2020年アンタレスステークスの注目馬を分析!
前走のマーチステークスで高いダート適性もあること証明したで菊花賞2着、天皇賞3着の実力馬クリンチャーが出走登録している今年のアンタレスステークス。他にも前年の覇者アナザートゥルースや名護者大賞典優勝馬のロードゴラッソも参戦。
アンタレスステークス登録馬の中から注目度の高い馬をピックアップし、勝ち負けできる実力があるのか分析します。
アンタレスステークスの特徴
第2回阪神8日目に行われるG3アンタレスステークスはダート1800mの別定戦。1996年にダート路線整備に伴い新設された重賞です。
過去の重賞勝利によって負担重量が決まり、基本重量は牡馬56kg、牝馬55kg。G1優勝馬は+3kg、牝馬限定G1及びG2優勝馬は+2kg、牝馬限定G2及びG3優勝馬は+1kgが課されます。ただし、2歳時の重賞成績は除きます。
新設当初は阪神1800mで行われましたが翌年には京都に移動。2012年に再び阪神競馬場で開催されるようになり、さらに2015年に国際重賞として外国調教馬の出走も可能です。
JRAでは数少ないダート重賞であり、基本的に人気よりも近走や過去の実績で決着するレース。過去10年でも好走するパターンはある程度決まっています。
- 前走地方重賞で1、2番人気で勝ち負け。
- 前走JRAのダート重賞で入着。
- 前走JRAのダート重賞で1、2番人気も惨敗。
- 前走オープンなら1番人気に応えて快勝。
- 前走JRAのダートG1出走馬なら人気薄でも可。
ここ5年では名古屋大賞典、マーチステークス組からの好走が目立っています。
また馬券に絡む年齢も4~6歳馬が大半を占め、ここ10年で7歳以上が馬券に絡んだのは2頭のみ。その2頭の7歳馬もダートの重量路線で常に1、2着を争っているような実力馬です。
過去10年のアンタレスステークス入賞馬のデータを見たい方はこちら
アンタレスステークスのレース及びコースの攻略法
スタートはスタンド正面のゴール前坂の下から。スタート後から第1コーナーまでの直線が303mと長いため先行争いになることは少なく、各馬のポジショニングも比較的スムーズに行われます。ペースも落ち着き気味。
阪神の第3コーナーから第4コーナーのカーブも緩やかなので加速しやすく、ここからペースが一気に上がります。ダート1800mはダートレースの中では長い部類に入り、さらにゴール前に坂が待ち構えているのでスタミナと共にパワーも必要。
そのため馬格が必要で、上位に入賞するような馬はたいてい500kg超えと筋力と心肺機能を備えた体格をしています。
【2020年】アンタレスステークス出走表
枠番 | 馬番 | 出走馬 | 父 | 馬齢 | 騎手 | 生産牧場 |
所属 | 母の父 | 斤量 | 馬主 | |||
1 | 1 | ノーブルサターン | カジノドライヴ | 牡6 | 高倉稜 | ハシモトファーム |
牧浦充徳 (栗東) | スペシャルウィーク | 56kg | 吉木伸彦 | |||
1 | 2 | ワイルドカード | ストリートセンス | 牡6 | 北村宏司 | ダーレー・ジャパン・F |
木村哲也 (美浦) | Unbridled’s Song | 56kg | ゴドルフィン | |||
2 | 3 | ロードゴラッソ | ハーツクライ | 牡5 | 浜中俊 | ケイアイファーム |
藤岡健一 (栗東) | Kingmambo | 57kg | ロードホースクラブ | |||
2 | 4 | クリンチャー | ディープスカイ | 牡6 | 石橋脩 | 平山牧場 |
宮本博 (栗東) | ブライアンズタイム | 57kg | 前田幸治 | |||
3 | 5 | ルールソヴァール | フレンチデピュティ | 騙8 | 松田大作 | 岡田スタッド |
高木登 (美浦) | フジキセキ | 56kg | ノルマンディーSR | |||
3 | 6 | アングライフェン | ステイゴールド | 牡8 | 藤井勘一郎 | ノースヒルズ |
安田隆行 (栗東) | パントレセレブル | 56kg | 前田幸治 | |||
4 | 7 | ベストタッチダウン | タートルボウル | 牡4 | 川田将雅 | 社台ファーム |
橋口慎介 (栗東) | スペシャルウィーク | 56kg | 社台レースホース | |||
4 | 8 | ウェスタールンド | ネオユニヴァース | 騙8 | 藤岡佑介 | ノーザンファーム |
佐々木晶 (栗東) | Marquetry | 56kg | サンデーレーシング | |||
5 | 9 | コマビショウ | エンパイアメーカー | 牡5 | 松若風馬 | フジワラファーム |
南井克巳 (栗東) | ホワイトマズル | 56kg | 小林一成 | |||
5 | 10 | サトノプライム | ストリートセンス | 牡6 | 古川吉洋 | フジワラファーム |
南井克巳 (栗東) | アサティス | 56kg | サトミホースカンパニー | |||
