菊花賞首差2着で涙を飲んだサトノクルースが重賞初勝利を目指し出走登録している2020年の小倉記念。圧倒的な人気が予想される中、小倉記念に出走登録されている注目馬をピックアップし、他に馬券になる馬がいるのか分析します。
2020年小倉記念の注目馬を分析!
小倉記念の特徴
G3小倉記念は第2回小倉開催2日目に行われる3歳以上芝2000mのハンデキャップ戦です。国際競争に指定され、外国調教馬は9頭まで出走が可能。地方所属馬は認定馬のみ2頭まで出走可能です。
サマー2000シリーズの第3戦目に指定され、1着10P、2着5P、3着4P、4着3P、5着2P、6着以下は1Pが加算されます。
2020年小倉記念出走表
枠番 | 馬番 | 出走馬 | 父 | 馬齢 | 騎手 | 生産牧場 |
所属 | 母の父 | 斤量 | 馬主 | |||
1 | 1 | ノーブルマーズ | ジャングルポケット | 牡7 | 高倉稜 | タガミファーム |
宮本博 (栗東) | Silver Hawk | 56kg | 吉木伸彦 | |||
2 | 2 | ミスディレクション | ミスキャスト | 騙6 | 太宰啓介 | ノースヒルズ |
武幸四郎 (栗東) | Sky Classic | 54kg | ノースヒルズ | |||
3 | 3 | アールスター | ロードカナロア | 牡5 | 長岡禎仁 | 若林牧場 |
杉山晴紀 (栗東) | サッカーボーイ | 53kg | KRジャパン | |||
3 | 4 | アウトライアーズ | ヴィクトワールピサ | 牡6 | 丸田恭介 | ノーザンファーム |
小島茂之 (美浦) | フレンチデピュティ | 54kg | 丸山担 | |||
4 | 5 | サトノガーネット | ディープインパクト | 牝5 | 松山弘平 | 白老ファーム |
矢作芳人 (栗東) | Victory Note | 55kg | サトミホースカンパニー | |||
4 | 6 | サラス | オルフェーヴル | 牝5 | 松若風馬 | 社台ファーム |
西村真幸 (栗東) | Tapit | 53kg | 吉田照哉 | |||
5 | 7 | アメリカズカップ | マンハッタンカフェ | 牡6 | 和田竜二 | 社台ファーム |
須貝尚介 (栗東) | コロナドズクエスト | 55kg | 谷掛龍夫 | |||
5 | 8 | サマーセント | ハービンジャー | 牝4 | 酒井学 | ゴドルフィン |
斉藤崇史 (栗東) | サンデーサイレンス | 52kg | ダーレー・ジャパン・F | |||
6 | 9 | タニノフランケル | Frankel | 牡5 | 幸英明 | Yuzo Tanimizu |
角居勝彦 (栗東) | タニノギムレット | 55kg | 谷水雄三 | |||
6 | 10 | レイホーロマンス | ハービンジャー | 牝7 | 秋山真一郎 | 辻牧場 |
橋田 満(栗東) | サンデーサイレンス | 51kg | 永井啓弍 | |||
7 | 11 | サトノクルース | ディープインパクト | 牡4 | 川田将雅 | ノーザンファーム |
池江泰寿 (栗東) | Sadler’s Wells | 56kg | サトミホースカンパニー | |||
7 | 12 | ショウナンバルディ | キングズベスト | 牡4 | 鮫島克駿 | 木村牧場 |
松下武士 (栗東) | Redoute’s Choice | 53kg | 国本哲秀 | |||
8 | 13 | ロードクエスト | マツリダゴッホ | 牡7 | 西村淳也 | 様似堀牧場 |
小島茂之 (美浦) | チーフベアハート | 57kg | ロードホースクラブ | |||
8 | 14 | ランブリングアレー | ディープインパクト | 牝4 | 武豊 | 社台ファーム |
友道康夫 (栗東) | シンボリクリスエス | 53lg | 社台レースホース |
勝ち馬予想に役立つ!小倉記念の注目馬分析
サトノクルース
ディープインパクト | ディープインパクト | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
リッスン | Sadler’s Wells | Northern Dancer |
