エピファネイア 予想に役立つ成績・血統・産駒の特徴を解説

私見、種牡馬解説

エピファネイアは父がシンボリクリスエス、母がシーザリオという超良血。エピファネイア自身も菊花賞とジャパンカップを圧勝したようにそこ時からのある馬です。

エピファネイア産駒の距離適性やコース適性を知るには、エピファネイアの現役時代の特徴や血統構成、産駒の共通性を知るのが何より重要。種牡馬エピファネイアの特徴を知ると勝ち馬や穴馬、人気でも惨敗の可能性を予想できるので、ぜひ馬券の検討にお役立てください。

種牡馬エピファネイアとエピファネイア産駒の特徴を紹介

エピファネイアの現役時代の成績

戦績

12戦6勝2着2回(内、海外2戦0勝)

G1及び重賞勝利

G1: 菊花賞、ジャパンカップ

G2: 神戸新聞杯

G3: ラジオNIKKEI2歳ステークス

エピファネイアの現役時代の特徴

エピファネイアは父が3歳と4歳時に天皇賞秋と有馬記念を連覇したシンボリクリスエス、母は日米オークスを制したシーザリオという超良血。新馬から期待通りに出世レースのラジオNIKKEI2歳ステークスまで三連勝。クラシック候補に名乗りを挙げます。

しかし明け3歳から気性難が顔を出し始め、初戦の弥生賞では手ごたえほど伸びず4着。本番の皐月賞では掛かってしまい先行集団でのレースとなり、直線伸びを欠き2着。それでもハイペースのレースでかかって2着は底力があることを証明しています。

ダービーでは中段に付けるも主戦の福永が終始手綱を引かなければならないほど引っかかり、直線で集団から先頭で抜けだすもゴール前で外から来たキズナの強襲で半馬身差着と惜敗します。それでも3着以下は1馬身以上離しているので、まともなら買ったレース。

秋初戦の神戸新聞杯では2着に0.4秒差の貫録勝ち。不良馬場の菊花賞では皐月賞馬ロゴタイプもダービー馬キズナも不在で単勝1.6倍の1番人気。スタート直後は首を左右に振り行きたがるも道中は2番で折り合い、直線はゴーサインだけで2着に5馬身付けて圧勝します。

4歳は中距離路線に狙いを定めG2大阪杯は1番人気もキズナに直線あっさり交わされ3着。香港のクイーンエリザベス2世カップも0.7秒差4着とイマイチな成績。秋は父シンボリクリスエスの悲願、古馬3冠を目指しまが初戦の天皇賞でも0.2秒差6着と早くも黒星。

ジャパンカップは主戦の福永がジャスタウェイを選んだため、外国人騎手のスミヨンに変更。道中かかり2番手で手綱を強引に抑える展開も、直線で手綱を離すと後続をグングン引き離し2着ジャスタウェイに4馬身差で圧勝。父の悲願ジャパンカップ制覇を達成します。

ジェンティルドンナの引退レースとなった有馬記念では主戦騎手の福永が引き続きジャスタウェイを選んだため、鞍上を川田に変更。道中2番手で折り合い、ゴール前で先頭に立つも、ジェンティルドンナ以下に交わされ5着と惜敗します。

明け5歳は初ダートのドバイワールドカップに挑戦も、最下位9着と惨敗。その後調教中に左前脚繋靭帯炎を発症し復帰を断念。引退し種牡馬になります。

エピファネイア(ロベルト系)の血統上の特徴

シンボリクリスエス Kris S. Roberto
Sharp Queen
Tee Kay  Gold Meridian 
Tri Argo 
シーザリオ スペシャルウィーク サンデーサイレンス
キャンペンガール
Kirov Premiere Sadler’s Wells
Querida 

前の項でも触れていますが、父は3歳、4歳で天皇賞秋と有馬記念を制したシンボリクリスエス、母は日米オークスを制したシーザリオ。さらに母の父はダービーとジャパンカップ2冠馬スペシャルウィークと、ダービーディスタンスを走るためのような血統です。

半弟にG1朝日杯フューチュリティステークスを制しキングカメハメハを父に持つリオンディーズ、G1ホープフルステークスと皐月賞を制しロードカナロアを父に持つサートゥルナーリアがいます。

エピファネイアの父のシンボリクリスエスは切れる脚はないものの、スピードを持続させたまま長くいい脚を使うタイプの競走馬。またロベルト系に共通しているのが筋肉質の馬体。しかも現役時代は新馬から540kgと雄大な馬体をしていました。

