2020年第80回G1菊花賞予想 注目出走馬分析

父ディープインパクト以来無敗の牡馬クラッシク3冠を目指すコントレイルが注目を集める2020年の菊花賞。最後の一冠を目指し菊花賞に登録している馬の中から注目馬をピックアップし馬券になるか検討します。

2020年菊花賞の注目馬を分析!

菊花賞の特徴

G1菊花賞は第4回京都開催7日目に行われる3歳限定芝3000mの定量戦です。負担重量は牡馬57kg、牝馬55kg。なお繁殖能力を喪失している騙馬は出走出来ません。国際競走に指定され、外国調教馬は9頭まで出走可能です。

牡馬クラシック三冠最後のレースであり、JRA所属馬であれば桜花賞・皐月賞・オークス・ダービーの1着馬、セントライト記念と神戸新聞杯で3着までに入った馬に菊花賞への優先出走権が与えられています。

また地方所属馬であれば桜花賞・皐月賞・NHKマイルカップ・オークス・ダービーの2着まで、およびセントライト記念と神戸新聞杯で3着までに入った馬に菊花賞への優先出走権が与えられています。

古くから「もっとも強い馬が勝つ」と言われるレースであり、3歳馬にとっては過酷な3000mというスタミナとスピード、そして勝負根性が試されるため、実際に過去の優勝馬は古馬になっても一級線で活躍する馬がほとんどです。

過去10年の菊花賞入賞馬のデータを見たい方はこちら

2020年菊花賞出走表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 ディアマンミノル オルフェーヴル 牡3 幸英明 村下農場
本田優 (栗東) デヒア 57kg 吉岡實
1 2 ガロアクリーク キンシャサノキセキ 牡3 川田将雅 笠松牧場
上原博之 (美浦) Kingmambo 57kg 水上行雄
2 3 コントレイル ディープインパクト 牡3 福永祐一 ノースヒルズ
矢作芳人 (栗東) Unbridled’s Song 57kg 前田晋二
2 4 マンオブスピリット ルーラーシップ 牡3 M.デムーロ ノーザンファーム
斉藤崇史 (栗東) サンデーサイレンス 57kg ホシノレーシング
3 5 サトノインプレッサ ディープインパクト 牡3 坂井瑠星 社台ファーム
矢作芳人 (栗東) Sahm 57kg サトミホースカンパニー
3 6 ヴェルトライゼンデ ドリームジャーニー 牡3 池添謙一 ノーザンファーム
池江泰寿 (栗東) Acatenango 57kg サンデーサイレンス
4 7 ダノングロワール ハーツクライ 牡3 北村友一 ノーザンファーム
国枝栄 (美浦) Sightseeing 57kg ダノックス
4 8 ディープボンド キズナ 牡3 和田竜二 村田牧場
大久保龍 (栗東) キングヘイロー 57kg 前田晋二
5 9 アリストテレス エピファネイア 牡3 C.ルメール ノーザンファーム
音無秀孝 (栗東) ディープインパクト 57kg 近藤英子
5 10 サトノフラッグ ディープインパクト 牡3 戸崎圭太 ノーザンファーム
国枝栄 (美浦) Not For Sale 57kg サトミホースカンパニー
6 11 バビット ナカヤマフェスタ 牡3 内田博幸 大北牧場
浜田多実 (栗東) タイキシャトル 57kg 宮田直也
6 12 レクセランス ディープインパクト 牡3 松山弘平 ノーザンファーム
池添学 (栗東) Champs Elysees 57kg シルクレーシング
7 13 ロバートソンキー ルーラーシップ 牡3 伊藤工真 長浜牧場
林徹 (美浦) サンデーサイレンス 57kg 保坂和孝
7 14 ヴァルコス ノヴェリスト 牡3 三浦皇成 ノーザンファーム
友道康夫 (栗東) ダンスインザダーク 57kg 佐々木主浩
7 15 ブラックホール ゴールドシップ 牡3 藤岡佑介 杵臼牧場
相沢郁 (美浦) キングカメハメハ 57kg 芹澤精一
8 16 ターキッシュパレス Golden Horn 牡3 富田暁 Godolphin
昆貢 (栗東) ディクタット 57kg ゴドルフィン
8 17 キメラヴェリテ キズナ 牡3 松若風馬 ノースヒルズ
中竹和也 (栗東) Cozzene 57kg 加藤誠
8 18 ビターエンダー オルフェーヴル 牡3 津村明秀 桜井牧場
相沢郁 (美浦) Afleet Alex 57kg ヒダカ・ブリーダーズ・U

