2020年ダービー卿チャレンジトロフィーの注目馬を分析!
NHKマイル勝利馬ケイアイノ~テック、マイル重賞3勝のプリモシーン、昨年のマイルチャンピオンシップ4着のマイスタイルなどが参戦を表明しているダービー卿チャレンジトロフィー。出走登録に中から、注目度の高い馬の実力を比較分析します。
ダービー卿チャレンジトロフィーの特徴
G3ダービー卿チャレンジトロフィーは中山第3回開催3日目に行われる芝1600mハンデキャップ戦。国際競争でJRA所属馬以外に、外国調教馬なら8頭まで優先的に出走権が与えられます。地方所属の認定馬は2頭まで出走が可能です。
牝馬ならヴィクトリアマイル、牡馬なら安田記念を目指す馬がステップレースとして出走します。ただし、ここを連対した馬が春のマイルG1で好走する可能性は低く、過去10年でもショウワモダン、モーリスが安田記念勝ち、プリモシーンがヴィクトリアマイルを2着しただけです。
またハンデキャップ戦なのでご多分に漏れず1番人気の信頼度は極端に低く、過去10年では1番人気で勝利したのはモーリスのみ。連対もモーリスを含め2回だけと荒れ気味です。ただ10番人気以下が連に絡むことも少なく、それなりに実力も必要なレースです。
ハンデキャップ競走なので近走不振な高齢馬も出走してきますが、過去10年で7歳馬の勝利は無く、8歳馬では馬券にさえ絡みません。
レース及びコースの攻略法
ダービー卿チャレンジトロフィーは中山の外回りコースを使い、コーナーを3つ回る芝1600mのレースです。中山の1600mは内枠に入った逃げ、先行馬が圧倒的に有利で、外枠が不利という、枠順で有利・不利がハッキリしているコースです。
スタートは第1コーナーと第2コーナーの中間地点。ここが中山競馬場の最高地点です。外回りの第1コーナー目までの直線が240mと短く、外枠の馬は内に入れ難いめ距離ロスを承知でそのまま外目を走るか、スタート時にスピードを落とし内に潜り込ませるしかなく、後手を踏みます。
逆に内枠に入った逃げ、先行馬は第1コーナーを回ると第3コーナーまで緩やかな下り坂が続くので加速がつけやすく、外枠に入った差し、追い込み馬を楽に引き離せます。もちろん最後の直線は中山の急坂が待ち構えているので、それなりにパワーも必要です。
このように中山1600mで外枠に入ったら、よほど実力差がなければ勝ち切るのが難しいコースです。中山の1600mを大外で勝利する馬は、その上のクラスのレースでも十分勝ち負けできます。
勝ち馬予想に役立つ!ダービー卿CTの注目馬分析
ケイアイノーテック
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
ケイアイガーベラ | Smarty Jones | Elusive Quality |
I’ll Get Along | ||
アンナステルツ | Danzig | |
Edge |
ケイアイノーテックは新馬戦から強烈な末脚を武器にし、2018年度の3歳限定G1、NHKマイルカップを勝利。ただしそれ以降は勝利から完全に見放され、休み明け初戦のG2毎日王冠で5着したのを最後に掲示板すら載っていません。
ただし完全に力が衰えたわけではなく、チャレンジカップ、東京新聞杯と上がり最速をマーク。1着とのタイム差も0.3秒、0.6秒と健闘しています。
ケイアイノーテックの父は多くのマイルG1馬を輩出するディープインパクト。ケイアイノーテックの末脚はディープインパクト譲りで、現に本番もG1馬に輝いています。
母のケイアイガーベラはダート短距離を中心にG3プロキシオンステークスとカペラステークスを含め9勝。5歳末のカペラステークス勝利で引退しましたが力の衰えが原因ではなく、本賞金加算で以後酷量を背負うことになるための引退なので成長力もあった馬です。
そのためケイアイノーテックの距離適性は母系からと判断できます。ケイアイノーテックの末脚が強力と言っても、基本的に直線が長いコースでのもの。中山の1600mは先行有利で直線が短いため、今回は出番がないと判断できます。
プリモシーン
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
Mosheen | Fastnet Rock | デインヒル |
Piccadilly Circus | ||
Sumehra | ストラヴィンスキー | |
Miss Priority |
プリモシーンはG3フェアリーステークス、関屋記念、東京新聞杯とマイル重賞を3勝。昨年もこのダービー卿チャレンジトロフィーに参戦し2着後、ヴィクトリアマイルで2着と実力はメンバー最上位。基本的に勝利も連絡みも全てマイル戦という生粋のマイラーです。