Fairy Bridge | ||
Brigid | Irish River | |
Luv Luvin’ |
サトノクルースは昨年の菊花賞2着馬。これまで9戦3勝で、3歳春は未勝利からリステッドクラスまで3連勝。セントライト記念でも2着しているように現4歳牡馬の中では実力上位の存在。
前走鳴尾記念は8カ月の休養明けで優勝馬に1秒差を付けられ8着。休養理由が脚部不安で、レース前の追切で併せて遅れてことからも本調子ではなかった模様。力負けとは言えません。
サトノクルースの父はディープインパクト。母リッスンはイギリスのマイルG1フィリーマイルの優勝馬。祖母ブリギッドから海外G1勝利馬が多数出ている良血です。また全姉にローズステークス優勝、エリザベス女王杯で3着したタッチングスピーチがいます。
母はマイラーですが、母の父サドラーズウェルズの血が濃く出ると日本競馬ではステイヤーでズブイタイプが多く出るので、サトノクルースはサドラーズウェルズの影響が強いと考えられます。
前走追切に乗った武豊のコメントからもおっとりした性格らしく、エンジンがかかるまで遅い可能性が。ただし、馬券に絡んだレースは全て上がり3番手以内で、菊花賞では最速をマークしています。基本的に長くいい脚を使えるタイプで、早めスパートが理想。
小回りの中山で行われる皐月賞で1.59.7と時計は持っており、すみれステークスでは2番手で競馬を進め上がり34.4秒で優勝しています。
菊花賞で57kgを経験済み。今回のハンデ56kgで実力が削がれるわけではありません。小倉記念と関連の深い鳴尾記念からのステップも心強いデータ。性格から叩き良化型の可能性があるので、やはり当日の気配次第で勝ち負け。
ランブリングアレー
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
ブルーミングアレー | シンボリクリスエス | Kris S. |
Tee Kay | ||
プリンセスオリビア | Lycius | |
Dance Image |
ランブリングアレーはこれまで10戦4勝。新馬戦を勝ち上がり、フラワーカップで3着など素質の片鱗は見せていましたが3歳時は勝ち切れませんでした。本年度に入り4戦3勝2着1回と馬体に身が入った印象で、前々の競馬で上り3番手以内と好レースが続いています。
ランブリングアレーの父は早い時計決着に強いディープインパクト。母ブルーミングアレーはフローラステークス3着の実績があり、1600万下クラスを勝ち上がった実力馬。
母の半弟にディープインパクト産駒でマイルチャンピオンシップを優勝したトーセンラー、同じく天皇賞秋優勝のスピルバーグがいる活力ある母系です。ラインブリングアレーはG1馬2頭と血統が3/4同じで、両馬が古馬になってから実力を発揮しているように、本馬もこれから。
母の父がステイヤータイプを多く出すシンボリクリスエス、また母系にステイヤーを多く出すサドラーズウェルズが入っているので、距離は2000m以上が適鞍で小倉記念は最適な舞台。前で競馬ができる脚質も魅力です。
今回はハンデ53kgとトップハンデから4kg、好時計だった前走より2kg軽い斤量ですが、相手が大幅に強化されるのが唯一の不安。小倉記念で馬券になった牝馬は前走重賞で入着している馬です。社台ファーム生産の良血で活躍が期待される馬ですが、今回は2、3着と候補と見るのが妥当でしょう。
サトノガーネット
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
ビートリックスキッド | Victory Note | Fairy King |
Three Piece | ||
Laquifan | Lear Fan | |
ラキオーラ |
サトノガーネットは昨年の芝2000mのG3中日新聞杯の優勝馬。今年に入りコンスタントに重賞を5戦していますが、掲示板に載ったことはありません。前走のエプソムカップでも優勝馬に1.3秒離され着と惨敗しています。
サトノガーネットの父はディープインパクト。母ビートリックスキッドは仏国産の2勝馬。その父ビクトリーノートは仏国2000ギニーの優勝馬ですが、それ以上目立った活躍はありません。サトノガーネットの全兄に地方7勝のショウナンダイチがいますが、条件クラスからは抜け出せません。
