2020年第55回G2フローラステークス予想 注目出走馬分析

重賞レースの注目馬分析

名牝エアグルーヴを祖母にもつスカイグルーヴとレッドルレーヴの期待馬が出走する今年のフローラステークス。フローラステークス登録馬の中から注目馬を選び、オークスへの最終切符を手にできる可能性のある馬を分析します。

2020年フローラステークスの注目馬を分析!

フローラステークスの特徴

G2フローラステークスは第2回東京2日目に行われる3歳牝馬限定芝2000mの馬齢定量戦です。負担重量は54kg。オークスのトライアルレースであり、2着までにオークスへの優先出走権が付与されます。

また国際競争に指定され、地方および外国調教馬の出走も可能です。

過去10年、フローラステークスで優先出走権を得てオークスを優勝したのはサンテミリオン1頭のみでトライアルレースとしてはあまり成績が良くありません。ただフローラステークス組のオークス複勝率は悪くなく、27%とまずまずの結果を出しています。

事実上オークスへの最終切符になり、桜花賞のマイル路線では距離不足だった馬が大挙して参戦します。

フローラステークスの馬券の傾向

過去10年で、1番人気の成績は4-1-0-5と勝率4割、連対率5割と勝率は高い水準。2番人気は1-4-1-4と軸にするなら2番人気の方が妙味あり。また過去10年のうち1、2番同志で決まったことは2度だけ。二桁人気が3着以内に突っ込んで来た年は6回あり、荒れ気味。

前走重賞組で馬券に絡むのはフラワーカップからが一番多く、過去6頭。うち5頭がフラワーカップで掲示板に載っています。ただしフラワーカップ組で優勝したのはサンテミリオンの1頭だけです。

実は優勝が一番多いのは前走1勝クラスの勝ち馬で4勝。馬券に絡んだ30頭中15頭が前走1勝クラスです。

直線が長い東京コースなので血統的には父・母どちらかに長いく良い脚を使える中距離馬、どちらかというと瞬発力よりズブイ馬がいることが条件です。

フローラステークスのレース及びコースの攻略法

秋の天皇賞と同じ東京芝2000mを使用。スタートが1コーナー奥のポケットからで、スタート直後の直線が短く、外枠の差し馬が内に入るには大外をそのまま回るか、スタート直後に一旦スピードを落とす必要があり不利。

実際に東京芝2000mの7枠8枠の勝率は5%前後しかありません。ただし、複勝率はどの枠もあまり変わりません。

第1コーナーを回ると直線が長く、レース自体は落ち着き気味。ゴール前の最後の直線が525mと長く差しが有利と思われますが、開幕週のため時計が早く先行馬の方がやや有利。実際に4コーナーを時点で5番手以内の馬の複勝率は5割を超えています。

過去10年のフローラステークス入賞馬のデータを見たい方はこちら

【2020年】フローラステークスの出走表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 エレヴァテッツァ ディープインパクト 牝3 津村明秀 白老ファーム
松永幹夫 (栗東) トニービン 54kg サンデーレーシング
1 2 セイウンヴィーナス カレンブラックヒル 牝3 野中悠太郎 大柳ファーム
本間忍 (美浦) ダンスインザダーク 54kg 西山茂行
2 3 ウインマリリン スクリーンヒーロー 牝3 横山武史 コスモヴューファーム
手塚貴久 (美浦) Fusaichi Pegasus 54kg ウイン
2 4 シャンドフルール キズナ 牝3 田中勝春 ノースヒルズ
松永幹夫 (栗東) Gone West 54kg 前田葉子
3 5 ルトロヴァイユ エピファネイア 牝3 吉田豊 レイクヴィラファーム
竹内正洋 (美浦) マンハッタンカフェ 54kg 古川一弘
3 6 ウィスパリンホープ ハーツクライ 牝3 横山典弘 タイヘイ牧場
昆貢 (栗東) Cape Cross 54kg タイヘイ牧場
4 7 ホウオウピースフル オルフェーヴル 牝3 D.レーン ノーザンファーム
大竹正博 (美浦) キングカメハメハ 54kg 小笹芳央
4 8 リヴァージュ ノヴェリスト 牝3 大野拓弥 社台ファーム
田村康仁 (美浦) アグネスタキオン 54kg 島川隆哉
5 9 スカイグルーヴ エピファネイア 牝3 C.ルメール ノーザンファーム
木村哲也 (美浦) キングカメハメハ 54kg シルクレーシング
5 10 ヒューマンコメディ ハーツクライ 牝3 武藤雅 上水牧場
水野貴広 (美浦) ウォーエンブレム 54kg 野村茂雄
6 11 レッドルレーヴ キングカメハメハ 牝3 M.デムーロ ノーザンファーム
藤沢和雄(美浦) ディープインパクト 54kg 東京ホースレーシング
6 12 ヴォリアーモ ルーラーシップ 牝3 三浦皇成 ノーザンファーム
木村哲也 (美浦) アドマイヤベガ 54kg サンデーレーシング
7 13 シャレード ダイワメジャー 牝3 岡田祥嗣 ノーザンファーム
藤原英昭 (栗東) Azamour 54kg 寺田寿男
7 14 テイエムフローラ スクリーンヒーロー 牝3 古川吉洋 天羽牧場
鈴木孝志 (栗東) タイキシャトル 54kg 竹園正繼
8 15 ショウナンハレルヤ キズナ 牝3 田辺裕信 森永聡
矢野英一 (美浦) クロフネ 54kg 国本哲秀
8 16 フアナ ルーラーシップ 牝3 L.ヒューイットソン ノーザンファーム
角居勝彦 (栗東) ディープインパクト 54kg 近藤英子
8 17 レッドサーシャ スピルバーグ 牝3 石川裕紀人 辻牧場
黒岩陽一 (美浦) Galileo 54kg 東京ホースレーシング

