2020年第81回G1オークス予想 注目出走馬分析

重賞レースの注目馬分析

3戦3勝で桜花賞を制したデアリングタクトが2冠目に挑む今年のオークス。桜花賞のライバルだったレシステンシアが不在の中、デアリングタクトを負かせる可能性がある馬がいるのか、オークス登録馬の中から注目馬をピックアップし勝ち負けできるか分析します。

2020年オークスの注目馬を分析!

オークスの特徴

G1オークスは第2回東京開催10日目に行われる3歳牝馬限定芝2400mの馬齢定量戦です。正式名は優駿牝馬。牝馬クラシック3冠レースの一つであり、牡馬のダービー(日本優駿)と並び最も権威あるレースの一つ。優勝馬は「樫の女王」と称えられます。負担重量は55kg。

出走は①桜花賞5着以内、②フローラステークス2着以内、③スイートピーステークス1着馬に優先出走権が与えられ、それ以外は獲得本賞金の高い順位に出走が可能。残りは抽選になります。また国際競争に指定され、出馬投票を行った海外調教馬は優先的に出走できます。

オークスの1~3着馬にはその年の秋にフランスで行われる牝馬限定芝2400mのG1ヴェルメイユ賞への優先出走権が与えられます。

牡馬クラッシクの皐月賞が2000m、ダービーが2400mで距離延長が400mに対し、桜花賞が1600m、オークスは2400mと距離が一気に800mも延長します。多くが桜花賞からの参戦ですが、距離適性から他の路線組も台頭しやすく、馬券の検討が難しいレースの一つです。

オークスと馬券の傾向

人気と馬券

過去10年で1番人気は5勝2着2回着1回、連対率は7割、複勝率8割と連軸として信頼できます。2番人気は1勝2着2回3着4回、連対率3割、複勝率7割。3番人気2勝2着0回3着1回。上位3番人気以内で占有率57%と、比較的固く収まるレースです。

また2桁人気が馬券に絡んだのは過去10年で昨年のカレンブーケドールの1回のみ。そのカレンブーケドールもトライアルレースのスイートピーステークスを勝っているので、何の根拠もない穴狙いは馬券になりません。

前走と馬券

過去10年で馬券に絡んだ30頭中、優勝は桜花賞組が最も多く6勝その内、桜花賞優勝馬がオークスを制したのは3回あります。また桜花賞組は2着4回3着5回と全体の半分を占めています。

桜花賞組の場合は前走の着順がそのまま能力として反映されることが多いのが特徴。馬券になるのは大多数前走3着以内。また桜花賞で着外だった馬がオークスで巻き返す場合は、桜花賞で5番人気以内の馬。こちらは素質こそあるもののマイルが忙しかった口で、もともと中距離血統だった馬です。

他の路線では忘れな草賞組の活躍が目立ち3勝。こちらは勝つか負けるかで、2、3着はありません。忘れな草賞組は前走1、2番人気で優勝していることが条件。

過去10年でトライアルのフローラステークス、スイートピーステークス組の優勝は無し。スイートピーステークス組に至っては昨年のカレンブーケドールが連絡みしたのみ。フローラステークス組が馬券に絡むのは、前走4番人気以内で優先出走権を得た素質馬です。

血統と馬券

ディープインパクト産駒が非常に強いレースの一つ。ディープインパクト産駒は過去10年で4勝2着4回3着3回、占有率37%と高い確率で馬券になります。またゼンノロブロイやハーツクライなど軽い芝が得意で長くいい脚を使う中距離血統の種牡馬の産駒が台頭します。

枠番と馬券

過去10年で4枠が馬券に絡んだことは1度もなく、6枠も3着が1回と極度に不振。1枠2枠の内枠と、7枠8枠の外枠が馬券にからむことが多く、馬券に絡んだ30頭中1枠6頭、2枠4頭で全体の1/3。7枠7頭、8枠5頭で全体の40%を占めます。

内枠が馬券に絡みやすいのは内ラチの仮柵が移動し内目の芝の状態が良いため。外枠も当然死と側の方が芝の状態が良いから。中間の枠の成績が良くないのは馬場の3分目あたりの芝の悪い場所を終始通らされるからで、内枠・外枠に比べレース中体力の消耗が激しいからだと考えられます。

