2020年第65回G2京王杯スプリングカップ予想 注目出走馬分析

重賞レースの注目馬分析

昨年の優勝馬でスプリンターズステークスを制したタワーオブロンドン、マイルCS馬ステルヴィオ、NHKマイルカップ優勝ケイアイノーテック、高松宮記念馬のセイウンコウセイの4頭のG1馬が登録している今年の京王杯スプリングカップ。登録馬の中から注目馬をピックアップし、勝ち負けできるか分析します。

2020年京王杯スプリングカップの注目馬を分析!

京王杯スプリングカップの特徴

G2京王杯スプリングカップは第2回東京開催7日目に行われる芝1400mの古馬混合別定戦です。過去のG1及びG2の勝利により負担重量が異なります。国際競争に指定され、外国調教馬の出走も可能です。安田記念のステップレースで、1着馬に安田記念の優先出走権が付与されます。

1400mという非根幹距離のレースでありマイラーには短く、スプリンターにはやや長い距離です。ここをステップに安田記念を狙う馬の場合、賞金が足りている馬はたたき台に、不足している馬は必勝を喫して参戦してくるので馬の調子の確認は必須。

秋初戦のG1スプリンターズステークスへ向けて賞金がある程度足りている馬の場合、比較的賞金が高いこのレースを最終に夏の間休養に充てるため、やはり本気度を見極める必要があります・

 

京王杯スプリングカップと馬券の傾向

人気と馬券

過去10年で1番に気は2勝のみ。他は馬券にさえ絡まないので極端に不振。2番人気は1-2-4-3、連対率3割、複勝率7割と馬券になるのはこちら。3番人気は1勝2着1回3着1回、連対率2割、複勝率3割。4番人気は3-勝3着1回と勝鞍なら4番人気が最多。

これは1番人気になる実績馬は本番の安田記念に向け本賞金が足りており、無理して勝つ必要はありません。そのため多少余裕残しで出走してきます。

2番人気以下の中で安田記念出走のため本賞金が足りない馬は、本賞金加算のためにここを目標に仕上げてきます。そのため余裕残しの上位人気馬に対し逆転の目が生じます。

実際に10番人気以下が連絡みした年が4回あり、陣営が本気で安田記念を狙っているかを見極める必要があります。

馬齢と馬券

過去10年で馬券に絡んだ30頭中、

4歳は3勝3着3回

5歳は4勝2着3回3着4回

6歳1勝2着4回3着3回

7歳以上は2勝2着2回。

馬券は5歳馬が中心です。4歳で優勝する馬は3歳時にG1に出走し上位人気か、4歳以降古馬重賞で勝ち負けしている馬です。

血統と馬券

マイラーでもスプリンターでも一長一短がある非根幹距離の1400mのため、過去にはサクラバクシンオー、現在ならアドマイヤムーンやスウェプトオーヴァーボードなどスプリンター系が比較的多く馬券に絡みます。

また直線が長いためディープインパクトやダンスインザダーク、ステイゴールドなど脚を長く使えるタイプの種牡馬も多く絡みます。母の父ではマイル以上で実績のある種牡馬の血を引いている馬が多いのが特徴。

意外ですが父、母共にキングカメハメハの血を持つ産駒は1頭も馬券に絡んでいません。

前走と馬券

過去10年で一番勝鞍が多いのは前走高松宮記念出走組で3勝3着2回。前走の順位や人気は関係なく馬券に絡んで来るので注意が必要。

その次が東京新聞杯組で2勝2着3回。東京新聞杯組は前走5番人気以内か5着以内が条件。こちらは東京コースが合うものの距離が長かった口。

他はダービー卿チャレンジトロフィー組で1勝2着2回3着2回。こちらは上位人気も惜敗した口で、直線の短い中山で脚を余していたタイプが来ています。差し、追い込み馬なら注意が必要です。

京王杯スプリングカップのレース及びコースの攻略法

東京芝1400mコースを使用。スタートはスタンド向こう側のバックストレッチの中央部分よりやや後ろ側から。スタートから第3コーナーまで直線が320mほどとやや短めのため先行争いはダッシュ力のあるスプリンタータイプが有利。

スタート直後に登り坂があるのでスタート後のペースはあまり早くなりません。第4コーナーを回りホームストレッチが525.9mと長いため仕掛けどころが難しく、最後は瞬発力勝負になります。基本的には瞬発力がある差し、追い込み馬が有利。

