社台スタリオンが力を入れる種牡馬ハービンジャーからはブラストワンピースやノームコア、ディアドラなどのG1馬が出ています。
ハービンジャー産駒の距離適性やコース適性を知るには、ハービンジャーの現役時代の特徴や血統構成、産駒の共通性を知るのが何より重要。種牡馬ハービンジャーの特徴を知ると勝ち馬や穴馬、人気でも惨敗の可能性を予想できるので、ぜひ馬券の検討にお役立てください。
種牡馬ハービンジャーとハービンジャー産駒の特徴を紹介
ハービンジャーの現役時代の成績
戦績
9戦6勝(全て海外)
G1及び重賞勝利
G1: キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英)
G2: ハードウィックS(英)
G3: ゴードンS(英)、ジョンポーターS(英)、オーモンドS(英)
特記事項
2004年ワールド・サラブレッド・ランキング 135ポイント(歴代2位)
ハービンジャーの現役時代の特徴
ハービンジャーはイギリスの生産馬。現役時代は2歳レースに出走できず、3歳4月に一般戦から。未勝利戦を勝ち上がり芝2400mのG3ゴードンステークスを3戦目で制します。その後重賞を2戦しますが惨敗してその年は終了します。
翌年4月に芝2500mG3ジョンポーターステークスを快勝すると、そこから快進撃が始まり中長距離のG3、G2を連勝。G1初挑戦のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは2着馬に11馬身の大差で優勝。1975年にグランディのレースレコードを35年ぶりに更新します。
その後凱旋門賞に向けて調整されていましたが骨折を発症。引退が発表されます。引退後、社台スタリオンが種牡馬として購入。購入当初の種付け料は400万円でしたが、2020年度の種付け料は600万に設定されています。
ハービンジャー(デインヒル系)の血統上の特徴
Dansili | デインヒル | Danzig |
Razyana | ||
Hasili | Kahyasi | |
Kerali | ||
Penang Pearl | Bering | Arctic Tern |
Beaune | ||
Guapa | Shareef Dancer | |
Sauceboat |
ハービンジャーは大種牡馬デインヒルの血を引いています。ハービンジャーの父ダンジリも大種牡馬で、ハービンジャー以外にもディープインパクトが参戦した凱旋門賞で優勝したレイルリンクなど数多くの海外G1馬を輩出しています。
父の父母、母の父母共に大種牡馬ノーザンダンサーの血を引くという極端な近親配合。そのため既に日本の牝系を覆い尽くした感のあるサンデーサイレンスをはじめとしたヘイルトゥリーズン系や、キングカメハメハなどミスタープロスペクター系と交配できるのが最大のメリット。
社台スタリオンが力を入れている種牡馬の一頭で、種付け頭数は初年度から200超え。ハービンジャー自身が晩成型だったので初年、2年目産駒の2、3歳時の成績が悪く、一時期種付け頭数が100頭前半まで落ちましたが、G1勝馬出現を契機に再び200頭を超えています。
ハービンジャー産駒の特徴

ハービンジャーが2、3歳時の成績が悪かったように、ハービンジャー産駒は基本的に晩成型。クラッシク路線では馬券には絡むものの勝ち切れないことがほとんど。ただ3歳秋頃からメキメキと力を付けるタイプが多く、3歳でG1を勝った馬も全て秋のG1です。
ハービンジャーにはもともと良質の牝馬をあてがっているため1頭当たりの獲得賞金額を表すAEI(アーニングイインデックス)も2020年現在1.49と良く、年を追うごとに数値が上がっていることからもやはり晩成型の血統と判断してよいでしょう。
ハービンジャー産駒の良績は芝に偏り、ダートは苦手。また芝でも軽く、硬く、時計が早いコースは苦手です。そのため早い時計勝負のレースは向いていません。逆にパワーがあるので荒れ始めた芝や洋芝で力を発揮し、芝の重馬場も苦にしません。ただし脚が滑る不良馬場は苦手です。
ハービンジャー産駒の走破距離は母系に影響される感じですが、良質な産駒は基本的にマイル以上から。中距離から中長距離で最も能力を発揮します。実際に産駒の平均走破距離が1800m後半から1900m前半なので、一般的な種牡馬よりも中距離向きです。
ハービンジャーの場合、全体的に重賞よりもG1で力を発揮するタイプが多く、交配している牝馬の質の割にG2、G3勝ちが少ない印象を受けます。
ハービンジャーの代表産駒

2014年の産駒からマイルチャンピオンシップのペルシアンナイト、エリザベス女王杯のモズカッチャン、秋華賞と英ナッソーステークス勝ちのディアドラと3頭のG1馬を輩出。
翌年の産駒からも有馬記念のブラストワンピース、ヴィクトリアマイルのノームコアを送り出しているので、ようやく良質な牝馬に交配している成果が出ています。
ペルシアンナイト(マイルチャンピオンシップ)
モズカッチャン(エリザベス女王杯)
ディアドラ(秋華賞、英ナッソーステークス)
ブラストワンピース(有馬記念)
ノームコア(ヴィクトリアマイル)
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