2024年天皇賞(秋)の注目馬を分析!
天皇賞(秋)の特徴
GⅠ天皇賞(秋)は第4回東京開催8日目に行われる3歳以上芝2000mの馬齢定量戦です。負担重量は3歳牡・騙馬56kg、同牝馬54kg、4歳以上牡・騙馬58kg、同牝馬56kg。
なお天皇賞(秋)は以下に該当している馬が優先的に出走出来ます。
- 国内レーティング上位5位以内で、牡・騙馬110ポンド、牝馬106ポンド以上の競走馬。
- 出走登録している外国調教馬(最大9と頭まで)
- オールカマー・毎日王冠・京都大賞典で1着となったJRA所属馬
- オールカマー・毎日王冠・京都大賞典のいずれかで2着以内に入った地方所属馬。
それ以外は通算獲得賞金+過去1年間の獲得賞金+過去2年内のGⅠ及びJpnⅠの獲得賞金の総和で金額上位順に出走できます。
ジャパンカップ、有馬記念と共に秋の古馬三冠レースの初戦で、秋の中距離最強馬を決める1戦です。
↓過去10年の天皇賞(秋)入賞馬のデータを見たい方はこちら↓
2024年天皇賞(秋)出走表
枠番 | 馬番 | 出走馬 | 父 | 馬齢 | 騎手 | 生産牧場 |
所属 | 母の父 | 斤量 | 馬主 | |||
1 | 1 | ベラジオオペラ | ロードカナロア | 牡4 | 横山和生 | 社台ファーム |
上村洋行 (栗東) | ハービンジャー | 58kg | 林田祥来 | |||
2 | 2 | マテンロウスカイ | モーリス | 騙5 | 横山典弘 | ノーザンファーム |
松永幹夫 (栗東) | スペシャルウィーク | 58kg | 寺田千代乃 | |||
2 | 3 | ステラヴェローチェ | パゴ | 牡6 | 佐々木大輔 | ノーザンファーム |
須貝尚介 (栗東) | ディープインパクト | 58kg | 大野剛嗣 | |||
3 | 4 | タスティエーラ | サトノクラウン | 牡4 | 松山弘平 | ノーザンファーム |
堀宣行 (美浦) | マンハッタンカフェ | 58kg | キャロットファーム | |||
3 | 5 | ノースブリッジ | モーリス | 牡6 | 岩田康誠 | 村田牧場 |
奥村武 (美浦) | アメージングムーン | 58kg | 井山登 | |||
4 | 6 | ソールオリエンス | キタサンブラック | 牡4 | 横山武史 | 社台ファーム |
手塚貴久 (美浦) | Motivator | 58kg | 社台レースホース | |||
4 | 7 | ドウデュース | ハーツクライ | 牡5 | 武豊 | ノーザンファーム |
友道康夫 (栗東) | Vindication | 58kg | キーファーズ | |||
5 | 8 | キングズパレス | キングカメハメハ | 牡5 | A.シュタルケ | 社台ファーム |
戸田博文 (美浦) | Dubawi | 58kg | 社台レースホース | |||
5 | 9 | ホウオウビスケッツ | マインドユアビスケッツ | 牡4 | 岩田望来 | 岡田スタッド |
奥村武 (美浦) | ルーラーシップ | 58kg | 小笹芳央 | |||
6 | 10 | ダノンベルーガ | ハーツクライ | 牡5 | C.デムーロ | ノーザンファーム |
堀宣行 (美浦) | Tizway | 58kg | ダノックス | |||
6 | 11 | ジャスティンパレス | ディープインパクト | 牡5 | 坂井瑠星 | ノーザンファーム |
杉山晴紀(栗東) | Royal Anthem | 58kg | 三木正浩 | |||
7 | 12 | リバティアイランド | ドゥラメンテ | 牝4 | 川田将雅 | ノーザンファーム |
中内田充 (栗東) | All American | 56kg | サンデーレーシング | |||
7 | 13 | シルトホルン | スクリーンヒーロー | 牡4 | 大野拓弥 | 飛渡牧場 |
新開幸一 (美浦) | Langfuhr | 58kg | ディアレストクラブ | |||
8 | 14 | レーベンスティール | リアルスティール | 牡4 | C.ルメール | 広富牧場 |
田中博康美浦) | トウカイテイオー | 58kg | キャロットファーム | |||
8 | 15 | ニシノレヴナント | ネロ | 騙5 | 田辺裕信 | タツヤファーム |
上原博之 (美浦) | コンデュイット | 58kg | 西山茂行 |
勝ち馬予想に役立つ!天皇賞(秋)の注目馬分析
ドウデュース
ハーツクライ | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
アイリッシュダンス | トニービン | |
ビューパーダンス | ||
ダストアンドダイヤモンズ | Vindication | Seattle Slew |
Strawberry Reason | ||
Majestically | Gone West | |
