2023年皐月賞の注目馬を分析!
皐月賞の特徴
GⅠ皐月賞は第3回中山開催8日目に行われる3歳限定芝2000mの定量戦です。負担重量は牡馬57kg、牝馬55kg。優秀な繁殖馬の選定が目的のため、生殖能力のない騙馬は出走できません。
国際競走に指定され、外国調教馬は9頭まで優先出走権が与えられます。また弥生賞3着以内、スプリングS3着以内、若葉S2着以内の馬に皐月賞の優先出走権が与えられています。
地方所属馬は皐月賞トライアルで優先出走権を得た馬、及びJRA2歳GⅠ、同3歳重賞修勝馬は出走登録が可能です。
3歳牡馬三冠レースの第一冠目で、古くから「最も速い馬が勝つ」と言われている格式高いレースです。なお皐月賞で5着以内に入った馬に、ダービーへの優先出走権が与えられます。
2023年皐月賞出走表
| 枠番 | 馬番 | 出走馬 | 父 | 馬齢 | 騎手 | 生産牧場 |
| 所属 | 母の父 | 斤量 | 馬主 | |||
| 1 | 1 | ソールオリエンス | キタサンブラック | 牡3 | 横山武史 | 社台ファーム |
| 手塚貴久 (美浦) | Motivator | 57kg | 社台レースホース | |||
| 1 | 2 | ワンダイレクト | ハービンジャー | 牡3 | 藤岡佑介 | 社台ファーム |
| 藤岡健一 (栗東) | ディープインパクト | 57kg | 青山洋一 | |||
| 2 | 3 | グリューネグリーン | ラブリーデイ | 牡3 | 石川裕紀人 | 本間牧場 |
| 相沢郁 (美浦) | スペシャルウィーク | 57kg | 斎藤光政 | |||
| 2 | 4 | ショウナンバシット | シルバーステート | 牡3 | M.デムーロ | ノーザンファーム |
| 須貝尚介 (栗東) | Medaglia d’Oro | 57kg | 国本哲秀 | |||
| 3 | 5 | フリームファクシ | ルーラーシップ | 牡3 | D.レーン | ノーザンファーム |
| 須貝尚介 (栗東) | スペシャルウィーク | 57kg | 金子真人H | |||
| 3 | 6 | ウインオーディン | エピファネイア | 牡3 | 三浦皇成 | コスモヴューファーム |
| 鹿戸雄一 (美浦) | フジキセキ | 57kg | ウイン | |||
| 4 | 7 | ファントムシーフ | ハービンジャー | 牡3 | C.ルメール | 谷川牧場 |
| 西村真幸 (栗東) | Medaglia d’Oro | 57kg | ターフ・スポート | |||
| 4 | 8 | トップナイフ | デクラレーションオブウォー | 牡3 | 横山典弘 | 杵臼牧場 |
| 昆貢 (栗東) | スピニングワールド | 57kg | 安原浩司 | |||
| 5 | 9 | ホウオウビスケッツ | マインドユアビスケッツ | 牡3 | 横山和生 | 岡田スタッド |
| 奥村武 (美浦) | ルーラーシップ | 57kg | 小笹芳央 | |||
| 5 | 10 | ラスハンメル | シルバーステート | 牡3 | 石橋脩 | ノーザンファーム |
| 松永幹夫 (栗東) | キングカメハメハ | 57kg | キャロットファーム | |||
| 6 | 11 | シャザーン | ロードカナロア | 牡3 | 岩田望来 | 社台ファーム |
| 友道康夫 (栗東) | マンハッタンカフェ | 57kg | 金子真人H | |||
| 6 | 12 | ダノンタッチダウン | ロードカナロア | 牡3 | 川田将雅 | ノーザンファーム |
| 安田隆行 (栗東) | Dansili | 57kg | ダノックス | |||
| 7 | 13 | グラニット | ダノンバラード | 牡3 | 嶋田純次 | ミルファーム |
| 大和田成 (美浦) | フサイチコンコルド | 57kg | 猿橋義昭 | |||
| 7 | 14 | タスティエーラ | サトノクラウン | 牡3 | 松山弘平 | ノーザンファーム |
| 堀宣行 (美浦) | マンハッタンカフェ | 57kg | キャロットファーム | |||
| 7 | 15 | ベラジオオペラ | ロードカナロア | 牡3 | 田辺裕信 | 社台ファーム |
| 上村洋行 (栗東) | ハービンジャー | 57kg | 林田祥来 | |||
| 8 | 16 | タッチウッド | ドゥラメンテ | 牡3 | 武豊 | 村田牧場 |
| 武幸四郎 (栗東) | アドマイヤムーン | 57kg | 吉田和美 | |||
| 8 | 17 | メタルスピード | シルバーステート | 牡3 | 津村明秀 | タバタファーム |
| 斎藤誠 (美浦) | Shamardal | 57kg | HimRockRacing.H | |||
| 8 | 18 | マイネルラウレア | ゴールドシップ | 牡3 | 戸崎圭太 | ビッグレッドファーム |
| 宮徹 (栗東) | ロージズインメイ | 57kg | TR・ラフィアン |
