2020年第42回G3新潟大賞典予想 注目出走馬分析

重賞レースの注目馬分析

昨年大阪杯で5着、兄にエアスピネルを持つ良血エアウィンザーがここで再始動。またNHKマイルカップ2着のギベオン、ヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナを母に持つブラヴァスも出走予定の今年の新潟大賞典の中から注目馬をピックアップし、勝ち負けできるか分析します。

2020年新潟大賞典の注目馬を分析!

新潟大賞典の特徴

G3新潟大賞典は第1回新潟開催第2日目に行われる芝2000mの古馬ハンディキャップ戦です。国際競争に指定され、外国調教馬は8頭まで、地方所属馬はJRA指定競走を勝った認定馬のみ2頭まで出走が可能です。

2000mのコースながらコーナーは2回しか回まわらない身体能力がフルに発揮できるレースです。そのため小回りコースが苦手な不器用な中距離馬には最適なコースなので、能力がありながら成績がイマイチ馬の出走しきます。

前走の成績があてにならず、なお且つハンディキャップ戦で出走馬の能力比較が難しく、馬券的に大変難解なレースです。

新潟大賞典の馬券の傾向

人気位と馬券

過去10年で1番人気は0-1-3と優勝は無く、連対率も僅か1割、複勝率がかろうじて4割とあてにできません。一方2番人気は2-1-0-7、で優勝こそ2回あるものの馬券としてイマイチ。3番人気は2-3-0-5と連対率5割とこちらの方が馬券になります。

ハンディャップ戦であるにもかかわらず極端な軽ハンデの馬の優勝はほとんどありません。馬券に絡むのは54kg以上、57.5kgまで。このことからも人気より自力に勝る馬が馬券になるレースです。

馬齢と馬券

過去10年で馬券に絡んだ30頭中4歳は3勝2着2回3着3回、占有率26.7%。5歳馬は3勝2着2回3着2回、占有率23.3%。6歳馬は1勝2着3回3着3回、占有率20%。7歳馬は2-勝2着3回3着2回、占有率23.3%と、意外と7歳馬の活躍が目立ちます。

7歳馬の場合56~57kgのハンデの馬が馬券に絡みます。これは過去にそれなりの実績がある証拠。それ以下の斤量の高齢馬は馬券になりません。8歳馬の優勝が1回ありますが、この際も57kgのハンデを背負っています。

血統と馬券

血統面ではこれと言って極端に集中する種牡馬は無はありません。中長距離を得意とする種牡馬であればどの馬でも勝てる可能性があります。

前走と馬券

G3なので前走のステップは様々。格下の条件戦やオープンからの挑戦であれば前走上位人気で1、2着しているのが馬券の条件。

またG1、G2惨敗組の好走が目立っています。やはりG1・G2とG3ではペース違うためレースが楽に感じるらしく、2桁負けであっても突っ込んできます。馬の調教は悪くないにも関わらず前走惨敗で人気を落としているようなら迷わず買って良いでしょう。

過去10年の重賞入賞馬のデータを見たい方はこちら

2020年新潟大賞典出走表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 シャイニープリンス キングヘイロー 牡10 団野大成 コアレススタッド
深山雅史 (美浦) リンドシェーバー 54kg 小林昌志
1 2 エアウィンザー キングカメハメハ 牡6 三浦皇成 社台ファーム
角居勝彦 (栗東) サンデーサイレンス 57.5kg ラッキーフィールド
2 3 ギベオン ディープインパクト  牡5 岩田望来 社台ファーム
藤原英昭(栗東) Ghostzapper 57.5kg 社台レースホース
2 4 インビジブルレイズ ハーツクライ 牡6 吉田隼人 アイオイファーム
吉村圭司 (栗東) サクラバクシンオー 56kg シルクレーシング
3 5 カツジ ディープインパクト 牡5 丸山元気 岡田スタッド
池添兼雄 (栗東) ホワイトマズル 56kg カナヤマH
3 6 レッドガラン ロードカナロア  牡5 鮫島克駿 社台ファーム
安田隆行 (栗東) シンボリクリスエス 56kg 東京ホースレーシング
4 7 ブラヴァス キングカメハメハ 牡4 柴山雄一 ノーザンファーム
友道康夫 (栗東) ディープインパクト 55kg 佐々木主浩
4 8 ダイワキャグニー キングカメハメハ 牡6 内田博幸 社台ファーム
菊沢隆徳(美浦) サンデーサイレンス 57.5kg 大城敬三
5 9 トーセンスーリヤ ローエングリン 牡5 横山和生 エスティファーム
小野次郎 (美浦) デュランダル 54kg 島川隆哉
5 10 サラス オルフェーヴル 牝5 松若風馬 社台ファーム
西村真幸 (栗東) Tapit 53kg 吉田照哉
6 11 ドゥオーモ ディープインパクト 牡7 勝浦正樹 藤原牧場
野中賢二 (栗東) コマンダーインチーフ 53kg 広尾レース
6 12 アトミックフォース ワークフォース 牡4 武藤雅 ノーザンファーム
武藤善則 (美浦) フジキセキ 54kg 吉田千津
7 13 メートルダール ゼンノロブロイ 牡7 菅原明良 ノーザンファーム
戸田博文 (美浦) Silver Hawk 56kg キャロットファーム
7 14 プレシャスブルー ディープインパクト 牡6 石川裕紀人 石郷岡雅樹
相沢郁 (美浦) アンバーシャダイ 54kg 石瀬浩三
8 15 ケイデンスコール ロードカナロア  牡4 中谷雄太 ノーザンファーム
安田隆行(栗東) ハーツクライ 56kg サンデーレーシング
8 16 ブラックスピネル タニノギムレット 騙7 丸山恭介 ノーザンファーム
音無秀孝 (栗東) アグネスデジタル 57kg サンデーレーシング