プリモシーンの父は芝マイルのG1馬を多数輩出する大種牡馬ディープインパクト。プリモシーンの母モシーンは豪州でマイルG1の2勝を含めG1を4勝した名馬なのでかなりの良血と言って良いでしょう。
母モーシンの父ファストネットロックは豪州のスプリンターで、種牡馬としても成功。スピードに優れた産駒が多く、短距離からマイルに掛けて多くのステークスウィナーを輩出しています。昨年本レースの勝利馬フィアーノロマーノもファストネットロック産駒です。
前走の東京新聞杯では実質トップハンデの56kgを背負い勝利しているので、今回もほぼトップハンデが予想されます。牝馬としては大型の500kg越えの馬体なので、前走と同斤量なら勝ち負けを期待できます。
マイスタイル
ハーツクライ | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
アイリッシュダンス | トニービン | |
ビューパーダンス | ||
ファーストナイナー | フォーティナイナー | Mr. Prospector |
File | ||
レディダンジグ | Danzig | |
Lady’s Secret |
マイスタイルは昨年のG3ハンデキャプ競走の函館記念の勝ち馬。重賞勝利はこの1勝だけですが、重賞で馬券に絡むこと6回、さらに昨年のマイルチャンピオンシップでは4着と重賞で勝ち負けできる実力を持っています。
マイルチャンピオンシップの前走スワンステークスでタイム差無しの3着だったので、マイルチャンピオンシップ後も1400mの重賞を2度使いましたがいずれも惨敗。他で馬券に絡んでいるのは1600~2000mなので、基本的にやや長めのマイラーと見た方が妥当でしょう。
差しでも勝負できますが、基本的に逃げ馬なので他の馬にマークされやすく、人気の時は惨敗し、人気薄で好走するパターンを繰り返しています。昨年も本レースに参戦し7番人気でしたが、タイム差無し3着と馬券に絡んでいます。この時は外枠だったため差しで勝負しています。
父はマイル以上の芝で活躍する産駒を多く輩出するハーツクライ。母は短距離のダート馬を多く輩出するフォーティナイナー産駒で、自身は短距離の条件戦を2勝しただけ。そのためマイスタイルはハーツクライの血が濃く出ていると判断できます。
中山の芝1600mは逃げ、先行が有利なので、後は当日の枠順と人気次第。重賞1勝のみで、前2走が大敗なのでプリモシーンよりはハンデで恩恵が受けらます。プリモシーン以外は能力的に格下なので、今回は勝ち負けを期待できます。
ジャンダルム
Kitten’s Joy | El Prado | Sadler’s Wells |
Lady Capulet | ||
Kitten’s First | Lear Fan | |
That’s My Hon | ||
ビリーヴ | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
グレートクリスティーヌ | Danzig | |
Great Lady M. |
ジャンダルムはG2デイリー杯2歳ステークスの勝ち馬で、2017年の2歳G1ホープフルステークスの2着馬。他にG2弥生賞で3着、本レースと同じコースで行われるG3京成杯オータムハンデでも3着しています。
ジャンダルムの父は2013、2018年の北米リーディングサイアーであるキトゥンズジョイ。キトゥンズジョイは芝の中距離にG1を3勝しています。
母はスプリンターズステークスと高松宮記念の2つの短距離G1を制したビリーヴ。ビリーヴ産駒はすでに何頭か走っていますが、重賞路線でそこそこ活躍するものの勝ち切れない馬がほとんど。ジャンダルムも2歳重賞勝利後はビリーヴの他の産駒と同じような成績です。
ジャンダルムは前々走で中山芝1600mのリステッドクラスを勝利しそれなりに人気になるでしょうが、今回はメンバーが強化されるので良くて3着までの評価です。
レイエンダ
キングカメハメハ | Kingmambo | Mr.Prospector |
Miesque | ||
マンファス | ラストタイクーン | |
Pilot Bird | ||
ラドラーダ | シンボリクエスエス | Kris S. |
Tee Kay | ||
レディブロンド | Seeking the Gold | |
ウインドインハーヘア |
レイエンダは昨年のG3エプソムカップの勝利馬。昨年は他にG3の芝マイル戦富士ステークスでもG1馬ノームコア相手に2着しています。全兄はダービーと天皇賞秋を勝利したレイデオロで、デビュー前から兄より素質があると評価されていた良血です。