Darling Dame |
ドウデュースは2021年朝日杯フューチュリティーS、2022年ダービー、昨年の有馬記念と3年連続でGⅠ勝ち。これまで14戦6勝2着1回3着1回。今年はドバイターフでは1番人気で5着、続く宝塚記念でも1番人気でしたが6着と精彩を欠いています。
ドウデュースの父はハーツクライ。母ダストアンドダイヤモンズは海外重賞2勝を含む6勝馬。血統内に大種牡馬リファールの濃いクロスを持ちます。
前走宝塚記念は重馬場。後方からの競馬でメンバー中2番目の脚で追い上げていますが、同じ位置にいたブローザボーンがメンバー中最速の脚を使い優勝。ドウデュースは0.9秒さも離されたので馬場適性の差が出た印象。
今回はスライド走法の末脚が生かせる東京2000m。ただし古馬になってからは2200m戦以上で結果。芝1800m戦のドバイターフは5着、昨年の天皇賞秋はぶっつけとはいえ7着と、短めの距離では結果を伴いません。リバティアイランドと人気は二分するものの、抑えまで。
リバティアイランド
ドゥラメンテ | キングカメハメハ | Kingmambo |
マンファス | ||
アドマイヤグルーヴ | サンデーサイレンス | |
エアグルーヴ | ||
ヤンキーローズ | All American | Red Ransom |
Milva | ||
Condesaar | ザール | |
Condescendance |
リバティアイランドは一昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ優勝から秋華賞まで、トライアルを使わず牝馬GⅠレースを4連勝した牝馬三冠馬。これまで8戦5勝2着2回3着1回。昨年のジャパンCでは優勝馬イクノイックスから0.7差を付けられるも2着を確保。高い能力を秘めています。
リバティアイランドの父は牡馬クラシック2冠のドゥラメンテ。母ヤンキーローズは豪州産で芝GⅠ2勝2着2回の4勝馬。母系は短距離傾向。リバティアイランドの半兄でディープインパクト産駒のロムネヤもマイラー。
今年は12ハロンのドバイシーマクラシックに出走し、1番人気で3着。優勝馬からは3馬身差、2着シャフリヤールから1馬身差なので、このレースは力負け。母系は短距離系統なのでジャパンC、ドバイシーマクラシックは父がドゥラメンテとはいえやや長すぎ。
そのため前走より距離短縮の天皇賞秋の東京2000mは血統的にもプラス。昨年のジャパンCで古馬一級戦を下したあたり、このメンバーなら実力上位。勝ち負け。
ジャスティンパレス
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
パレスルーマー | Royal Anthem | Theatrical |
In Neon | ||
Whisperifyoudare | Red Ransom | |
Stellar Affair |
ジャスティンパレスは2022年菊花賞、2023年の天皇賞春を制したGⅠ2勝馬。これまで15戦5勝2着2回3着2回。2000mのワールドレコードだった昨年の天皇賞秋ではイクノイックスの2着と好走。同レースでメンバー中最速の脚を使っています。
ジャスティンパレスの父はディープインパクト。母パレスルーマーは米国産で海外5勝。母の父ロイヤルアンセムは芝中長距離G13勝。ジャスティンパレスの半兄でオルフェーヴル産駒のアイアンバローズはステイヤーズS、阪神大賞典で2着。血統的にステイヤー。
今年の春はドバイシーマクラシックに出走し、リバティアイランドとは首差の4着。同レースの負担重量はジャスティンパレス57kg、リバティアイランド54.5kgなので、日本と同じ定量戦ならジャスティンパレスが先着していた計算です。
ただし、結果を出しているのは2200m戦以上の中長距離戦。昨年の天皇賞秋は出遅れ追走できず、イクノイックスが作ったハイペースで先行馬が総崩れになり、結果的に後方待機していたジャスティンパレスの展開になっただけ。今回はハイペースで飛ばす強力な先行馬は不在。
ヨーイドンの競馬になった場合は切れ味で劣るジャスティンパレスには分が悪い展開になります。見送り。
ソールオリエンス
キタサンブラック | ブラックタイド | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | ||
シュガーハート | サクラバクシンオー | |
オトメゴコロ | ||
スキア | Motivator | モンジュー |
Out West | ||
Light Quest | クエストフォーフェイム | |
Gleam of Light |
ソールオリエンスは昨年の皐月賞馬で、同年ダービー2着、菊花賞3着。これまで10戦3勝2着3回3着1回。年明けにブランカーを試した中山記念、大阪杯とGⅠ馬らしからぬ成績も、再びブランカーを外した宝塚記念で2着と復活。