仕掛けが遅いとその分レース中息が入りやすくなるため、スプリンタータイプでも最後まで十分息が持ちます。他のコースで届かないスプリンターの差し・追い込みの馬が台頭しやすいコースと言えます。

過去10年の京王杯スプリングカップ入賞馬のデータを見たい方はこちら

【2020年度】京王杯スプリングカップ出走表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 ラヴィングアンサー ダイワメジャー 牡6 吉田豊 笠松牧場
石坂正(栗東) Rock of Gibraltar 56kg 江口雄一郎
2 2 グルーヴィット ロードカナロア 牡4 M.デムーロ ノーザンファーム
松永幹夫(栗東) スペシャルウィーク 56kg キャロットファーム
3 3 ケイアイノーテック ディープインパクト 牡5 石橋脩 隆栄牧場
平田修 (栗東) Smarty Jones 57kg 亀田和弘
4 4 ドーヴァー アドマイヤムーン 牡7 三浦皇成 ダーレー・ジャパン・F
伊藤圭三 (美浦) Elusive Quality 56kg ゴドルフィン
4 5 レッドアンシェル マンハッタンカフェ 牡6 福永祐一 ノーザンファーム
庄野靖志 (栗東) Storm Cat 56kg 東京ホースレーシング
5 6 ライラックカラー ルーラーシップ 牡5 武豊 千代田牧場
藤沢和雄(美浦) ジャングルポケット 56kg 山本英俊
5 7 ストーミーシー アドマイヤムーン 牡7 田辺裕信 ミルファーム
斎藤誠(美浦) ゼンノエルシド 56kg ミルファーム
6 8 ショウナンライズ ダイワメジャー 牡7 和田竜二 下河辺牧場
上原博之 (美浦) Rahy 56kg 国本哲秀
6 9 セウンコウセイ アドマイヤムーン  牡7 内田博幸 桜井牧場
上原博之(美浦) Capote 57kg 西山茂行
7 10 タワーオブロンドン Raven’s Pass 牡5 C.ルメール ダーレー・ジャパン・F
藤沢和雄 (美浦) Dalakhani 58kg ゴドルフィン
7 11 エントシャイデン ディープインパクト 牡5 松山弘平 ノースヒルズ
矢作芳人 (栗東) サクラバクシンオー 56kg 前田幸治
8 12 ステルヴィオ ロードカナロア 牡5 川田将雅 ノーザンファーム
木村哲也(美浦) ファルブラヴ 57kg サンデーレーシング
8 13 ダノンスマッシュ ロードカナロア 牡5 D.レーン ケイアイファーム
安田隆行 (栗東) ハードスパン 56kg ダノックス

勝ち馬予想に役立つ!京王杯スプリングカップの注目馬分析

タワーオブロンドン

Raven’s Pass Elusive Quality Gone West
Touch of Greatness 
Ascutney  Lord at War 
Right Word 
スノーパイン Dalakhani Darshaan
Daltawa 
シンコウエルメス Sadler’s Wells
Doff the Derby 

タワーオブロンドンは昨年の京王杯スプリングカップの優勝馬。スプリンターズステークスを勝ったG1馬で、これまで短距離路線を中心に重量5勝の実力馬です。前走の高松宮記念では1番人気でしたが、重馬場で展開が合わず12着に敗退しています。

3歳時に1600mのG3アーリントンカップを勝ち、NHKマイルカップでも1番人気に押されています(12着敗退)。昨年はここをステップに安田記念に登録をしていたこともあり、走り如何によっては再び安田記念を目指す可能性があります。

タワーオブロンドンはマイルG1クイーンエリザベス2世ステークスと米国の2000mのG1ブリーダーズカップ・クラシックの優勝馬の父のレイヴェンズパスや、母系にあるるダルシャーンやサドラーズウェルズの血から、本来スプリンター血統ではありません。

実績は最上位で普通に仕上げてくれば勝ち負けできる馬です。ただし、回トップハンデの58kgを背負っていることもあり、安田記念を目指すのであれば展開次第でレース中無理に追わない可能性も十分にあります。

安田記念への本賞金は足りているので勝つならあっさり、負けるなら調教代わりに使われます。今回は軸ではなく、連下扱いが妥当です。

ケイアイノーテック

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
ケイアイガーベラ Smarty Jones Elusive Quality
I’ll Get Along 
アンナステルツ Danzig
Edge 

