ダート兼用だったのとは異なり、アドマイヤムーン産駒は芝のみ。ダートは下級条件までしか勝ち上がれません。

またアドマイヤムーン産駒は他のミスタープロスペクター系の短距離馬と同様にレースで緩急を付けられず一本調子。タメが効かないので坂のあるコースも基本苦手で、早い時計決着にも向いていません。

逆にアドマイヤムーンが洋芝の札幌や、稍重の馬場を苦にしなかったように、パワーも伝えるので産駒は洋芝など重い芝のコースや時計の掛かるレースは得意です。

アドマイヤムーンと同様に産駒は仕上がり早で2歳から活躍し、良質の産駒であれば古馬になっても一級線で活躍できる成長力を備えています。ただアドマイヤムーンの気性難も産駒に伝えるので、多くの産駒は成績が安定しません。

アドマイヤムーンの代表産駒

G1馬では高松宮記念を勝ったセイウンコウセイ、高松宮記念とスプリンターズステークスを連勝したファインニードルを輩出しています。また本馬場入場で必ずクルクル旋回する癖があって人気が出た短距離馬のハクサンムーンもアドマイヤムーン産駒です。

セイウンコウセイ(高松宮記念)
ファインニードル(高松宮記念、スプリンターズステークス、種牡馬)
ハクサンムーン(G2セントウルステークス、G3京阪杯、アイビーサマーダッシュ、種牡馬)

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