ソールオリエンスの父は中長距離GⅠ7勝のキタサンブラック。仏国産の母スキアはGⅢ勝ちがある3勝馬。ソールオリエンスの半兄にディープインパクト産駒で富士S優勝、ドバイターフ2着のヴァンギャルドがいます。
今回は皐月賞と同じ2000m。半兄はマイラー気味で、京成杯の成績からもスピードを生かす2000mは適鞍。東京はダービー2着と実績もあります。また前走宝塚記念では優勝馬プローサホーンと同じメンバー中最速の脚を使っており、粘るペラジオオペラを首差交わし、切れも持ち合わせています。
ただし、セントライト記念で軽くあしらわれた同世代のレーベンスティールが出走。切れ味ではレーベンスティールの方が上。力関係から連下。
タスティエーラ
サトノクラウン | Marju | ラストタイクーン |
Flame of Tara | ||
ジョコンダII | Rossini | |
La Joconde | ||
パルティトゥーラ | マンハッタンカフェ | サンデーサイレンス |
サトルチェンジ | ||
フォルテピアノ | フレンチデピュティ | |
キョウエイフォルテ |
タスティエーラは昨年のダービー馬で、皐月賞と菊花賞は2着と牡馬三冠レースで全連対。弥生賞勝ちもあり、成績はこれまで9戦3勝2着2回。ただし古馬戦線に参戦した有馬記念、大阪杯、天皇賞春ではいずれも掲示板を外し、優勝馬から0.6秒差以上を付けられています。
タスティエーラの父は宝塚記念馬のサトノクラウン。マンハッタンカフェ産駒の母パルティトゥーラはマイルの3勝馬。母系は天皇賞秋を制したトーセンジョーダン、カンパニーなどマイル~中距離の重賞で活躍する馬を多数輩出。
今回は天皇賞春以来の出走。過去10年で天皇賞春からの出走馬が天皇賞秋で馬券になった例は無し。また父サトノクラウンは2200~2400mの馬で、天皇賞秋2着の実績があっても重馬場。どちらかというとパワーとスタミナタイプ。スピード勝負になりやすい天皇賞秋では追走できない可能性が大。見送り。
ベラジオオペラ
ロードカナロア | キングカメハメハ | Kingmambo |
マンファス | ||
レディブラッサム | Storm Cat | |
サラトガデュー | ||
エアルーティーン | ハービンジャー | Dansili |
Penang Pearl | ||
エアマグダラ | サンデーサイレンス | |
エアデジャヴー |
ベラジオオペラは今年の大阪杯の優勝馬。重賞は他に昨年のスプリングS、チャレンジC勝ちがあり、戦績はこれまで9戦5勝2着1回3着1回。昨年のダービーでは優勝馬タスティエーラ、2着馬ソールオリエンスと差のない4着。前走宝塚記念でも3着しています。
ベラジオオペラの父はロードカナロア。ハービンジャー産駒の母エアルーティンは芝中距離の1勝馬。母の半兄でシンボリクリスエス産駒のエアアンセムが函館記念勝ち。一族は中距離馬が多数。父は短距離志向のロードカナロアも、母系は中距離志向で距離適性は母系から。
父がロードカナロアなので、宝塚記念より1ハロン短い天皇賞秋は適鞍。また大阪杯では1分58秒2で優勝し、時計勝負も問題ありません。また有力馬は差し、追い込みが多く、先行してしまいも伸びる本馬には展開上有利。
ただし古馬になってから上りは34秒後半。並んだら抜かせない根性はありますが、後半瞬発力勝負になり離れたところから交わされた時には切れ負けする可能性が高く、今回は切れ味のある差し馬が多数出走。良くて抑えまで。
レーベンスティール
リアルスティール | ディープインパクト | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | ||
ラヴズオンリーミー | Storm Cat | |
Monevassia | ||
トウカイライフ | トウカイテイオー | シンボリルドルフ |
トウカイナチュラル | ||
ファヴォリ | リアルシャダイ | |
ベイリーフスイータ |
レーベンスティールは昨年のセントライト記念、今年はエプソムC、オールカマーを連勝している重賞3勝馬。これまで10戦5勝2着2回3着1回。GⅠは昨年の香港ヴァーズで1番人気も8着惨敗。天皇賞秋がGⅠ挑戦2戦目です。
レーベンスティールはディープインパクト産駒でドバイターフ勝ちのリアルスティール。トウカイテイオー産駒の母トウカイライフはダート中距離の4勝馬。近親にこれといった活躍馬はいません。
父の4勝は全て芝1800m戦。母系トウカイテイオー、リアルシャダイを重ねているので2200m戦くらいまでなら能力を発揮できる印象。10戦中7戦でメンバー中上がり最速。後方待機で発揮しているわけではなく、好位からでもゴーサインが出れば一気に伸びるタイプ。
またセントライト記念では皐月賞馬のソールオリエンスを突き放し、エプソムCでは59kgを背負い2着に0.3秒差を付け、1分44秒7の好時計勝ち。ポテンシャルはGⅠ級。今回はエプソムC、オールカマーで手綱を取ったルメールが引き続き騎乗予定で期待の高さが伺えます。
臨戦過程も問題なく、当日調子が良さそうなら勝ち負け。
コメント