 

勝ち馬予想に役立つ!フローラステークスの注目馬分析

スカイグルーヴ

エピファネイア シンボリクリスエス Kris S. 
Tee Kay 
シーザリオ スペシャルウィーク
キロフプリミエール 
アドマイヤセプター キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
アドマイヤグルーヴ サンデーサイレンス
エアグルーヴ

スカイグルーヴは2戦目の芝2000 のG3京成杯で牡馬相手に0.1秒差の2着。ただし、勝ったクリスタルブラックが皐月賞に直行して1.8秒離され16着なので、実際にこの価値を評価するのは未知数です。

スカイグルーヴの父は初年度から桜花賞馬を輩出したエピファネイア自身が中距離以上で好成績を残しているので、2000mの距離は好材料。母アドマイヤセプターは重賞未勝利ながら5勝を挙げ、重賞でも2、3着した活躍馬。

スカイグルーヴの祖母はオークスと秋の天皇賞を優勝した女傑エアグルーヴで、アドマイヤグルーヴ、とルーラーシップの2頭のG1馬を輩出。また母系からも重賞勝ち馬が多数出ている活力ある母系です。

エピファネイアを付けると血統内にサンデーサイレンスの4×3、ヘイルトゥリーズンの5×5のクロスが生じ、底力がアップしています。

スカイグルーヴは馬体の四肢が長く血統的も距離はもっとあった方が良いタイプ。先行できる強みもあります。血統は超が付くほど優秀なので勝ち負けを期待できます。

レッドルレーヴ

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector 
Miesque 
マンファス ラストタイクーン 
Pilot Bird 
ラストグルーヴ ディープインパクト サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア
エアグルーヴ トニービン
ダイナカール

レッドルレーヴは前走のフラワーカップで勝ち馬と0.1秒差の2着。勝ち馬とは位置取りの差が出た感じ、小回りの中山で追い込んで2着は価値があります。その前の2走で2000mを2着、1着しているので距離は問題ありません。

レッドルレーヴの父はキングカメハメハNHKマイルとダービーを勝っているように東京コースは得意です。また母のラストグルーヴは1勝馬ですが、祖母はスカイグルーヴと同じエアグルーヴ。血統の良さや東京向きの配合はスカイグルーヴとは遜色ありません。

母ラストグルーヴの父がディープインパクトで種牡馬としては優秀ですが、ブルードメサイヤーとしての成績はイマイチ。キングカメハメハとの配合で血統内にノーザンダンサーの5×5×5を持ちますが、底力を補うにはちょっと迫力不足。

レッドルレーヴの全兄ランフォザローズもこの時期重賞2着2回していますが、その後勝ちあぐんでいます。

キングカメハメハの仔の割に小さくキャシャな馬体なので、影響力はディープインパクトの血の方。この時点であれば馬券に絡む可能性は十分あります。

ホウオウピースフル

オルフェーヴル ステイゴールド サンデーサイレンス
ゴールデンサッシュ
オリエンタルアート メジロマックイーン
エレクトロアート 
ツルマルワンピース キングカメハメハ Kingmambo 
マンファス 
ツルマルグラマー フジキセキ
エラティス 

