2020年第23回G2富士ステークス予想 注目出走馬分析

重賞レースの注目馬分析

本年度のNHKマイルカップの優勝馬ラウダシオン、2018年の同レースの勝ち馬ケイアイノーテック、2017年のマイルチャンピオンシップ優勝馬のペルシアンナイトと3頭のマイルG1馬が登録している今年の富士ステークス。富士ステークス登録馬の中から注目馬をピックアップし、馬券になるか分析します。

2020年富士ステークスの注目馬を分析!

富士ステークスの特徴

G2富士ステークスは第4回東京開催5日目に行われる3歳以上芝1600mの別定戦です。

国際競走に指定され、外国調教馬は9頭まで優先出走権が与えられます。

負担重量は3歳牡・騙馬54kg、同牝馬52kg、4歳以上牡・騙馬56kg、同牝馬54kg。過去の重賞勝利実績により負担重量が加算され、1年以内のG1勝利馬2kg増、1年以内のG2及び牝馬限定G1勝利馬・1年以前のG1勝利馬は1kg増。

また地方所属馬のマイルチャンピオンシップへのステップレースに指定され、同レース出走候補馬3頭まで優先出走権が与えられ、富士ステークスで2着までに入れば同レースへの優先出走権が与えられます。

2019年までG3競走として施行されていましたが、本年度よりG2に昇格。JRA所属馬の場合、優勝馬にマイルチャンピオンシップへの優先出走権が与えられます。そのため同レースへのたたき台のレースとして定着しており、実績馬の取捨選択が馬券のカギになります。

過去10年の富士ステークス入賞馬のデータを見たい方はこちら

2020年富士ステークス出走表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 ブラックバゴ   バゴ 牡8 笹川翼 ノーザンファーム
佐野謙二 (大井) ステイゴールド 56kg 吉木伸彦
2 2 タイセイビジョン タートルボウル 牡3 石橋脩 ノーザンファーム
西村真幸 (栗東) スペシャルウィーク 54kg 田中成奉
3 3 モズダンディー Scat Daddy 牡5 内田博幸 Mr. & Mrs. Oliver S. Tait
藤岡健一 (栗東) Smart Strike 56kg 北側雅勝
4 4 サトノアーサー ディープインパクト  牡6 戸崎圭太 ノーザンファーム
池江泰寿 (栗東) Redoute’s Choice 56kg サトミホースカンパニー
5 5 ヴァンドギャルド ディープインパクト 牡4 福永祐一 社台ファーム
藤原英昭 (栗東) Motivator 56kg 社台レースホース
5 6 レイエンダ キングカメハメハ 牡5 池添謙一 ノーザンファーム
菊沢隆徳 (美浦) シンボリクリスエス 57kg キャロットファーム
6 7 スマイルカナ ディープインパクト 牝3 柴田大和 木田牧場
高橋祥泰 (美浦) Distorted Humor 52kg 岡田繁幸
6 8 シーズンズギフト   エピファネイア 牝3 津村明秀 ノーザンファーム
黒岩陽一 (美浦) ゼンノロブロイ 52kg キャロットファーム
7 9 ケイアイノーテック ディープインパクト 牡5 大野拓弥 隆栄牧場
平田修 (栗東) Smarty Jones 57kg 亀田和弘
7 10 ペルシアンナイト ハービンジャー 牡6 大野拓弥 追分ファーム
池江泰寿(栗東) サンデーサイレンス 57kg G1レーシング
8 11 ラウダシオン リアルインパクト  牡3 M.デムーロ 白老ファーム
斉藤崇史(栗東) Songandaprayer 56kg シルクレーシング
8 12 ワーケア ハーツクライ 牡3 C.ルメール ノーザンファーム
手塚貴久 (美浦) Oratorio 54kg 落合幸弘

勝ち馬予想に役立つ!富士ステークスの注目馬分析

ラウダシオン

リアルインパクト ディープインパクト サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア
トキオリアリティー Meadowlake 
What a Reality 
アンティフォナ Songandaprayer Unbridled’s Song 
Alizea 
スナッチド Cat Thief 
Christmas Star 