勝ち馬予想に役立つ!皐月賞の注目馬分析
ソールオリエンス
| キタサンブラック | ブラックタイド | サンデーサイレンス |
| ウインドインハーヘア | ||
| シュガーハート | サクラバクシンオー | |
| オトメゴコロ | ||
| スキア | Motivator | モンジュー |
| Out West | ||
| Light Quest | クエストフォーフェイム | |
| Gleam of Light |
ソールオリエンスは京成杯の勝ち馬で2戦2勝。京成杯では2番人気もゴール前で中段5番手からメンバー中上り最速の34秒5の脚で抜け出し、同じ位置にいた2着のオメガリッチマンに0.5秒差を付けています。
ソールオリエンスの父は中長距離GⅠ7勝のキタサンブラック。仏国産の母スキアはGⅢ勝ちがある3勝馬。ソールオリエンスの半兄にディープインパクト産駒で富士S優勝、ドバイターフ2着のヴァンギャルドがいます。
京成杯は9頭立てで少頭数。1番人気で3着だったセブンマジシャンは次走のスプリングSでも1番人気でしたが、6着と皐月賞への権利取りに失敗。2着のオメガリッチマンも次走の毎日杯で6着なので、弱い相手での勝利と言えなくもありません。
また過去10年で京成杯から皐月賞に出走した馬は3着1回が最高。同じ中山芝2000mでも例年勝ち時計が遅い京成杯と、2分を切る皐月賞ではペースが異なります。父がキタサンブラックで人気になりそうですが、血統的にはもっと距離が伸びた方が良く、元々晩成型なので完成はまだ先か。見送り。
ファントムリーフ
| ハービンジャー | Dansili | デインヒル |
| Hasili | ||
| Penang Pearl | Bering | |
| Guapa | ||
| ルパンⅡ | Medaglia d’Oro | El Prado |
| Cappucino Bay | ||
| Promising Lead | デインヒル | |
| Arrive |
ファントムリーフは共同通信杯の優勝馬。これまで4戦3勝。新馬・OPを連勝して臨んだホープフルSでは2番人気。前走より馬体を10kg増やし、メンバー中上り2番目の34秒6で追い上げるものの届かず優勝馬から0.2秒差4着。共同通信杯では先行して2着に0.2秒差を付けています。
ファントムシーフの父はハービンジャー。米国産の母ルパンⅡは未勝利馬。祖母プロミッシングリードは愛国中距離GⅠの優勝馬。母系は海外でGI馬を多数輩出し、父ハービンジャーの父ダンジリもこの系統。
血統内に大種牡馬デインヒル、5頭のGⅠ馬を生んだハシリの3×3の濃いクロス、さらにノーザンダンサーの5×5×5×5のクロスがある異色の配合。
共同通信杯の勝ち時計1分47秒は過去10年で3番目に早い時計。皐月賞では共同通信杯から組が4勝を挙げています。またノーザンダンサー系は昨年ドレフォン産駒のジオグリフが優勝。ハービンジャー産駒はアラビアンナイトが2着しています。中山2000mも経験済み。特別マイナス面は無く、勝ち負け。
トップナイフ
| デクラレーションオブウォー | War Front | Danzig |
| Starry Dreamer | ||
| Tempo West | Rahy | |
| Tempo | ||
| ビーウインド | スピニングワールド | Nureyev |
| Imperfect Circle | ||
| ビクトリーマッハ | バンブーアトラス | |
| ワンスウエド |
トップナイフはこれまで8戦2勝2着3回3着1回。ラジオNIKKEI杯京都2歳S、ホープフルS、弥生賞と芝2000m重賞を3連続2着。
トップナイフの父はダンジグ系で欧州芝中距離GⅠ2勝のデクラレーションオブウォー。スピニングワールド産駒の母ビーウインドは未勝利馬。半兄にゼンノロブロイ産駒で中長距離重賞の常連で七夕賞2着のステラウインドがいますが、近親に活躍馬はいません。
弥生賞では1番人気。展開が向いただけ言われていたホープフルS2着がフロックではないことを2着で証明。ただし共同通信杯4着馬で、道中同じ位置にいた優勝馬のタスティエーラに0.2秒差離を付けられています。
また皐月賞は9戦目で、この時期の3歳馬としては使い過ぎ。実質叩き2戦目とはいえ上積みは疑問。見送り。
タスティエーラ
| サトノクラウン | Marju | ラストタイクーン |
| Flame of Tara | ||
| ジョコンダII | Rossini | |
| La Joconde | ||
| パルティトゥーラ | マンハッタンカフェ | サンデーサイレンス |
| サトルチェンジ | ||
| フォルテピアノ | フレンチデピュティ | |
| キョウエイフォルテ |
タスティエーラは弥生賞の優勝馬で3戦2勝。11月東京芝1800mを1分47秒2の好時計で勝ち上がり、共同通信杯では2番人気で時計通りに走るものの4着。前走弥生賞ではホープフルS2着馬で1番人気のトップナイフをゴール前で突き放し0.2秒差を付けています。