6 | 11 | アナザートゥルース | アイルハヴアナザー | 騙6 | 大野拓弥 | 岡田スタッド |
高木登 (美浦) | フジキセキ | 58kg | ノルマンディーTR | |||
6 | 12 | モズアトラクション | ジャングルポケット | 牡6 | 幸英明 | 築紫洋 |
松下武士 (栗東) | コロナドズクエスト | 57kg | キャピタル・システム | |||
7 | 13 | ナムラアラシ | エンパイアメーカー | 牡7 | 坂井瑠星 | いとう牧場 |
牧田和弥 (栗東) | エンドスウィープ | 56kg | 奈村信重 | |||
7 | 14 | メイショウスミトモ | ゴールドアリュール | 牡9 | 小牧太 | フジワラファーム |
南井克巳 (栗東) | アジュディケーティング | 56kg | 松本好雄 | |||
8 | 15 | リワードアンヴァル | スマートファルコン | 牡4 | 三浦皇成 | リワード |
藤原辰雄 (美浦) | オペラハウス | 56kg | 宮崎冴子 | |||
8 | 16 | メイショウワザシ | アイルハヴアナザー | 牡5 | 秋山真一郎 | 富田牧場 |
南井克巳 (栗東) | マンハッタンカフェ | 56kg | 松本好雄 |
勝ち馬予想に役立つ!アンタレスステークスの注目馬分析
アナザートゥルース
アイルハヴアナザー | Flower Alley | Distorted Humor |
プリンセスオリビア | ||
Arch’s Gal Edith | Arch | |
Force Five Gal | ||
キョウエイトルース | フジキセキ | サンデーサイレンス |
ミルレーサー | ||
キョウエイヨシノ | プラウドデボネア | |
キョウエイミート |
アナザートゥルースは昨年のアンタレスステークスの優勝馬。その後のダート路線でも入着を繰り返しています。今年は前走船橋のダート2400mG2ダイオライト記念を優勝して参戦なので、アンタレスステークスの好走条件を満たしています。
アナザートゥルースの父アイルハヴアナザーはアメリカの3冠クラシックロードの2冠馬。日本に一時繋養されていたため、本馬のように日本でも産駒が走っています。芝も重賞で入着するような産駒を出しますが、勝ち切るのはやはりダートです。
アナザートゥルースの母キョウエイトルースはダートの優良馬を輩出し、アナザートゥルースの半兄はチャンピオンズカップ、東京大賞典などのダートG1を勝ち2016年度のJRA最優秀ダートホースに選ばれたサンドトゥルー。また半兄にG3佐賀記念を勝ったルールソヴァールもいます。
今回はトップハンデの58kgがカギ。以前条件戦で57.5kgを背負い2着しているので斤量負けはないと思われますが、同程度の実力の馬と競ったらやはり不利。基本的に複勝までの馬券には絡んでくる馬です。
クリンチャー
ディープスカイ | アグネスタキオン | サンデーサイレンス |
アグネスフローラ | ||
アビ | Chief’s Crown | |
Carmelized | ||
ザフェイツ | ブライアンズタイム | Roberto |
Kelley’s Day | ||
ミスシャグラ | Danzig | |
Dusty Dollar |
クリンチャーはアンタレスステークスと関連性が高いマーチステークスの2着馬。芝路線では菊花賞2着、天皇賞春で3着、G2京都記念を優勝しています。ただ近走芝路線で勝てず、前走、前々走でダート適性もあることを証明しました。
前回のマーチステークスでも取り上げましたが、クリンチャーの父ディープスカイはNHKマイルカップとダービーを勝った芝馬ですが、良質な産駒のほとんどがダート馬。これはその父であるアグネスタキオンから引き継いだ血の力。
クリンチャーの母の父ブライアンズタイムは長短問わず芝・ダートのステークスウィナーを輩出。ブライアンズタイムはダートでは中長距離馬を多く輩出しています。基本的にパワーとスタミナが必要なアンタレスステークスの舞台は適鞍。
クリンチャーの前走は2着ですがトップハンデを背負ってのもので、優勝馬とはタイム差無し。さらに3着馬は0.4秒差を付けています。阪神のダートも前々走で経験済み。今回は0.5kg軽くなるので、好条件が揃います。順調なら人気通り勝ち負け。
ロードゴラッソ
ハーツクライ | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
アイリッシュダンス | トニービン | |
ビューパーダンス | ||
サッカーマム | Kingmambo | Mr.Prospector |
Miesque | ||
Traverse City | Halo | |
Cherry Jubilee |
ロードゴラッソはアンタレスステークスと関連性が高い名古屋大賞典の優勝馬。JRAダート重賞G3シリウスステークスも制しています。また東京大賞典でも5着しているように、ダートの1級戦と勝ち負けできる実力を持っています。