一方でエピファネイアの母であるシーザリオは、その父であるスペシャルウィークと同様に四肢が長くすらっとした馬体。体のバネを活かすような走りをします。

エピファネイアはシンボリクリスエスの筋肉とシーザリオのバランスのいい馬体を併せ持ち、四肢は長いものの骨は太く首やモの筋肉はボリュームのあるがっちりした体型。また胸板も厚く心肺機能も父と同様に非常に高そうな体格をしています。

エピファネイアの父シンボリクリスエスはロベルト系で、また母の父のスペシャルウィークはサンデーサイレンスで、共にヘイリトゥーリズンたどり着きます。そのためエピファネイアはヘイリトゥーリズンの4×5のクロスを持っています。

ヘイリトゥーリズンは1960年のアメリカ2歳チャンピオン。種牡馬としてもリーディングサイアーに輝き、現在でもアメリカの主要な血統の一つで2019年現在17%のアメリカの競走馬の父系がヘイリトゥーリズンにたどり着きます。

ヘイリトゥーリズンは勝つときは大差で勝つという高い競争能力もありましたが、気の強さと荒さも常軌を逸し、その子孫に気性難を伝えます。良い方向に出れば爆発力に、悪い方向に出ればレース中気性難を発症しガス欠で失速します。

エピファネイアが現役時代暴走気味に走っても負けん気の強さで最後まで粘り、また勝つ時は圧勝したのはこのヘイリトゥーリズンの血が濃いのと、シンボリクリスエス譲りの心肺機能の高さのため。

エピファネイアはロベルト系で、サンデーサイレンスの血を内包していても代が遠いため、サンデーサイレンス系の牝馬に種付けするとサンデーサイレンスのクロスができます。しかしヘイリトゥーリズンの血も濃いため、気性難の仔を出す確率が高い種牡馬です。

エピファネイアの産駒の特徴

エピファネイアは2015年より繋養されていますが、初年度産駒は2016年度種付け分から。現役時代の高い競争能力、シンボリクリスエスとシーザリオの仔という良血に加え、サンデーサイレンス系の牝馬に付けられるため毎年200頭以上もの牝馬に種付けしています。

芝コース距離別勝率と複勝率

距離(芝) ~1400m ~1800m ~2200m ~2600m
種牡馬名 勝率 複勝率 勝率 複勝率 勝率 複勝率 勝率 複勝率
エピファネイア 0.095 0.270 0.091 0.324 0.161 0.414 0.143 0.714
キズナ 0.097 0.272 0.099 0.238 0.119 0.287 0.200 0.200
ディープインパクト 0.107 0.292 0.151 0.378 0.136 0.360 0.129 0.349

2020.3現在

2019年デビュー組が初産駒なため詳細なデータはこれからですが、芝コースに限っては短距離からマイルは他のリーディング上位の種牡馬と同程度に走ります。やはり中距離以上で本領を発揮し、勝率、複勝率共に同期のキズナを大きく引き離します。

実際に芝1800m以上の複勝率は驚異的で、サンプル数が少ないもののディープインパクトを上回ります。

初年度産駒はクラシック路線で重賞2、3着が多く、初優勝が桜花賞のデアリングタクト。デアリングタクトもサンデーサイレンスの血が入っています。

エピファネイアの父シンボリクリスエスは素質が高く青葉賞を勝ったものの。本格化が3歳秋。そのためエピファネイア産駒はクラシック本番頃から成長するものと考えられます・

ダートコース距離別勝率及び複勝率

距離(ダート) ~1400m ~1800m
種牡馬名 勝率 複勝率 勝率 複勝率
エピファネイア 0.000 0.098 0.070 0.158

                              2020.3現在

一方でエピファネイアの血統そのものが芝馬で固められているため、ダートはほぼ走りません。もし仮にエピファネイアの仔でダートを走るようなら母系の影響を受けており、その後のダートの成績も母系の血統内のダート馬に依存すると考えて良いでしょう。

まだサンプル数が少ないため、今後内容が変わる可能性はあります。

エピファネイアの代表産駒

初年度産駒から3戦3勝で桜花賞を制したデアリングタクトを輩出。3戦で桜花賞を制したのはハギノトップレディ以来40年ぶりの快挙。

 

デアリングタクト(桜花賞)

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コメント

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