ラウダシオンは今年のNHKマイルカップの優勝馬。これまで7戦4勝で、実は馬券を外したのは2歳G1の朝日フューチュリティステークスのみ。

NHKマイルカップでは距離不安から9番人気でしたが、1番人気のレシステンシアを2番手で果敢にマークし、残り1ハロンで交わして完勝。しまいも34.4秒でまとめ後続に0.2秒差以上を付け、勝ち時計も1分32秒5と優秀です。

ラウダシオンの父はディープインパクト産駒のリアルインパクト。3歳時に安田記念を優勝し、他に豪州芝1500mG1ジョージライダーステーク勝ち、G2阪神カップ連勝とやや短めのマイラーです。

ラウダシオンの母アンティフォナはダート短距離の1勝馬。母の父ソングアンドプレーヤーは大種牡馬アンブライドルズソング産駒で米ダート中距離G1ファウンテンオヴュースステークスを勝っているので、距離は持ちます。

9番人気だったNHKマイルカップ勝ちがフロックのように思われますが、馬券に絡んだ近3走はいずれもゴール前直線が長くのびのび走れるコースです。

ここはマイルチャンピオンシップへの試走で、古馬とやりあえるかがカギ。ある程度負荷をかけたレースをすると思われます。NHKマイルカップの勝ち時計からも例年の富士ステークスの勝ち時計と遜色なく、さらに前走1kg軽くなるのは有利です。実績からも勝ち負けを期待。

スマイルカナ

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
エーシンクールディ Distorted Humor フォーティナイナー 
Danzig’s Beauty 
キャタリナ Storm Cat 
Carolina Saga 

スマイルカナはこれまで9戦4勝で、今年の中山芝1600mG3フェアリーステークスの優勝馬桜花賞で3着し、6月に行われたサマーマイルシリーズ第1弾米子ステークスを古馬に交じり優勝前走京成杯オータムハンデキャップでもタイム差無しで2着しています。

スマイルカナの父はディープインパクト母エーシンクールディは中央・地方を含めマイル路線で15勝を挙げた活躍馬。母系にディープインパクトと相性が良いストームキャットの血が入っており、さらにノーザンダンサーの5×5×5のクロスを持っています。

母の父がフォーティナイナー系のディストーテッドヒューマーなので力強いがやや一本調子になりやすい所をディープインパクトの血が補っている感じです。軽量馬にも関わらず、桜花賞や年末の中山など時計が掛かる芝で好走するのは母系の血の力が影響していると考えられます。

京成杯オータムハンデキャップの勝ち時計も例年に比べ遅く、1分32秒7だった米子ステークスも50kgの軽ハンデでのもの。今回前走と同じ52kgですが、実際の持ち時計はやや見劣りします。

今回さらにメンバーが強化される1戦。前走1着だったトロワゼトワルはG2府中牝馬ステークスで4着に粘ったものの優勝馬とは0.7秒引き離されています。また過去10年で逃げを主張して富士ステークスで馬券に絡んだ馬はいません。今回は見送り。

タイセイビジョン

タートルボウル Dyhim Diamond  Night Shift 
Happy Landing 
Clara Bow  Top Ville 
Kamiya 
ソムニア スペシャルウィーク サンデーサイレンス 
キャンペンガール 
ドリームスケイプ エルコンドルパサー
ドリームビジョン 

タイセイビジョンはこれまで6戦3勝2着2回。新馬以外は全て重賞を走り、京王杯2歳ステークとアーリントンカップで重賞2勝。さらに2歳G1朝日フューチュリティテークスで2着しています。

前走NHKマイルカップでは2番人気に押されるものの、優勝馬ラウダシオンとは0.3秒差4着。ラウダシオンとほぼ同じ位置取りでしたが、上りは0.1秒遅いのでこのレースでは力負けです。

タイセイビジョンの父タートルボウルはアイルランド生産馬で、G1勝はフランス芝1400mのジャンプラ賞のみ。しかし、種牡馬として少ない繁殖からフランス2000ギニー優勝馬ルカヤンを輩出したように爆発力を秘めた種牡馬です。