タスティエーラの父は香港ヴァースと宝塚記念を制したサトノクラウン。マンハッタンカフェ産駒のバルティトゥーラは芝マイルの3勝馬。祖母キョウエイフォルテはダート短距離路線で6勝を挙げ、母系は基本的にマイラーです。
弥生賞の勝ち時計は過去10年で2番目に早く、昨年の優勝馬で菊花賞を制したアスクビクターモアより0.1秒早いので能力はあります。ただし過去10年で弥生賞組の皐月賞優勝は無く、2着2回が最高。
2走前に共同通信杯で土を付けられたファントムリーフも参戦するため、比較では相手が一枚上手。またサトノクラウンも弥生賞を制していますが、本格化したのは古馬になってから。タスティエーラも完成はまだ先か。連下まで。
フリームファクシ
| ルーラーシップ | キングカメハメハ | Kingmambo |
| マンファス | ||
| エアグルーヴ | トニービン | |
| ダイナカール | ||
| ライツェント | スペシャルウィーク | サンデーサイレンス |
| キャンペンガール | ||
| ソニンク | Machiavellian | |
| Sonic Lady |
フリームファクシはきさらぎ賞の優勝馬。これまで4戦3勝2着1回。新馬戦から全て1番人気で芝2000mを使い、未勝利戦から3連勝中。
フリームファクシの父はルーラーシップ。スペシャルウィーク産駒の母ライツェントは未勝利馬。フリームファクシの半姉でハービンジャー産駒のディアドラが秋華賞他重賞5勝計7勝。祖母の系統からダービー馬ロジユニヴァース、安田記念馬ソングラインなど活躍馬多数。
きさらぎ賞は単勝1.3倍の圧倒的な1番人気。中京芝2000mのきさらぎ賞は2番手で先行し、勝ち時計は1分59秒7と早く、上り最速で追い込んできた2番人気のオープンファイアに0.1秒差抑えて凌いでいます。中山は初ですが、コース形態が似た阪神2000mを経験済みで対応可能。
ただし過去10年できさらぎ賞からの直行組は3着1回が最高。きさらぎ賞のメンバーも2着だったディープインパクト産駒のオープンファイア以外は弱く、相手が一気に強化される皐月賞で能力を発揮できるかは疑問。抑えまで。
ベラジオオペラ
| ロードカナロア | キングカメハメハ | Kingmambo |
| マンファス | ||
| レディブラッサム | Storm Cat | |
| サラトガデュー | ||
| エアルーティーン | ハービンジャー | Dansili |
| Penang Pearl | ||
| エアマグダラ | サンデーサイレンス | |
| エアデジャヴー |
ベラジオオペラはスプリングSの優勝馬で、新馬戦から芝1800mを3連勝。前走も重馬場の中上りはメンバー中最速で、中段から追い上げ先行して粘り込みを図る2着のホウオウビスケッツに0.2秒差を付けています。
ベラジオオペラの父はロードカナロア。ハービンジャー産駒の母エアルーティンは芝中距離の1勝馬。母の半兄でシンボリクリスエス産駒のエアアンセムが函館記念勝ち。一族は中距離馬が多数。
父は短距離志向のロードカナロアも、皐月賞ではロードカナロア産駒のサートゥルナーリアが優勝。母系は中距離志向なので距離延長自体は問題ありません。
ただし芝1800mの持ち時計は1分48秒で東京と阪神。同じ東京1800mの共同通信杯の勝ち時計が1分47秒なので、時計を1秒詰める必要があります。トライアルレースではスプリングS組が好相性も、今回は抑えまで。
タッチノックダウン
| ロードカナロア | キングカメハメハ | Kingmambo |
| マンファス | ||
| レディブラッサム | Storm Cat | |
| サラトガデュー | ||
| エピックラヴ | Dansili | デインヒル |
| Hasili | ||
| Leopard Hunt | Diesis | |
| Alcando |
タッチノックダウンはこれまで芝1600mを3戦し、1勝2着1回。デイリー杯2歳S、朝日杯フューチュリティSで共に優勝馬から0.1秒差の2着。3戦共メンバー中最速の脚を使っています。
ダノンタッチダウンの父はロードカナロア。母エピクラヴはアイルランド産で仏国芝1800mGⅢの勝ち馬で、芝2000mGⅠでも2着。ダノンタッチダウンの半兄でジャスタウェイ産駒のダノンザキッドはホープフルSの優勝馬。
半兄のダノンザキッドは気性難でホープフルS勝ち後優勝から遠ざかっていますが、以降GⅠは5戦2着3回3着1回と高い能力を示しています。
今回は朝日杯フューチュリティSから直行で、しかも一気に400mの距離延長。同レースからの直行組は過去10年で同レース優勝馬のサリオス2着が最高。サリオスの同レースの勝ち時計が1分33秒、タッチノックダウンは1分34秒なので能力的には一枚下か。
皐月賞で結果が出なければNHKマイルへの出走が予想され、本気を出さない可能性も。抑えまで。






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