ホウオウピースフルは新馬、1勝クラスを連勝3戦目で臨んだクイーンステークスでは3番人気ながら12kg増が響き6着と惨敗。ただし、前走2000mから1600mと距離を短縮しているため、原因はこちらの可能性が高いと踏んでいます。

ホウオウピースフルの父はオルフェーヴルで、初年度産駒からラッキーライラックとエポカドーロの2頭のG1馬を輩出。クラッシク路線でも十分活躍馬を出せる種牡馬です。基本的に産駒の当たり外れが大きく、当たると重賞路線で大物食いをする種牡馬です。

ホウオウピースフルの半兄は有馬記念馬のブラストワンピース。母の父がキングカメハメハなので、いずれにしろパワーと底力が感じられます。

さらにこの組み合わせではサンデーサイレンスの3×4、トライマイベスト・エルグランセニョールの5×4、ノーザンテーストの5×4、ノーザンダンサーの5×5という日本で実績のある大種牡馬のクロスを多数持っています。

また兄の父が欧州の芝馬ハービンジャーなのに比べ、ホウオウピースフルは日本で実績のあるオルフェーヴル。オルフェーヴルもハービンジャーも晩成血統なので、成長はこれからも新馬から2連勝しているので素質は上位。馬券的にも勝ち負けできる1頭です。

 

ウインマリリン

スクリーンヒーロー グラスワンダー Silver Hawk 
Ameriflora 
ランニングヒロイン サンデーサイレンス
ダイナアクトレス
コスモチェーロ  Fusaichi Pegasus Mr. Prospector 
Angel Fever 
Shorwon  Buena Shore 
April Wonder 

ウインマリリンはフローラステークスの入賞馬を多数出しているミモザ賞の勝ち馬。2000mは2戦2勝と距離適性は申し分ありません。

ウインマリリンの父はジャパンカップを勝ったスクリーンヒーロー。種牡馬としてG1を6勝したモーリス、有馬記念を優勝したゴールドアクターの2頭の種牡馬を輩出。意外性のある種牡馬です。

ウインマリリンの半兄にG3ラジオNIKKEI賞を勝ったウインマーレライがいるので、母系もさほど悪くありません。本馬の場合、モーリスと同じく血統内にノーザンダンサーとヘイルトゥリーズンのクロスを持ちます。特にヘイルトゥリーズンのクロスは底力の原動力となります。

人気はスカイグルーヴやレッドルレーヴ、ホウオウピースフルに譲るにしても、血統背景や臨戦過程、データ的は遜色ありません。馬券にはぜひ入れたい馬です。

ヴォリアーモ

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
エアグルーヴ トニービン
ダイナカール
リビアーモ アドマイヤベガ サンデーサイレンス
ベガ
ラトラヴィアータ  サクラユタカオー
サクラハゴロモ

ヴォリアーモは3戦1勝2着1回。前走は東京2400mのゆりかもめ賞で後方から追い込み上がり2番時計で0.3秒差2着。2戦目の未勝利で東京2000mを2.01.7で勝ち上がっているのは強み。2歳時でこの時計でも十分フローラステークスでも十分勝ち負けできます。

ヴォリアーモの父はルーラーシップ。ルーラーシップ産駒は中距離以上に強く、基本2000m以上から。祖母のラトラヴィアータはサクラバクシンオーの全妹で、その孫に2歳G1馬アルフレードを出しています。

ただ、母のリビアーモからはこれといった活躍馬は出ていません。このルーラーシップのとの配合でトニービンのクロスができスタミナは期待できますが、実際はもっと距離が欲しい印象。血統的には悪くありませんが、上位人気馬とは底力で劣る印象です。

フアナ

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
エアグルーヴ トニービン
ダイナカール
イサベル ディープインパクト Halo 
Wishing Well 
スカーレット  シンボリクリスエス 
グレースアドマイヤ 

フアナは2戦1勝馬ながら2戦とも上がり最速。フアナの父が中長距離に強いルーラーシップなので距離延長は歓迎の口。またフアナの祖祖母のグレースアドマイヤはリンカーンとヴィクトリーの2頭のG1馬を輩出。祖母のスカーレットから青葉賞勝ちのアドミラブルが出ています。

母の父がディープインパクトなのがイマイチですが、ルーラーシップと配合することでヘイルトゥリーズンのクロスができ底力を補う形。父ルーラーシップも母の父ディープインパクトも末脚が強力な馬。前崩れの展開になれば出番がある1頭です。

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