2023年オークスの注目馬を分析!
オークスの特徴
GⅠオークスは第2回東京開催10日目に行われる3歳牝馬限定芝2400mの馬齢定量戦です。正式名は優駿牝馬。牝馬クラシック3冠レースの一つであり、牡馬のダービー(日本優駿)と並び最も権威あるレースで優勝馬は「樫の女王」と称えられます。負担重量は55kg。
オークスの出走条件は①花賞5着以内②フローラS2着以内③スイートピーS1着馬に優先出走権が与えられ、それ以外は獲得本賞金の高い順位に出走が可能。残りは抽選。
また国際競走に指定され、外国調教馬は9頭まで優先出走権が与えられます。地方所属馬は上記出走条件の①~③に該当する馬が出走可能です。
なおオークスの1~3着馬にはその年の秋に仏国牝馬限定芝2400mGⅠヴェルメイユ賞への優先出走権が与えられます。
牡馬クラッシクの皐月賞が2000m、ダービーが2400mで距離延長が400mに対し、桜花賞が1600m、オークスは2400mと距離が一気に800mも延長します。多くが桜花賞からの参戦ですが、距離適性では他の路線組も台頭しやすく馬券の検討が難しいレースです。
2023年オークス出走表
枠番 | 馬番 | 出走馬 | 父 | 馬齢 | 騎手 | 生産牧場 |
所属 | 母の父 | 斤量 | 馬主 | |||
1 | 1 | ラヴェル | キタサンブラック | 牝3 | 坂井瑠星 | ノーザンファーム |
矢作芳人 (栗東) | ダイワメジャー | 55kg | キャロットファーム | |||
1 | 2 | ライトクオンタム | ディープインパクト | 牝3 | 田辺裕信 | 社台ファーム |
武幸四郎 (栗東) | Quality Road | 55kg | 社台レースホース | |||
2 | 3 | キタウイング | ダノンバラード | 牝3 | 杉原誠人 | ミルファーム |
小島茂之 (美浦) | アイルハヴアナザー | 55kg | ミルファーム | |||
2 | 4 | キミノナハマリア | ハービンジャー | 牝3 | 三浦皇成 | 社台ファーム |
千田輝彦 (栗東) | ヴィクトワールピサ | 55kg | 浦野和由 | |||
3 | 5 | リバティアイランド | ドゥラメンテ | 牝3 | 川田将雅 | ノーザンファーム |
中内田充 (栗東) | All American | 55kg | サンデーレーシング | |||
3 | 6 | ゴールデンハインド | ゴールドシップ | 牝3 | 菅原明良 | ビッグレッドファーム |
武市康男 (美浦) | Shamardal | 55kg | TC・ラフィアン | |||
4 | 7 | ヒップホップソウル | キタサンブラック | 牝3 | 津村明秀 | 社台ファーム |
木村哲也 (美浦) | ファルブラヴ | 55kg | 社台レースホース | |||
4 | 8 | レミージュ | キズナ | 牝3 | 荻野極 | ノースヒルズ |
松永幹夫 (栗東) | Gone West | 55kg | ノースヒルズ | |||
5 | 9 | コナコースト | キタサンブラック | 牝3 | D.レーン | ノーザンファーム |
清水久詞 (栗東) | キングカメハメハ | 55kg | サンデーレーシング | |||
5 | 10 | ソーダズリング | ハーツクライ | 牝3 | 武豊 | 社台ファーム |
音無秀孝(栗東) | シンボリクリスエス | 55kg | 社台レースホース | |||
6 | 11 | ミッキーゴージャス | ミッキーロケット | 牝3 | 戸崎圭太 | ノーザンファーム |
安田隆行(栗東) | ディープインパクト | 55kg | 野田 みづき | |||
6 | 12 | ハーパー | ハーツクライ | 牝3 | C.ルメール | ノーザンファーム |
友道康夫 (栗東) | Jump Start | 55kg | エムズレーシング | |||
7 | 13 | ドゥーラ | ドゥラメンテ | 牝3 | 斎藤新 | グランデファーム |
高橋康之 (栗東) | キングヘイロー | 55kg | サイプレスホH | |||
7 | 14 | ペリファーニア | モーリス | 牝3 | 横山武史 | ノーザンファーム |
鹿戸雄一 (美浦) | ハーツクライ | 55kg | キャロットファーム | |||
7 | 15 | エミュー | ハービンジャー | 牝3 | M.デムーロ | ノースヒルズ |
和田正一 (美浦) | スペシャルウィーク | 55kg | ノースヒルズ | |||
8 | 16 | ドゥアイズ | ルーラーシップ | 牝3 | 吉田隼人 | ノーザンファーム |