 

勝ち馬予想に役立つ!新潟大賞典の注目馬分析

エアウィンザー

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector 
Miesque 
マンファス ラストタイクーン 
Pilot Bird 
エアメサイア サンデーサイレンス Halo
Wishing Well 
エアデジャヴー ノーザンテースト 
アイドリームドアドリーム 

エアウィンザーは2018年のG3チャレンジカップの優勝馬。昨年の大阪杯でも5着した実績馬です。前走京都大賞典12着後に剥離骨折が判明し、長期休養明けからの始動です。

エアウィンザーの父はサンデーサイレンスの牝馬と相性が良いキングカメハメハ母エアメサイアは秋華賞馬で、その母エアデジャヴィーもオークス2着、秋華賞3着とクラシック路線で活躍しています。また一族に皐月賞、菊花賞を勝ちダービー2着だった準三冠のエアシャカールがいます。

全兄に重賞3勝、マイルチャンピオンシップで2番人気2着だったエアスピネルがおり、基本的な能力は兄と同等。ただし兄がマイラーよりだったのに対し、エアウィンザーは中距離中心なので、こちらはやや母系の影響が強いと思われます。

兄の活躍で人気が高く、条件戦では常に1番人気。3歳時は勝ちきれないレースが続きましたが、明け4歳から4連勝でチャレンジカップを制したように能力は確か。これまで17戦して前走以外全て上がりが3番以内。33秒後半から34秒前半の末脚をコンスタントに繰り出せます。

能力は高くキングカメハメハの産駒はポン駆けも利きパワーもあるので57.5kgの斤量は特に問題ではありません。今回は長期休養明け体ができているかが唯一のカギ。調教や当日の気配が良ければ勝ち負けできます。

ギベオン

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
コンテスティッド Ghostzapper Gold Vault
Baby Zip 
Gold Vault Arch 
Questress 

ギベオンは2018年の3歳時に毎日杯、NHKマイルカップで共に2着。同年のG3中日新聞杯では1番人気で優勝馬しています。しかしそれ以降は精彩を欠き、重賞路線では人気になる物の馬券に絡んでいません。

ギベオンの父はディープインパクト長くいい脚が使え、軽い馬場が得意なので新潟コースに適性の高い種牡馬です。母はアメリカの3歳牝馬ダートマイル王を決める英エイコーンステークスの勝ち馬。他にもダート短距離G1テストステークスも制しています。

母の父ゴーストザッパーはアメリカのブリダーズカップ・クラシックなど古馬中距離G1を4連用した活躍馬。血統面では超良血です。

ただし、母は3歳夏までしか走っておらず母系が強い場合は成長が止まっている可能性も。全兄も4歳春に500万クラスを勝ち上がるも、それ以降頭打ちです。

前走同じ左周りで直線の長い中京芝2000mの金鯱賞でサートゥルアーリナに0.4秒差4着と久々に気を吐いています。しかし、スローペースで完全に上がり勝負のレースで結果。自力で勝ちに行っているわけでなく余り評価できません。