オークスのレース及びコースの攻略法

ダービー、ジャパンカップと同じ東京芝2400mを使用。スタートはステンド正面、ゴール版手前のホームストレッチの登り坂を上り切ったあたりから。スタートから第1コーナーまで直後の直線は313m。この時期の牝馬には2400mは長距離に相当しペースはスロー。ポジション争いは比較的スムースに行われます。

最後の直線は525mもあり、差し、追い込み馬が有利。開催10日も経っているので外差しが有利に思われています。しかし、オークス、ダービーのために内の仮柵を移動しているため、内側の芝も悪くありません。そのため先行馬の前残りも十分あります。

またホームストレッチが長いため仕掛けどころが難しく、なかなか追い出しません。そのため牝馬特有の切れ味勝負になりやすく、2400mの距離でも上がり33秒後半~34秒前半で決着します。

過去10年のオークス入賞馬のデータを見たい方はこちら

2020年オークス出走表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 デゼル ディープインパクト 牝3 D.レーン 社台ファーム
友道康夫 (栗東) Le Havre 55kg 社台レースホース
1 2 クラヴァシュドール ハーツクライ 牝3 M.デムーロ 下河辺牧場
中内田充 (栗東) Giant’s Causeway 55kg 山紫水明
2 3 アブレイズ キズナ 牝3 藤井勘一郎 ノースヒルズ
池江泰寿 (栗東) ジャングルポケット 55kg 前田幸貴
2 4 デアリングタクト エピファネイア 牝3 松山弘平 長谷川牧場
杉山晴紀 (栗東) キングカメハメハ 55kg ノルマンディーTR
3 5 ホウオウピースフル オルフェーヴル 牝3 内田博幸 ノーザンファーム
大竹正博 (美浦) キングカメハメハ 55kg 小笹芳央
3 6 リアアメリア ディープインパクト 牝3 川田将雅 ノーザンファーム
中内田充 (栗東) Rockport Harbor 55kg シルクレーシング
4 7 ウインマイティー ゴールドシップ 牝3 和田竜二 コスモヴューファーム
五十嵐忠 (栗東) カコイシーズ 55kg ウイン
4 8 スマイルカナ ディープインパクト 牝3 柴田大和 木田牧場
高橋祥泰 (美浦) Distorted Humor 55kg 岡田繁幸
5 9 インターミッション ディープインパクト 牝3 石川裕紀人 下河辺牧場
手塚貴久 (美浦) キングカメハメハ 55kg 下河辺牧場
5 10 ミヤマザクラ ディープインパクト 牝3 武豊 ノーザンファーム
藤原英昭 (栗東) Mr. Greeley 55kg 金子真人H
6 11 リリーピュアハート ディープインパクト 牝3 福永祐一 社台ファーム
藤原英昭 (栗東) Galileo 55kg 社台レースホース
6 12 マジックキャッスル ディープインパクト 牝3 浜中俊 社台ファーム
国枝栄 (美浦) シンボリクリスエス 55kg 社台レースホース
7 13 ウーマンズハート ハーツクライ 牝3 藤岡康太 ダーレー・ジャパン・F
西浦勝一 (栗東) Shamardal 55kg ゴドルフィン
7 14 フィオリキアリ キズナ 牝3 田中勝春 槙和美
清水久詞(栗東) Successful Appeal 55kg ノースヒルズ
7 15 チェーンオブラブ ハーツクライ 牝3 石橋脩 ノースヒルズ
小笠倫弘 (美浦) Street Cry 55kg 前田幸治
8 16 ウインマリリン スクリーンヒーロー 牝3 横山典弘 コスモヴューファーム
手塚貴久 (美浦) Fusaichi Pegasus 55kg ウイン
8 17 マルターズディオサ キズナ 牝3 田辺裕信 天羽禮治
手塚貴久 (美浦) Grand Slam 55kg 藤田在子
8 18 サンクテュエール ディープインパクト 牝3 C.ルメール ノーザンファーム
藤沢和雄 (美浦) Canadian Frontier 55kg キャロットファーム

 

勝ち馬予想に役立つ!オークスの注目馬分析

デアリングタクト

エピファネイア シンボリクリスエス Kris S. 
Tee Kay 
シーザリオ スペシャルウィーク
キロフプリミエール 
デアリングバード キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
デアリングハート  サンデーサイレンス
デアリングダンジグ 