ケイアイノーテックは2018年のNHKマイルカップの優勝馬。ただしそれ以降馬券に絡んだことはありません。前走ダービー卿チャレンジトロフィーで久々に掲示板に載る4着。1着馬と0.4秒差。ここ3戦上がり3位以内と復調傾向にあります。

ケイアイノーテックの父は早い時計決着に強く、長くいい脚を使えるディープインパクト。過去10年で3頭のディープインパクト産駒が馬券に絡んでいますが、東京芝コースに比べ決して多い方ではありません。

ケイアイノーテックの母ケイアイガーベラはダート路線が整備されていない時代に短距離路線で9勝を挙げ、走るレースが無くなり引退した名牝。ケイアイノーテックの全兄フィアースインパクトは昨年オーストラリア古馬マイルG1で2勝を挙げています。

血統内に産駒に成長力を伝えるノーザンダンサーの5×4のクロスを持っており、全兄が古馬になってから急激に力を付けてG1を奪取。3歳時にケイアイノーテックは基礎能力だけで走っていたと考えらます。ここに来て本格的な成長期に入った可能性は十分にあり。

末脚は復活してきています。当日体調が良く無欲で終い勝負に徹すれば久しぶりに馬券に絡む可能性があります。

ステルヴィオ

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
レディブラッサム Storm Cat
サラトガデュー
ラルケット ファルブラヴ Fairy King
Gift of the Night 
アズサユミ サンデーサイレンス
ファーストクラス 

ステルヴィオは2018年のマイルチャンピオンシップの優勝馬。2歳から3歳に掛けて重量路線で活躍し、基本的に1600~1800mで馬券に絡んでいます。昨年の秋はスプリンターズステークスからの始動でいたが外傷で回避。その年一杯休養に充てています。

今年は阪急杯、高松宮記念と使われ5着、9着。本来の距離適性ではない距離を走っているのはノド鳴り兆候が見られるため。気道が狭くなるためレース中に満足に呼吸ができず、競争能力が減退します。

ステルヴィオの父は短距離馬のロードカナロアですが、産駒の距離適性馬は母系に拠る種牡馬です。母ラルケットはファルブラヴやサンデーサイレンスなど中距離系に種牡馬で固められていますが、実際に成績が良かったのは1600~1800m。実際にステルヴィオが馬券に絡んだ距離と同じです。

今回も1400mとこの距離は過去に馬券に絡んだことはありません。今回は叩き三戦目、G2とはいえ相手関係も強力。他馬より1kg重い斤量もマイナス。不安材料が多いので、人気が出ても今回は見送った方が良いでしょう。

セイウンコウセイ

アドマイヤムーン エンドスウィープ フォーティナイナー
Broom Dance 
マイケイティーズ サンデーサイレンス
ケイティーズファースト
オブザーヴァント Capote  Seattle Slew 
Too Bald 
パテントリークリア Miswaki 
Badge of Courage 

セイウンコウセイは2017年の高松宮記念の優勝馬。昨年の同レースでも2着しています。短距離重賞の常連であり、基本的に左回りや平坦コースが得意。ただし重賞路線の1400mで掲示板に載ったことはありません。

古豪ですが京王杯スプリングカップは7歳以上が不振。またセイウンコウセイは目標にされやすい2、3番手で競馬をする馬。コース形態が似ている中京コースで良績があるとはいえ、距離が1ハロン伸び直線長い東京はやはり割引。馬券に絡む可能性はかなり低いです。

ダノンスマッシュ

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
レディブラッサム Storm Cat
サラトガデュー
Spinning Wildcat ハードスパン Danzig
Turkish Tryst 
Hollywood Wildcat Kris S.
Miss Wildcatter 

ダノンスマッシュは1200mのG3を4勝している生粋のスプリンター。昨年はG1高松宮記念とスプリンターズステークスで共に1番人気で4着、3着と現役のスプリンターでは実力は明らかに上位。前走の高松宮記念で10着は、やはり馬場が合わなかったのが敗因。

ダノンスマッシュの父はJRA最優秀短距離馬・年度代表馬にもなったロードカナロア。安田記念も勝っていますが心肺機能が高いため距離が持っただけで、基本的にはスプリンターです。ただし、産駒は母系に拠り距離をこなすタイプを多く出します。