ただレイエンダは新馬戦後に骨折が判明しクラシック路線は間に合わず長期休養。3歳夏に復帰後は2連勝し、G2セントライト記念では2着。その後古馬重賞路線に参戦するも素質の割にはイマイチな成績。チークピースを付けたエプソムカップでようやく本領を発揮します。
レイエンダの全兄のレイデオロと同様に、はまった時の強烈な末脚が武器。直線の長い東京コースでは32後半~33秒前半の末脚を繰り出しています。しかし直線の短いコースでは34秒台と振るっていないので、ピッチ走法だった兄と違い加速までに時間がかかると思われます。
今回も直線の短い中山なので、能力を秘めていたとしても十分に発揮できずに終わる可能性が高いと見ています。
ダービー卿チャレンジトロフィー出走表
枠番 | 馬番 | 出走馬 | 父 | 馬齢 | 騎手 | 生産牧場 |
所属 | 母の父 | 斤量 | 馬主 | |||
1 | 1 | ナインテイルズ | ローエングリン | 牡9 | 野中悠太郎 | 山田牧場 |
長谷川浩 (栗東) | メジロライアン | 54kg | 岡田牧雄 | |||
1 | 2 | ストーミーシー | アドマイヤムーン | 牡7 | 横山武史 | ミルファーム |
斎藤誠(美浦) | ゼンノエルシド | 56.5kg | ミルファーム | |||
2 | 3 | ジャンダルム | Kitten’s Joy | 牡5 | 藤井勘一郎 | North Hills Co. Limited |
池江泰寿 (栗東) | サンデーサイレンス | 56kg | 前田幸治 | |||
2 | 4 | クルーガー | キングカメハメハ | 牡8 | 石橋脩 | ノーザンファーム |
高野友和 (栗東) | ディクタット | 牡57 | キャロットファーム | |||
3 | 5 | ボンセルヴィーソ | ダイワメジャー | 牡6 | 木幡巧也 | 白井牧場 |
池添学(栗東) | サクラローレル | 54kg | 名古屋友豊(株) | |||
3 | 6 | レイエンダ | キングカメハメハ | 牡5 | 丸山元気 | ノーザンファーム |
藤沢和雄 (美浦) | シンボリクエスエス | 57kg | キャロットファーム | |||
4 | 7 | プリモシーン | ディープインパクト | 牝5 | M.デムーロ | ノーザンファーム |
木村哲也 (美浦) | Fastnet Rock | 56kg | シルクレーシング | |||
4 | 8 | トーラスジェミニ | キングズベスト | 牡4 | 木幡育也 | 川上牧場 |
長谷川浩 (栗東) | マンハッタンカフェ | 54kg | 小桧山悟 (美浦) | |||
5 | 9 | ブラックムーン | アドマイヤムーン | 牡8 | 吉田豊 | タバタファーム |
西浦勝一 (栗東) | ジェネラス | 57kg | HimRockH | |||
5 | 10 | ムーンクエイク | アドマイヤムーン | 騙7 | 北村宏司 | ノーザンファーム |
藤沢和雄 (美浦) | Halling | 56kg | キャロットファーム | |||
6 | 11 | ケイアイノーテック | ディープインパクト | 牡5 | 津村明秀 | 隆栄牧場 |
平田修 (栗東) | Smarty Jones | 57kg | 亀田和弘 | |||
6 | 12 | ペプチドバンブー | ロードカナロア | 牡5 | 松田大作 | 杵臼牧場 |
武英智 (栗東) | サクラバクシンオー | 54kg | 沼川一彦 | |||
7 | 13 | エメラルファイト | クロフネ | 牡4 | 石川裕紀人 | 金成吉田牧場 |
相沢郁 (美浦) | スペシャルウィーク | 56kg | 高橋勉 | |||
7 | 14 | ドーヴァー | アドマイヤムーン | 牡7 | 田辺裕信 | ダーレー・ジャパン・F |
伊藤圭三 (美浦) | Elusive Quality | 56kg | ゴドルフィン | |||
8 | 15 | カツジ | ディープインパクト | 牡5 | 松山弘平 | 岡田スタッド |
池添兼雄 (栗東) | ホワイトマズル | 56kg | カナヤマ H | |||
8 | 16 | マイスタイル | ハーツクライ | 牡6 | 横山典弘 | 猪野毛牧場 |
昆貢(栗東) | フォーティナイナー | 57.5kg | 寺田千代乃 |
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