ロードゴラッソの父ハーツクライが強く出ると、産駒は基本的にダートが苦手。ただしハーツクライには産駒にスタミナを伝えるトニービンが入っており、さらにロードゴラッソは底力を産駒に伝えるヘイローのクロスを持ちます。
ロードゴラッソのダート適性は母の父キングマンボから。キングマンボは芝・ダートを問わずマイルから中距離にスピードとパワーを備えた産駒を多く出し、血の影響力も強力。芝・ダート共に良質の産駒を出すキングカメハメハの父もキングマンボです
今回も人気が予想されますが、順調なら人気通りに勝ち負けできる馬の一頭です。
ウェスタールンド
ネオユニヴァース | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ポインテッドパス | Kris | |
Silken Way | ||
ユーアンミー | Marquetry | Conquistador Cielo |
Regent’s Walk | ||
Archimillionnaire | Medaille d’Or | |
Conqueluche |
ウェスタールンドは前走ダイオライト記念で優勝馬アナザートゥルースの2着。勝ち馬とのタイム差は2着。ダート重賞勝こそ無いものの、2018年のJRAダートG1チャンピオンズカップでは8番人気で2着しています。
ウェスタールンドの父はサンデーサイレンの直仔で皐月賞とダービーの2冠を制したネオユニヴァース。種牡馬としてロジユニヴァースやヴィクトワールピサなど4頭の芝G1馬を送り出しています。またダート重賞馬も他のサンデーサイレンス直仔の種牡馬に比べ多め。
ネオユニヴァースの血は自分に似たタイプを輩出するより、サンデーサイレンスと同じように母系にある血を強化するような力があります。ウェスタールンドの母ユーアンドミーはアメリカのダート重賞の優勝馬で、その父マーケトリーは米国ダートG1を3勝した馬です。
今回前走の勝ち馬アナザートゥルースとは斤量差が2kg付くので、物差しではタイム差無し。ただしウェスタールンド好走、凡走を交互に繰り返し、今回は凡走の目。さらに8歳馬はデーター的に厳しいか。良くて3着までの評価です。
ベストタッチダウン
タートルボウル | Dyhim Diamond | Night Shift |
Happy Landing | ||
Clara Bow | Top Ville | |
Kamiya | ||
タッチザピーク | スペシャルウィーク | サンデーサイレンス |
キャンペンガール | ||
タッチフォーゴールド | Mr. Prospector | |
Daijin |
ベストタッチダウンは芝では勝きれず、ダート路線に変更後に3勝クラスまでスピードの違いで逃げての3連勝。今回は真価が問われる上り馬です。
ベストタッチダウンの父タートルボウルはアイルランドのG1ジャンプラ賞の勝ち馬。種牡馬としてフランス2000ギニーの優勝馬ルカヤンを輩出。
ノーザンダンサー系ですが日本に少ない傍流の血で構成されているため、サンデーサイレンス系やミスタープロスペクター系で覆い尽くされた日本の繁殖牝馬に付けやすい種牡馬です。
日本では芝、ダートを問わずそこそこ走る産駒を送り出し、産駒のトリンオフが芝2000mG32を3勝、タイセイビジョンが京王杯2歳ステークスを制しています。
ベストタッチダウンの半兄はG3中京記念で2着、2歳重賞で3着したピークトラム。近親にG3中山金杯優勝馬のタッチミーノットがいるのでG3クラスなら勝てる力は秘めています。
ただし今回はダートの一級線とは初対戦。阪神ダート1800mの持ち時計もアンタレスステークスの勝ち時計より1つ遅めと、やや不利な条件が揃います。来ても3着までの評価です。
アングライフェン
ステイゴールド | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ゴールドサッシュ | ディクタス | |
ダイナサッシュ | ||
レッドスレッド | パントレセレブル | Nureyev |
Peinture Bleue | ||
シネマスコープ | トニービン | |
ブルーハワイ |
アングライフェンはアンタレスステークスと関連性の高い名古屋大賞典の2着馬。ここ1年掲示板を外したことがない安定性が強み。
アングライフェンの父ステイゴールドは基本的にダートが苦手。
アングライフェンの祖母シネマスコープから2011年JRA最優秀ダートホースに輝いたトランセンドが出ているので、ダート適性馬母系から。ダート重賞で勝ちきれないのはステイゴールドの血が邪魔しているからか。
前走の名古屋大賞典の負担重量が54kgで、今回は2kg増の56kg。さらにメンバーが強化されます。また過去10年で8歳馬が馬券に絡んだこはありません。馬券から外しても良いでしょう。
ここをクリックすると他の重賞の【注目出走馬分析】を検索できます。
コメント