デアリングタクトは桜花賞の優勝馬で、これまでマイル戦を3戦3勝。前走2番人気で、重馬場で逃げた1番人気のレシステンシアをゴールまで後方から差し切り0.2秒差を付けています。3着以下には0.5秒差を付け、ここまで3戦全て上がり最速です。

そのレシステンシアがNHKマイルカップで自ら競馬を作り牡馬相手に0.2秒差2着に粘ったことからも、デアリングタクトの能力の高さを伺わせます。少なくとも桜花賞組の中で最も基礎能力が高く、オークスで他の桜花賞組に負ける可能性は極めて低いと考えられます。

デアリングタクトの父は菊花賞とジャパンカップを制したエピファネイアエピファネイアの父はシンボリクリスエス、母シーザリオ、母の父スペシャルウィークと東京芝2400mを走るために生産されたような血統です。

デアリングタクトの母デアリングバードはクイーンカップなど1800mのG3を3勝。桜花賞着、NHKマイルカップ2着、ヴィクトリアマイル3着。中距離のエリザベス女王杯では12着と敗退しているので母系はマイラーです。

母系や桜花賞の走りを見ても最も力を発揮するのはマイル路線でしょう。しかし、現在他の同世代との基礎能力比較では一枚も2枚も上手。桜花賞までマイル戦を3勝した馬はオークスでも走るという昔の格言があるので、現時点の完成度ではオークス優勝最右翼の存在です。

スマイルカナ

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
エーシンクールディ Distorted Humor フォーティナイナー 
Danzig’s Beauty 
キャタリナ Storm Cat 
Carolina Saga 

スマイルカナは桜花賞の3着馬。2歳時に芝1600mG3フェアリーステークスを優勝し、これまで全て1600mのマイル戦で3勝を挙げています。桜花賞ではレシステンシアを向こうに回し逃げ、1、2着馬には引き離されましたが、4着馬は1馬身引き離しています。

スマイルカナの父はオークスの舞台に強いディープインパクトディープインパクト産駒は小柄な馬体の方が父に似て走りますが、この馬の場合は桜花賞でも416kgとさらに小型。当日の馬体重には注意が必要です。

母エーシンクールディは重賞こそ未勝利ですが、地方のダートマイル路線で12勝を挙げ、重賞でも掲示板に載ったことがある活躍馬。近親に同じディープインパクトを父に持ち香港カップとイスパーン賞と海外G1を2勝したエイシンヒカリがおり、1800~2000mで強い競馬をしています。

スマイルカナの母もエイシンヒカリも逃げ馬。スマイルカナが逃げて強い競馬をするのは母系の影響と考えられます。母系の距離適性から考えれば2000mまでは持ちますが、それ以上では疑問符。また逃げ馬なので、今回も目標にされる可能性大。直線の長い今回の舞台では厳しいでしょう。

クラヴァシュドール

ハーツクライ サンデーサイレンス Halo
Wishing Well 
アイリッシュダンス トニービン
ビューパーダンス 
パスオブドリームズ Giant’s Causeway Storm Cat 
Mariah’s Storm 
Path of Thunder サンダーガルチ 
Drina 

クラヴァシュドールは桜花賞4着馬。これまで新馬戦以外はすべて芝のマイル重賞で、G3サウジアラビアカップ2着、G1ジュベナイルフィリーズ3着、チューリップ賞2着と全て掲示板に載っています。また、全てのレースで上がり3番以内と末脚が安定しています。

クラヴァシュドールの父は直線の長いコースが得意なハーツクライハーツクライ産駒は過去にヌーヴォレコルトが桜花賞3着から巻き返しています。ハーツクライ産駒は距離が長い方が良く、さらに重馬場が苦手なので前走の4着は評価できます。

クラヴァシュドールの母パスオブドリームズは米国産駒で目立った活躍はありません。しかし、祖母パスオブサンダーはブリダーズカップディスタス、ラブレアステークスなどG1を重賞7勝、常にG1で勝ち負けを繰り返した名牝スペインの全妹という良血です。

血統から見ても桜花賞組の中では距離が伸びた方が良い口で、安定して早い末脚が繰り出せるのはこのオークスの舞台でより活かされます。桜花賞上位組はオークスでも強く、2着馬だったレシステンシアも今回の舞台にはいません。当日の調子次第で十分馬券に絡んでくる1頭です。