庄野靖志 (栗東) | ディープインパクト | 55kg | G1レーシング | |||
8 | 17 | シンリョクカ | サトノダイヤモンド | 牝3 | 吉田豊 | 下河辺牧場 |
竹内正洋 (美浦) | キングカメハメハ | 55kg | 由井健太郎 | |||
8 | 18 | イングランドアイズ | Kingman | 牝3 | 横山和生 | Hara Reiko Racing Co. Ltd |
安田翔伍 (栗東) | ハーツクライ | 55kg | 原禮子 |
勝ち馬予想に役立つ!オークスの注目馬分析
リバティアイランド
ドゥラメンテ | キングカメハメハ | Kingmambo |
マンファス | ||
アドマイヤグルーヴ | サンデーサイレンス | |
エアグルーヴ | ||
ヤンキーローズ | All American | Red Ransom |
Milva | ||
Condesaar | ザール | |
Condescendance |
リバティアイランドは阪神ジュベナイルフィリーズに続き桜花賞も制しGⅠ2勝。これまで4戦3勝2着1回。アルテミスS2着もあり、4戦共芝1600m戦。
リバティアイランドの父は牡馬クラシック2冠のドゥラメンテ。母ヤンキーローズは豪州産で芝GⅠ2勝2着2回の4勝馬。母系は短距離傾向。リバティアイランドの半兄でディープインパクト産駒のロムネヤもマイラー。
ドゥラメンテ産駒は菊花賞馬のタイトルホルダー、昨年の桜花賞・オークスを制したスターズオンアース、昨年のホープフルS馬ドゥラエレーデを輩出しているため中長距離志向も、この3頭の母系はスタミナ血統。種牡馬として距離適性は母系の影響を受けやすいタイプ。
一昔前までは桜花賞までマイルで3勝していればオークスでも馬券になると言われていましたが、血統的に距離不安があった一昨年のソダシは、アクシデントがあったとはいえ優勝馬から0.6秒差8着に惨敗しています。
リバティアイランドの母系は短距離系統。マイル戦での圧倒的なパフォーマンスを見せても、桜花賞から800mも距離が伸びるためよどみない流れでスタミナ勝負の展開になると息切れする可能性もあります。絶対的な信用は置けませんが、ポテンシャルの高さから勝ち負け。
ハーパー
ハーツクライ | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
アイリッシュダンス | トニービン | |
ビューパーダンス | ||
セレスタ | Jump Start | A.P. Indy |
Steady Cat | ||
Serata | Carson City | |
Maliziosa |
ハーパーはクイーンカップの優勝馬で、これまで4戦2勝2着1回。前走桜花賞では3番人気も、優勝馬リバティアイランドから0.5秒差5着に敗退。
ハーパーの父はハーツクライ。アルゼンチン産の母セレスタは同国の2歳牝馬チャンピオンでGⅠ1勝を含む重賞4勝で全6勝。ハーパーの半姉でドゥラメンテ産駒のヴァレーデラルナがJCBレディクラシックを制しています。
ハーパーの全兄で現3勝クラスのダノンセレクタは2000~2400mを中心に使われているので距離延長は歓迎の口。ハーツクライ産駒は跳びが大きなスライド走法の馬が多いので東京コースの方が持ち味が生きます。
クイーンカップの勝ち時計1分33秒1は過去10年で最速。前走桜花賞では6番手で先行。ゴール前直線では反応が遅く、上がり34秒2でジリジリと伸びるもののリバティアイランドの上がり32.9秒という異次元の脚に切れ負け。
ハーパーに先着した2着馬コナーコーストは2番手で上がり34秒5で0.3秒差、ベリファーニアは4番手で上がり34秒1なので、コナーコーストには追い付く可能性があっても、ベリファーニアには追い付けない計算です。抑えまで。
コナーコースト
キタサンブラック | ブラックタイド | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | ||
シュガーハート | サクラバクシンオー | |
オトメゴコロ | ||
コナブリュワーズ | キングカメハメハ | Kingmambo |
マンファス | ||
アンブロワーズ | フレンチデピュティ | |
フサイチミニヨン |
コナーコーストは桜花賞の2着馬。これまで4戦1勝2着3回。チューリップ賞では優勝馬モズメイメイとハナ差2着で桜花賞出走を果たし、桜花賞では2番手追走の積極的な競馬で直線抜け出すも、リバティアイランドの異次元の脚に屈し0.2秒差。