今回は前走より負担重量が+1.5kg加算されるのもマイナス材料。今回は良くても3着までの判断です。

ダイワキャグニー

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector 
Miesque 
マンファス ラストタイクーン 
Pilot Bird 
トリプレックス サンデーサイレンス Halo
Wishing Well 
トリプルワウ Coastal 
Iva Reputation 

ダイワキャグニーは重量勝こそ無いもののオープン・リステッドクラスを5勝。その中にはダービートライアルのプリンシパルステークス勝ちも含まれています。また昨年のジャパンカップではブービー人気ながら逃げて0.7秒差6着に粘っています。

ダイワキャグニーの父はキングカメメハ。母は中距離を中心1000万円下まで勝ち上がり4勝を挙げたトリプレックス。距離適性は母系の影響を強く受けています。ただ母系から目立った活躍馬が出ておらず、今回は母の父サンデーサイレンスと相性が良いキングカメハメハが当たった感じです。

母の父がサンデーサイレンスなのは今回人気が予想されるエアウィンザーと同じですが、底力という点ではエアウィンザーより劣ります。さらに今回は57.5kgと同斤量なのもやや分が悪い印象。ただし馬格があり57kgは背負い慣れているので斤量負けは考えられません。

前走金鯱賞では自分で競馬を作りサートゥルアーリナに0.4秒差3着と粘っているので地力があるのも確か。先行してキングカメハメハ譲りの終い33秒台の末脚を出せるのも魅力です。逃げ馬なので目標にされ勝ち切るには難しいですが、展開がはまれば馬券になる可能性が十分高い馬です。

ブラヴァス

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector 
Miesque 
マンファス ラストタイクーン 
Pilot Bird 
ヴィルシーナ ディープインパクト サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア 
ハルーワスウィート  Machiavellian 
ハルーワソング 

ブラヴァスは3歳時にクラシックには向かわず、秋から中距離の条件戦を地道に勝ち上がってきた4勝馬。2、3勝クラスで連勝を飾り、共に先行して33秒台の末脚を繰り出しています。また9戦中8戦で上がり3位以内と末脚は堅実です。

ブラヴァスの父はキングカメハメハ母は牝馬三冠レースを全て2着、ヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナという超良血。また母の兄弟にジャパンカップを制したシュヴァルグラン、秋華賞とドバイターフを勝ったヴィブロスがいるように母系は底力があります。

血統内にミスタープロスペクターの3×4、ヌレイエフの4×4、ノーザンダンサーの5×5×5、ヘイローの4×5のクロスを持ち、高速決着と底力の強さを匂わせる配合です。

今回初のオープンクラスとの対戦ですが、母系の質であれば今回人気のエアウィンザーより上。走より2kgの軽く、さらにトップハンデの馬より2.5kgも軽いのは魅力です。前走57kgを背負い阪神芝を2.00.1で勝ち上がっているので、計算上は今回2分を切れます。

陣営がじっくり育てていることからも、基本的に重賞勝ちを期待されている馬。メンバーが手薄な今回なら勝ち負けできる実力を秘めています。

レッドガラン

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
レディブラッサム Storm Cat
サラトガデュー
ダンスオンザルーフ シンボリクリスエス Kris S. 
Tee Kay 
ダンシングサンデー サンデーサイレンス
ダンシングキィ

レッドガランは前走芝1800mリステッドクラスを2番人気で1着。デビューが遅く3歳4月の未勝利勝ちからで、全10戦中8戦で上がり時計3位以内。2走前3着だった東京芝2000mのリステッドグラスでも上がり最速なので、G3なら十分勝ち負けできる実力があります。

レッドガランの父はロードカナロア自身は短距離馬ですが、産駒は短距離からクラシックディスタンスまで幅広くこなします。基本的に産駒の走破距離は母系の影響を受ける種牡馬です。

母ダンスオンザルーフは中距離を中心に使われるも未勝利馬。その母ダンシングサンデーも6戦未勝利。ただし祖祖母のダンシングキィはダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの3頭のG1馬を輩出し、祖母はその全妹です。

この母系は代を重ねるごとに活力を失っています。今回はロードカナロを付けることで底力を押し上げるヘイルトゥリーズンのクロスができたため、これが本馬の活躍に繋がっている感じです。

2走前3着だった東京芝2000mで今回と同斤量を背負い1:59:2の時計を出しているので、過去の新潟大賞典の勝ち時計の水準をクリアしています。あとは当日の気配次第。父が短距離のロードカナロアで人気を落としているなら、十分狙って面白い馬です。

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