ミヤマザクラ

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere 
ミスパスカリ Mr. Greeley  Gone West 
Long Legend 
ブルーアヴェニュー Classic Go Go 
Eliza Blue 

ミヤマザクラは桜花賞の5着馬。東京のマイル重賞クイーンステークスの優勝馬で、2歳時には牡馬混合重賞の芝2000mG3ラジオNIKKEI杯京都2歳ステ-クスで素質馬マイラプソディに0.3秒差2着しています。2000mでの距離実績があるので人気になる1頭です。

ミヤマザクラの父はこの舞台に強いディープインパクト母ミスパスカリは2000mを中心に3勝を挙げた条件馬ですが、半兄にNHKマイルカップを勝ったクロフネがいます。

ミヤマザクラの全兄にスプリングステークス勝ちのマウントロブソン、菊花賞ポポカテペトルがおり、桜花賞からの距離延長は特に問題ありません。

全兄のポポカテペトルは菊花賞後に中長距離を中心にオープンまで出世しています。しかし、その後の重賞路線では掲示板に載っていないので血統上の底力はやや疑問。

またラジオNIKKEI杯で優勝したマイラプソディは共同通信杯4着、皐月賞で13着なので、実際は弱い相手の重賞2着だったのではないかという考え方もできます。牝馬重賞を勝っているので基礎能力が高いのは認めますが、G1の舞台で勝ち切れるかはかなり疑問です。

ウインマイティー

ゴールドシップ ステイゴールド サンデーサイレンス 
ゴールデンサッシュ 
ポイントフラッグ メジロマックイーン 
パストラリズム 
アオバコリン カコイーシーズ Alydar 
Careless Notion 
コリンヌドゥブルイェール Lomond 
Gold and Purple 

ウインマイティーはここ10年で桜花賞馬を3頭送り出している忘れな草賞の優勝馬。3番人気での優勝ですが、2番人気とは差はなく、レースの上がりは最速。ここまで6戦3勝で、全レースで上がり3番手以内と末脚は安定しています。

ウインマイティーの父はクラッシク路線で皐月賞と菊花賞を制し、6歳までに中長距離G1を6勝したゴールドシップ。本年度がファーストクロップで、父と同じく札幌2歳ステークスを制したブラックホールを送り出しています。

母アオバコリンアは地方在籍馬で重賞勝ちことありませんが7勝。東京大賞典で5着したことのある活躍馬です。近親に中央での活躍馬はいませんが、地方では2桁勝ちの馬が多数おり、どんな芝馬の種牡馬を付けても基本ダート馬になる母系のようです。

母の父はダートの大種牡馬アリダーの血を引くカコイシーズで、産駒もほぼ地方で活躍するダート馬。ウインマイティーが芝路線で活躍できるのは、ゴールドシップの血が濃く出ていると判断できます。

ゴールドシップはステイゴールド産駒で、ステイゴールド同様に長くいい脚を使うタイプ。ただし早い時計での勝利はなく、どちらかというと急坂や洋芝など力の要る馬場が得意で、ウインマイティーの前走も稍重です。

またステイゴールドは気性難で気分が乗れば豪快な勝ち方をする一方、気分が乗らないとあっさり負ける馬でした。ウインマイティーは距離がのびるほど着差を広げており、2400mはむしろ歓迎の口。あとは当日馬場が渋れば大物食いの可能性は十分あります。

ウインマリリン

スクリーンヒーロー グラスワンダー Silver Hawk 
Ameriflora 
ランニングヒロイン サンデーサイレンス
ダイナアクトレス
コスモチェーロ  Fusaichi Pegasus Mr. Prospector 
Angel Fever 
Shorwon  Buena Shore 
April Wonder 

ウインマリリンはフローラステークスの優勝馬。同レースでは4番人気でしたが、フローラステークスと関連が深いミモザ賞の優勝馬なので勝っても不思議ではありません。ここまで4戦3勝で、勝鞍は全て2000m。4戦全て上がり3番手以内と末脚も堅実です。

ウインマリリンの父はジャパンカップを勝ったスクリーンヒーロー。春秋グランプリを制したグラスワンダーの血を引くもののG1勝ちがジャパンカップだけだったため当初は繁殖牝馬の質が悪かったにもかかわらずモーリス、ゴールドアクターと2頭のG1馬を輩出しています。