コナーコーストは中長距離GⅠ7勝のキタサンブラック。キングカメハメハ産駒のコナブリューワーズは短距離の4勝馬。祖母アンブロワーズは函館2歳Sの勝ち馬で阪神ジュベナイルフィリーズ2着、5歳まで活躍し計4勝。コナーコーストは血統内にサンデーサイレンスの3×4のクロスを持ちます。
前走は逃げたモズメイメイが13着と惨敗する厳しい流れの中、先行抜け出し4番手から迫ってきたベリファーニアに競り勝ったところで、最後方から猛追したリバティアイランドに交わされてゴール。粘り強さと心肺機能の高さは父の影響が大。
父は中長距離馬も、母系は短距離系。基本的にマイラーと思われ、距離が800mも伸びるオークスで同じ競馬ができるかは疑問。オークスでの桜花賞2着馬は過去10年で1勝2着1回3着2回、ここ5年では3着1回と馬券になる確率は低め。見送り。
ベリファーニア
モーリス | スクリーンヒーロー | グラスワンダー |
ランニングヒロイン | ||
メジロフランシス | カーネギー | |
メジロモントレー | ||
ケイティーズハート | ハーツクライ | サンデーサイレンス |
アイリッシュダンス | ||
ケイティーズファースト | Kris | |
Katies |
ベリファーニアは桜花賞の3着馬。これまで3戦1勝3着2回。チューリップ賞は2番人気で3着に入り桜花賞の切符を得て、桜花賞では5番人気で3着。チューリップ賞で先着されたコナーコーストには桜花賞でも先着されています。
ペリファーニアの父はモーリス。ハーツクライ産駒の母ケイティーズハートはダートマイルの3勝馬。ペリファーニアの半兄は2021年の年度代表馬エフフォーリア、母の姉からGⅠ3勝の年度代表馬アドマイヤムーンが出ている良血で、血統内にサンデーサイレンスの4×3の濃いクロスを持ちます。
兄の活躍を見ればオークスも期待が持てますが、桜花賞後のコメントでは100%の力を差し切ったとあり、さらにノドに不安があることが示唆されています。体質改善がなされない限り距離延長は不利。抑えまで。
ゴールデンハインド
ゴールドシップ | ステイゴールド | サンデーサイレンス |
ゴールデンサッシュ | ||
ポイントフラッグ | メジロマックイーン | |
パストラリズム | ||
オレゴンレディ | Shamardal | Giant’s Causeway |
Helsinki | ||
Oregon Trail | Gone West | |
Oscillate |
ゴールデンハインドはフローラSの優勝馬。これまで7戦2勝2着2回。昨年7月2戦目の福島芝1800m未勝利戦で勝ち上がり、中山芝2000mOPクラスで2着。2走前のフラワーCで4着後は桜花賞には登録せず、前走では果敢に逃げて1分58秒9の好時計勝ち。
ゴールデンハンドの父はゴールドシップ。アイルランド産の母オレゴンレディは海外中距離GⅢ勝ちを含む5勝馬。母系からケンタッキーダービー馬のスーパーセイヴァーが出ています。
ゴールドシップ産駒の割にスタートダッシュが利き、距離を伸ばして成績が良くなっていることからも心肺能力は高いと思われます。また前走の勝ち時計は、過去10年のフローラSの勝ち時計で2番目に早く、過去10年で最速だった年の優勝馬ウインマリリンはオークスで2着に入っています。
またゴールドシップ産駒は一昨年にユーバーレーベンがフラワーカップ→フローラSのローテーションで優勝しています。距離適性の高さから勝ち負け。
ソーダリングス
ハーツクライ | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
アイリッシュダンス | トニービン | |
ビューパーダンス | ||
ソーマジック | シンボリクエスエス | Kris S. |
Tee Kay | ||
スーア | Fairy King | |
Bold Starlet |
ソーダリングスはフローラSの2着馬で、これまで3戦1勝2着2回。3戦共1番人気で。前走は4番手先行策も、芝が早く逃げたゴールデンハインドに届かず0.2秒差。上りはゴールデンハインドより0.1秒早いので、もう少し距離があれば届いた可能性があります。
ソーダズリングの父はハーツクライ。シンボリクリスエス産駒の母ソーマジックは桜花賞3着のある4勝馬。ソーダズリングの半姉に愛知杯勝ちで秋華賞他重賞2着5回のマジックキャッスル、オルフェーヴル産駒でチャレンジカップ連覇のソーヴァリアントがいます。
父も母の父もスタミナ血統。兄弟は2000mで結果を出しているので桜花賞組より距離的代が高いと思われます。また父がハーツクライなので東京向き。前走はオークスを見据えて7分デキでの出走。叩き2戦目で前進が見込めます。連下で。
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