重賞経験は豊富ですが、血統的に成長力は見込めず、昨年秋より休みなく使っているため体調の上積みも疑問。前走、前々走と勝ち馬に1秒以上引き離されています。また基本的に後ろから追い込む馬なので、直線の短い小倉は不利。武器の末脚もここ数戦鳴りを潜めています。
馬券に絡む可能性はかなり低いと言わざるを得ません、
サマーセント
ハービンジャー | Dansili | デインヒル |
Hasili | ||
Penang Pearl | Bering | |
Guapa | ||
プリムローズレーン | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
オエノセラ | Night Shift | |
Fruition |
サマーセントはこれまで12戦4勝。前走マーメイドステークスを50kgの軽ハンデを活かし優勝。勝った4戦中3戦が2000mという中距離馬です。
サマーセントの父はマイルから中長距離まで幅広く活躍馬を出すハービンジャー。母プリムローズレーンはサンデーサイレンス直仔で、オーストラリアで走り3勝。母の全姉サンドロップは米英でG3を2勝、英G1で2着2回している実力馬です。
もともとハービンジャーがサンデーサイレンス系牝馬に付けるために繋養されている馬で、基本的に晩成血統。ハービンジャーも4歳夏から急激に力を付けており、ノーザンダンサーの5×5×4の濃いクロス持つことからも、血統通りならサマーセントもこれからの馬。
前走重賞勝ちながら50kgの軽ハンデでのものだったので、今回もハンデ52kgと恵まれた印象。2勝クラスですが54kgでも優勝歴があり、3歳時も49kgと軽ハンデながら阪神2000mを1.58.7の好時計で勝っています。52kgなら1.59.3で走破できる計算です。
基本前で競馬する馬で、軽ハンデを活かし今回も逃げるか、2番手でレースをすることが予想されます。前々走2番手で上り33.7秒の脚を使っているので、人気薄でも展開次第で勝ち負けできる馬と言えます。あとは当日の気配次第。
ノーブルマーズ
ジャングルポケット | トニービン | カンパラ |
Severn Bridge | ||
ダンスチャーマー | Nureyev | |
Skillful Joy | ||
アイアンドユー | Silver Hawk | Roberto |
Gris Vitesse | ||
Taba | Table Play | |
Filipina |
ノーブルマーズは7歳馬で、これまで45戦5勝。重賞勝ちはありませんが、2018年の宝塚記念で3着、目黒記念で2着。昨年の小倉記念でも3着しており、これまで重賞21戦して掲示板に載ること11回と、2回に1回は入着している実力馬です。
今年も重賞のみ4戦して4着3回と、その内2回がG2です。勝ち切れないものの安定した成績を残しています。
ノーブルマーズの父はダービーとジャパンカップを制したジャングルポケット。ジャングルポケットは父とてこれまで8頭のG1馬を輩出していますが、種牡馬としての活力が落ちているので2015年以降芝の重賞勝ち馬を輩出していません。
ノーブルマーズの母アイアンドユーは1勝馬。近親にフェアリーステークスとクリスタルカップを勝ったサーガノヴェル、ファルコンステークスとみやこステークスを勝ったブライトラインがいるので、母系もそこそこ活力があります。
母の父シルバーホークはロベルト系でグラスワンダーの父として知られ、母の父として海外ではパワータイプの中長距離場を多く輩出します。
前走七夕賞は13着と惨敗していますが、重馬場で馬場が荒れた内ラチを先行してスタミナを消費し、直線失速したため。勝ち馬をはじめ上位は直線芝状態の良い大外を回っています。ズブくスタミナ豊富な血統とは言え、明らかに作戦ミスです。
基本的に先行してなだれ込むタイプで速い脚はありません。小倉記念はジャングルポケットをはじめトニービンの血を持つ馬との相性が良く、7歳馬も過去10年で2勝3着1回と馬券には絡みます。今年戦ってきた相手からも今回は相手に恵まれており、連下なら馬券になる可能性が高いといえます。
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