スクリーンヒーロー産駒は仕上がりが早く、産駒は父と同様に中長距離で活躍する馬が多いのが特徴。母コスモチェーロは1勝馬ですが、ウインマリリンの半兄でG3ラジオNIKKEI賞を優勝したウインマーレライを輩出しています。

ウインマリリンの血統内に瞬発力を伝えるダンジグの4×4、成長力を伝えるノーザンダンサーの5×5×5、底力を与えるヘイローの4×5とヘイルトゥリーズンの5×5のクロスを持ち、母系の力を高めている血統構成。

フローラステークスでのウインマリリンンの勝ち時計1:58.7は過去10年の中では最速。母系の質はともかく現時点の完成度と能力は桜花賞組上位組と遜色ないので、馬券にはぜひ入れておきたい1頭です。

ホウオウピースフル

オルフェーヴル ステイゴールド サンデーサイレンス
ゴールデンサッシュ
オリエンタルアート メジロマックイーン
エレクトロアート 
ツルマルワンピース キングカメハメハ Kingmambo 
マンファス 
ツルマルグラマー フジキセキ
エラティス 

ホウオウピースフルはオークストライアルのフローラステークスの2着馬。優勝馬のウインマリリンとはタイム差無の首差負け。レース中もほぼ同じ位置で競馬をし、上がり時計も同じで首の上げ下げ差。勝馬のローテーションが1か月なのに対し、こちらは2か月と空いた差が出た感じです。

ホウオウピースフルの父はオルフェーヴル産駒の当たり外れが多いですが、現役でG1を3勝しているラッキーライラックを出したように大物を輩出します。産駒は概ね仕上がりが早く、走破距離も中距離以上で勝率・複勝率ともに高まります。

ホウオウピースフルの母ツルマルワンピースは条件戦の3勝馬ですが、ハービンジャーを父に持ち3歳で有馬記念を勝ったブラストワンピースを輩出。兄や父を見る限りホウオウピースフルも距離はもっと伸びた方が良いタイプ。

血統内にサンデーサイレンスの3×4、スピードを伝えるトライマイベストとエルグランセニョールの5×4、成長力を伝えるノーザンテーストの5×4、ノーザンダンサーの5×5のクロスを持っているため、兄とは違い血統上は時計勝負にも対応します。

2歳時に新馬芝1800m、1勝クラス芝2000mと中距離を連勝しており、この時は共に上がり最速。芝1600mG3クイーンステークスでは3番人気でしたが0.6秒離され6着、上がりも平凡とやはりマイルでは忙しい印象。この時点でオークスに標準を定めています。

そのためフローラステークスで必勝を期して参戦したウインマリリンより上昇度は上。実質叩き2戦目でウインマリリンより上位に来る可能性が高いと言えます。あとは桜花賞組との力関係がカギ。少なくとも2着までに来る能力がある馬です。

デゼル

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere 
アヴニールセルタン Le Havre  Noverre 
Marie Rheinberg 
Puggy  Mark of Esteem 
Jakarta 

デゼルはオークストストライアルのスイートピーステークスの優勝馬で2戦2勝。2戦とも後方でレースを進め上がり最速です。前走の上がり32.5秒は強烈。

父はオークスの舞台に強いディープインパクトデゼルの末脚はディープインパクト譲りです。母アヴニールセルタンは仏2000ギニー、仏オークスを無敗で制し6連勝した名牝。凱旋門賞にも出走しましたが、この時は11着に沈んでいます。

母の父ルアーブルは芝2100mG1仏ダービーを1勝しただけですが、アヴニールセルタンやG1を2勝し8戦無敗で引退したラクレソニエールを送り出したように母系から高い能力を引き出すタイプの種牡馬。昨年ルアーブル産駒のプールヴィルがG2フィリーズレビューを制したように日本の芝に十分対応できる血統です。

社台ファーム生産の超良血という血統背景から、当初よりオークスを目標にしていた馬。ギリギリまで成長を促し、オークスまでの負荷を少なくし、叩き3戦目でオークスというのが陣営の青写真でしょう。前走もリステッドクラスでありながら危なげなく勝ち上がっています。

血統上の質や距離適性ではデアリングタクトより上です。デアリングタクトがオープンから3戦3勝で桜花賞を制したように、デゼルも3戦3勝でオークスを制する可能性は十分あります。

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