 

勝ち馬予想に役立つ!重賞菊花賞の注目馬分析

コントレイル

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
ロードクロサイト Unbridled’s Song Unbridled 
Trolley Song 
Folklore  Tiznow 
Contrive 

コントレイルはこれまで6戦全勝で、ホープフルステークス、皐月賞、ダービーとG1を3勝。前走神戸新聞杯も余力の残しで勝っており、父ディープインパクト以来無敗でのクラッシック三冠制覇がかかっています。

コントレイルの父はディープインパクト母ロードクロサイトは未勝利も、祖母フォルクローレは米国G1ブリダーズカップ・ジュベナイルフィリーズ、メイトロンステークスの優勝馬。母の父アンブライドルズソングはケンタキーダービーとブリダーズカップを優勝した名馬です。

血統上は2000~2400mで最も能力を発揮する構成ですが、父ディープインパクト同様に無駄な走りをしないため3000mの距離は持つでしょう。前走神戸新聞杯でも圧勝しているように、同世代では2枚ほど上手。よほどスタミナが試される展開にならない限り三冠達成は濃厚と言えます。

ヴェルトライゼンデ

ドリームジャーニー ステイゴールド サンデーサイレンス
ゴールデンサッシュ
オリエンタルアート メジロマックイーン
エレクトロアート 
マンデラ Acatenango  Surumu 
Aggravate 
Mandellicht  Be My Guest 
Mandelauge 

ヴェルトライゼンデはこれまで7戦2勝重賞勝ちはありませんが、ホープフルステークス、スプリングステークス、神戸新聞杯で2着、ダービーでも3着しています。コントレイル、サリオスの2強がいなければG1の1つは取れていた可能性がある馬です。

ヴェルトライゼンデの父はG1を3勝したドリームジャーニー。6冠馬のオルフェーヴルの全兄です。ドリームジャーニーから目立った活躍馬は出ていませんが、オルフェーヴルからG1馬が輩出しているので、G1級の産駒が出ても不思議はありません。

ヴェルトライゼンデの母マンデラはドイツで重賞2勝。母としてディープインパクト産駒で種牡馬となったワールドエース、菊花賞馬ワールドプレミアを輩出。また母の半弟にイスパーン賞など海外G1を3勝したマンデュロがおり活力ある母系

菊花賞馬のワールドプレミアはディープインパクト産駒ですが、ヴィルトライゼンデはスタミナ豊富なステイゴールド産駒のドリームジャーニーに変わっていることからも菊花賞は最適の舞台血統上の長距離適性ではコントレイルより上です。

前走神戸新聞杯では大外枠で、直線後方から追い込んでコントレイルに0.3秒差2着を確保し実力が本物であることを示しています。また同レースでは上がり最速菊花賞は神戸新聞杯で掲示板に載った馬が圧倒的に強いのでデータ的にも信用が置けます。捨てる要素がほぼ無く、コントレイルの対抗。

ロバートソンキー

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
エアグルーヴ トニービン
ダイナカール
トウカイメガミ サンンデーサイレンス Halo
Wishing Well 
トウカイテネシー シンボリルドルフ
トウカイナチュラル

ロバートソンキーは4戦1勝。前走神戸新聞杯で3着に入り菊花賞の切符を手にしています神戸新聞杯までの3戦全てで上がり最速神戸新聞杯でも上りはヴェルトライゼンデ、コントレイルに続く3番目なので末脚は強力です。

ロバートソンキーの父はルーラーシップ。母トウカイメガミはサンデーサイレンス産駒で未勝利も、祖母トウカイテネシーはダービー馬トウカイテイオーの全妹。2勝しか挙げていませんが、トウカイテイオー同様に好調な時は中距離で鋭い末脚を発揮しています。