ダノンスマッシュの母スピニングワイルドキャットは1勝馬です。しかし、半兄はブリダーズカップを勝ったウォーチャント。祖母ハリウッドワイルドキャットは米G1を3勝しエクリプス賞最優秀3歳牝馬に輝いた名牝です。

母の父ハードスパンは米国ダート1400mG1の勝ち馬なので、距離適性はこの母の父から。ハードスパンはケンタッキーダービーやブリーダーズカップ・クラシックなどのG1では2着、3着と惜敗していたので、G1での勝負弱さも母の父譲りか。

血統内にミスタープロスペクターの4×4、ノーザンダンサーの5×4、ロベルトの5×4を持ち、スピードと成長力を秘めた血統構成です。

2歳時に未勝利・OPと芝1400mを連勝したことがあり、マイル戦のアーリントンカップ、NHKマイルカップでも勝ち馬に0.4秒差。1400mの距離は特に不安はありません。

G1出走の本賞金は十分に足りています。しかしG3勝ちしかなく種牡馬を目指すには、G2のタイトルはぜひ欲しいところか。他の有力馬より斤量的に有利なので、きっちり仕上げてきているなら勝ち負けを期待できる馬です。

グルーヴィット

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
レディブラッサム Storm Cat
サラトガデュー
スペシャルグルーヴ スペシャルウィーク サンデーサイレンス
キャンペンガール
ソニックグルーヴ フレンチデピュティ
エアグルーヴ

グルーヴィットは昨年の中京記念の優勝馬。ハンデキャップマッチで52kgの軽量だったとはいえ、3歳夏で古馬混合重賞を制したのは素質が高いことの現れ。ただし、その後は馬齢通りの斤量を背負って重賞に参戦するも掲示板には載っていません。

前走高松宮記念で13番人気でしたが勝ち馬と0.3秒差の6着と健闘。ほぼ最後方から上がり時計では2番目のタイム33.2の末脚を繰り出しています。今回出走する1、3番人気だったタワーオブロンドンとダノンスマッシュが各1.1、1秒と離されたことから比較しても基礎能力が高いことを伺わせます。

グルーヴィットの父は短距離馬のロードカナロア。母スペシャルグルーヴは2戦未勝利、その母ソニックグルーヴは未出走ですが、その母は名牝エアグルーヴです。母系は中距離血統で固められていますが、マイル以下で良績を挙げているのはロードカナロアか母系のフレンチデピュティの血の影響。

父ロードカナロアは成長力があるため3歳春までは基礎能力で走り、4歳のこの時期になってようやく実が入ってきた感じです。今後重賞路線で安定的に出走するためにも、末脚が活かせるこの舞台で本賞金を加算したいところ。

高松宮記念組は格下挑戦になるので着順に関わらず馬券になります。きっちり仕上げてくるはずなので、有力馬が余裕残しなら馬券に絡んでくる1頭です。

レッドアンシェル

マンハッタンカフェ サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
サトルチェンジ Law Society 
Santa Luciana 
スタイルリスティック  Storm Cat  Storm Bird 
Terlingua 
Magnificient Style  Silver Hawk 
Mia Karina 

レッドアンシェルは昨年のG2CBC賞の優勝馬。ここまで16戦して1番人気10回。1600万下から前走のシルクロードステークスまで7連続1番人気で、内前走以外はすべて上がり時計が3番手以内です。勝鞍も1200、1400、1600mで上げており、この舞台は適鞍。

レッドアンシェルの父は菊花賞、有馬記念、天皇賞春の長距離G1を3勝したマンハッタンカフェ。そのためマンハッタンカフェはステイヤー系の種牡馬に思われますが、芝・ダートの長短を問わず活躍場を送り出す万能系の種牡馬。

母スタイルリスティックは4勝馬で目立った成績はありません。しかし、半弟ナサニエルはキングジョージ6世&グイーンエリザベスステークス。エクリプスステークスを優勝、半妹のグレートヘヴィンスはアイルランドオークスの優勝馬と活力ある母系です。

レッドアンシェルの場合は母の父に入っているストームキャットの血が強く出ている感じす。ストームキャットの血が強いと、単調な快速馬になる確率が高くなります。

レッドアンシェルは6歳馬で、競走馬としての充実期もさほど長くありません。充実期にG1出走を叶えるためにも、ここは本賞金を加算したいところ。一本調子の気味の血統なので優勝は期待しにくいですが、紐なら可能性があります。

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