数多くのG1馬を輩出しているサンデーサイレンス系の大種牡馬ディープインパクト。
ディープインパクト産駒の得意な距離やコースを知るには、ディープインパクトの現役時代の特徴や血統構成、産駒の共通性を知るのが何より重要。種牡馬ディープインパクトの特徴を知ると勝ち馬や穴馬、人気で惨敗する馬を予想できるので、ぜひ馬券の検討に役立てください。
種牡馬ディープインパクトとディープインパクト産駒の特徴を紹介
ディープインパクトの現役時代の成績
戦績
14戦12勝2着1回(内、海外1戦0勝)
G1及び重賞勝利
G1 :皐月賞、ダービー、菊花賞、天皇賞春、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念
G2 :弥生賞、神戸新聞杯、阪神大賞典
特記事項
日本競馬史上6頭目のクラシック三冠馬。無敗でのクラシック三冠はシンボリルドルフに次ぐ2頭目。2016年には日本調教馬として芝中長距離部門で世界1位にランキングしています。
2005年度JRA年度代表馬、最優秀3歳牡馬。
2006年度JRA年度代表馬、最優秀4歳以上牡馬。
2008年には早くも顕彰馬に選出されています。
ディープインパクトの現役時代の特徴
牡馬としては非常に小柄で、デビュー時が452kg。引退レースの有馬記念では438kgしかありませんでした。一方で主戦騎手の武豊が「走っていると言うより飛んでいる感じ」と例えたように、他馬が止まって見えるほど豪快な追い込みで勝ち星を重ねました。
実際にディープインパクトの走りは他の馬よりも一完歩の距離が長いのに加え、脚の回転も速いというスライド走法とピッチ走法を併せ持った走りをしています。ディープインパクトはスライド走法の馬特有の直飛節で、さらに柔軟性の高い筋肉を持ち併せています。
ただし、スタートは不得手で大抵出遅れ気味。また小柄な馬体なので馬群には入れ難く、そのため追い込み脚質を選択しています。それでもスライドとピッチを合わせ走法で道中スタミナロスなく走れ、大外を回っても驚異の速い上がり時計で他馬を圧倒します。
体ボリュームはないものの全体のバランスは非常に良く、コンパクトながら欠点を探すのが難しい馬体をしています。また蹄が薄いため蹄鉄を固定する釘が打てず、特殊な接着剤で接着して出走していました。
ディープインパクト(サンデーサイレンス系)の血統上の特徴
サンデーサイレンス | Hao | Hail to Reason |
Comah | ||
Wishing Well | Understanding | |
Mountain Flower | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | Lyhard |
Lady Rebecca | ||
Burghclere | Busted | |
Highclere |
ディープインパクトの父は大種牡馬サンデーサイレンス。米国3冠レースのケンタッキーダービーとプリークネスステークスの2冠を制し、他にもG1を4勝しています。
サンデーサイレンスは種牡馬として芝のJRAG1勝馬を多数輩出し、そのほとんどが芝のレース。ダートG1勝利馬は1頭(ゴールドアリュール)しかいません。
サンデーサイレンスは非常に遺伝力が強く、産駒に自身の柔軟性のある筋肉を伝えます。ディープインパクトもサンデーサイレンスの柔軟な筋肉と遺伝力を良く受け継いでいます。
ディープインパクトの母はアイルランド産でドイツオークス2着馬のウインドインハーヘア。母の父にノーザンダンサー系で種牡馬として成功しているアルザオが入っています。母系にウインドインハーヘアの血を持つG1馬にダービー馬のレイデオロがいます。
血統面ではディープインパクトはノーザンダンサー系の一つであるストームキャット系との相性良くニックスの関係で、キズナをはじめとした上質の馬を良く輩出します。またミスタープロスペクター系との相性も悪くありません。
ディープインパクト産駒の特徴
ディープインパクトは非常に強い遺伝力を持っています。ディープインパクトが産駒に伝えるのは芝向きの柔軟な筋肉と走法です。
ディープインパクトは基本的に産駒の距離適性は母系に依存し、芝はマイルから長距離まで活躍馬を輩出します。特に切れ味が勝敗を分けるマイルと中距離が圧倒的に強く、多数のG1馬を輩出しています。
芝の短距離は走らなくはない程度で、他の距離より成績が一段落ちます。ディープインパクト自身スタートが苦手だったように、スタートダッシュが命の短距離戦は苦戦傾向。ただホームストレッチが長い長い東京や中京などでは短距離も走ります。
さらにディープインパクト産駒は軽く時計の早い芝や、直線の長いコースは滅法得意。芝の重や荒れた馬場、坂のあるコースなどは産駒の基礎能力が高いのでこなしてくれます。強靭な筋肉とパワーが必要なダートは苦手です。
ディープインパクト産駒は比較的早くから走り、クラシック路線に合わせて成長する感じです。その後は比較的長く競走能力を維持します。一方で古馬になって急激に成長する産駒は稀です。
2019年、ディープインパクトは種付けシーズン中に首に故障を発症し種付けを中止。7月に頚椎骨折が判明し安楽死の処置がされました。このシーズンに種付けされた20頭がラストクロップです。
ディープインパクトの代表産駒

JRAのG1勝に限れば、2019年までに延べ40頭のG1勝馬を送り出し、父のサンデーサイレンスに匹敵し、海外G1勝まで含めれば父を超えています。また産駒の中にはすでに種牡馬となっている馬もいます。
ジェンティルドンナ(牝馬三冠、ドバイシーマクラシック)
キズナ(ダービー馬、種牡馬)
サトノダイヤモンド(菊花賞、有馬記念、種牡馬)
マカヒキ(ダービー)
アルアイン(皐月賞、大阪杯、種牡馬)
など
コメント
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