ロバートソンキーは恐らく父ルーラーシップより母系の影響を強く受けており、適距離は本来2000~2400m。近親のトウカイテイオーが天皇賞春で惨敗しているように、菊花賞も3000mは距離が長い印象です。

4戦しかしていないもの菊花賞出走を狙いで前走めいいっぱい仕上げていると考えられ、他の馬に比べ上がり目に乏しいと考えられます。距離適性から考えても今回は見送り。

ハビット

ナカヤマフェスタ ステイゴールド サンデーサイレンス
ゴールデンサッシュ
ディアウィンク タイトスポット
セイレイ
アートリョウコ タイキシャトル Devil’s Bag
ウェルシュマフィン
グランスオークス Nureyev
Dry Fly

ハビットはこれまで6戦4勝2着2回で馬券を外しておらず、ラジオNIKKEI賞とセントライト記念を連勝し、ラジオNIKKEI賞勝ちがフロックではなかったことを証明しています。また4連勝は全て逃げており、逃げながらも4戦でメンバー中上がり3番手以内としまいもしっかりしています。

ハビットの父はステイゴールド産駒で宝塚記念馬のナカヤマフェスタ。現役時代に凱旋門賞で2着し、2000~2400mで強さを発揮。ただし菊花賞では4番人気も優勝馬に1.7秒差を付けられ13着に惨敗しています。ハビットの母アートリュオコはタイキシャトル産駒で、地方で短距離を1勝したのみ。

ハビットの血統内にヘイローの4×4の濃いクロスとスペシャル・タッチの5×4のインブリードを持っており、ハビットの負けん気の強さはヘイロー譲りか。祖父ステイゴールドも負けん気の強さでは定評がありました。

ナカヤマフェスタの代表産駒に日経賞勝ちのガンコがいますが、天皇賞春では惨敗しているように必ずしも長距離が得意とは言えません。母の父タイキシャトルのブルードメサイヤーの成績もマイルより短めなので、3000mの距離で前走同様強い競馬ができるかはかなり疑問

4連勝でトライアルのセントライト記念を勝ったとしても血統上適距離でのもので、長距離の菊花賞ではスタミナ切れを起こす可能性が高いと考えられます。今回は見送り。

サトノフラッグ

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
バラダセール Not For Sale Parade Marshal 
Love for Sale 
La Balada Confidential Talk 
La Baraca 

サトノフラッグはこれまで7戦3勝芝2000mを弥生賞まで3連勝した逸材で、コントレイル、サリオスと3強を形成し、皐月賞では2番人気に押されましたが結果は5着。ダービーでも4番人気に押されました11着に惨敗しています。

前走セントライト記念では1番人気でしたが、ハビットの逃げを捕らえ切れず0.3秒差2着に敗れています。ただし、上りはメンバー中最速で能力が高いことを証明しています。

サトノフラッグの父はディープインパクト母パラダセールはアルゼンチンオークスの優勝馬その母ラバラカや従姉のラベルカもアルゼンチンのG1を制している底力ある母系母の父ノットフォーセールもアルゼンチンG1ブエノスアイレス大賞を優勝している良血。

父ディープインパクト×母の父ノットフォーセールの組み合わせはG1阪神ジュベナイルフィリーズの優勝馬ダノンファンタジーがいますが、ダノンファンタジーはマイラー

母の父ナットフォーセールは短距離~マイラーを輩出する種牡馬で、母パラダセールが勝ったアルゼンチンオークスはダート2000mとマイラーの守備範囲。サトノフラッグがダービーで手ごたえの割に伸びなかったのは、恐らく距離に限界があると考えられます。

前走のセントライト記念は良馬場にも関わらず例年の勝ち時計に比べ2秒近く遅く、さらに今年の中山芝は例年に比べ重いといった特徴がありました。サトノフラッグの母系はダートのグレードレース優勝馬を輩出しているので明らかにパワー型。

サトノフラッグの父がディープインパクトなのである程度距離は持つとは思いますが、ベストは血統から考えると2000m前後。またサトノフラッグが好走したレースは全て勝ち時計が遅いといった特徴があります。時計が早く距離が長い菊花賞は不利な条件が揃います。

実績から人気になると思いますが、良くて3着まで。

ディープボンド

キズナ ディープインパクト サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア 
キャットクイル Storm Cat 
Pacific Princess 
ゼフィランサス キングヘイロー ダンシングブレーヴ
グッバイヘイロー
モガミヒメ カコイーシーズ
モガミポイント

ディープボンドは8戦2勝で京都新聞杯の勝ち馬。皐月賞惨敗後、京都新聞杯を制し、ダービーではコントレイルに0.5秒差5着と短期間で激戦3戦しての結果はタフで立派。前走神戸新聞杯では4番人気で4着とまずまずの成績で菊花賞に臨みます。

ディープボンドの父はキズナ。母ゼフィランサスは条件馬でマイルまでの距離を3勝。近親に短距離G1を2勝したローレルゲレイロがいることからも、母系はあまり距離が持ちません。そのためディープボンドは父キズナの影響が強いと考えられます。

血統内にヘイローの4×4の濃いクロスと、リファールの5×4、ノーザンダンサーの5×5のクロスを持っており大レースに強く気性が勝ったタイプ。ただし父キズナは2度天皇賞春に参戦していますが共に馬券に絡まず、ディープインパクトほど長距離に信頼は置けません。

母系を見ても距離延長は好ましくなくマイナス。今回は入着までと考えます。

ガロアクリーク

キンシャサノキセキ フジキセキ サンデーサイレンス
ミルレーサー
ケルトシャーン Pleasant Colony 
Featherhill 
ゴールドレリック Kingmambo Mr.Prospecter
Miesque
Gold Bust  Nashwan 
Riviere D’or 

ガロアクリークはこれまで7戦2勝でスプリングステークスの優勝馬皐月賞では8番人気も3着と好走し、ダービーでも7番人気で6着と、血統から来る距離不安を払拭しています。前走セントライト記念でも2番人気3着と、中距離でも好走することを立証しています。

ガロアクリークの父キンシャサノキセキは高松宮記念を連勝したスプリンター。母ゴールドレリックは米国産で未勝利も、近親にG1馬が並ぶ良血。母の父の大種牡馬キングマンボの血を持っているため、ガロアクリークはキングマンボの血を強く受けている印象です。

キングマンボは2000~2400m近辺に強くそれ以上の距離ではややマイナスキングマンボの血が強くても、菊花賞の3000mは長すぎ。もちろん父を考えても今回はさすがに厳しい印象。トライアル3着も、今回は見送り。

ヴァルコス

ノヴェリスト Monsun Königsstuhl
Mosella 
Night Lagoon Lagunas 
Nenuphar 
ランズエッジ ダンスインザダーク サンデーサイレンス
ダンシングキイ
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 

ヴァルコスはこれまで8戦2勝。これまで重賞未勝利ですが、青葉賞でダービー候補だったオーソリティに首差2着と好走し、1番人気だった素質馬フィリオアレグロを退けています。前走セントライト記念では5着でしたが、上がり最速。2着馬だったサトノフラッグとは位置取りの差。

ヴァルコスの父は欧州芝2400mG1を4勝したノヴェリスト。ヴェリストは日本で種牡馬として活躍しているハービンジャーが作ったキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスのレコードを更新しています。

ヴァルコスの母ランズエッジは未勝利も、半兄はディープインパクト。父がサンデーサイレンスから長距離馬を輩出するダンスインザダークに変わっています。血統内にノーザンダンサーの5×5×5、ニジンスキーの5×4、リターラートの5×5を持っています。

ヴァルコスは2400mで好走する血で固められ、母の父ダンスインザダークは菊花賞、ニジンスキーが英国芝2900mG1セントレンジャーを勝っていることからも、血統面では最も菊花賞向き。

ヴァルコスは大差負けしたダービー以外は全てメンバー中上がり3番手以内と末脚は安定しています。前走で馬券に絡まず重賞勝ちが無いので人気が落ちていると思われるので、穴馬として推奨。

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