タイセイビジョンの母ムソニアは1勝馬で、2歳時に函館2歳ステークス3着があるだけ。母の父スペシャルウィークや母系にあるエルコンドルパサーの血は中距離以上で実績のある種牡馬ですが、タイセイビジョンの成績を見る限りタートルボウル血が色濃いと判断できます。

タイセイビジョンは前走以外NHKマイルカップ以外全てのレースで上り3番手以内としまいは強力。負けたとはいえ同レースの時計は優秀です。今回勝ち馬だったラウダシオンより2kg軽く、計算上では逆転できます。休養明後の馬体の成長がカギ。調教が良いようなら実績上勝ち負けできる馬です。

サトノアーサー

ディープインパクト ディープインパクト Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
キングスローズ Redoute’s Choice デインヒル 
Shantha’s Choice 
Nureyev’s Girl Nureyev 
Lakab 

サトノアーサーはこれまで20戦5勝2着5回3着6回。これまで重賞を10戦して5回馬券に絡んでおり、その内2018年のエプソムカップ、今年の関屋記念で優勝しています。末脚は強力で、20戦中16戦でメンバー中上がり3番手以内です。

サトノアーサーの父は強いディープインパクト母キングスローズはニュージーランド3歳牝馬チャンピオンで、G1を含め重賞6勝という活躍馬。母系に時計決着に強いデインヒルの血が入っているので、高速馬場の早い時計勝負は得意。

実績や距離、コース実績は十分ですが、過去10年で6歳馬の優勝は無く2着が2回あるのみ末脚は安定して繰り出しますが、格下相手でも勝ち切れないことが多く勝負強さはありません。2、3着候補が妥当です。

ペルシアンナイト

ハービンジャー Dansili デインヒル
Hasili 
Penang Pearl Bering
Guapa 
オリエントチャーム サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ニキーヤ Nureyev
Reluctant Guest 

ペルシアンナイトは2017年のマイルチャンピオンシップの優勝馬で、これまで26戦4勝2着5回3着2回3歳時にマイルチャンピオンシップを勝って以来、優勝はありません。

ただし大レースには強く、皐月賞2着と翌年の大阪杯で2着、マイルチャンピオンシップは2018年2着、‘19年は3着しています。前走の札幌記念で6戦ぶりに馬券に絡んでいます。

ペルシアンナイトの父はハービンジャー。母オリエントチャームは4勝も、全兄に2002年JRA最優秀ダート馬ゴールドアリュールがいる良血。母がマイルから2000mを走っていたように、距離適性は母系からと判断できます。

血統内にノーザンダンサーの5×5×4の濃いクロスがあり、能力が長く持続するタイプ。3年連続でマイルチャンピオンシップを好走しているように、本番は得意な同レース。ここはたたき台の公算が大。無理に勝つ必要がなく余力残しの仕上げか。能力は高いものの連軸は難しく抑えまで。

ケイアイノーテック

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
ケイアイガーベラ Smarty Jones Elusive Quality
I’ll Get Along 
アンナステルツ Danzig
Edge 

ケイアイノーテックは2018年のNHKマイルカップの優勝馬。ただし、それ以降勝ち星が無い上馬券にも絡んず、これまで20戦3勝と精彩を欠いています。ただし本年度から復調傾向にあり安田記念では11番人気も5着、前走中京記念では優勝馬と0.1秒差で4着しています。

ケイアイノーテックの父はディープインパクト母ケイアイガーベラはJRAダート重賞2丁を含む9勝を挙げた活躍馬。全兄にフィアスインパクトは豪州芝マイルG1を2勝しています。

全兄フィアスインパクトは10番人気でG1制覇を果たしたように兄も成績が安定していないものの、ポテンシャルは高いタイプ。兄の成績を考えれば、基礎能力は高いことが分かります。

前々走、前走とマイル戦を1分32秒台で走っており、早い時計で差し脚を伸ばすタイプ。NHKマイルカップでも1分32秒台の決着です。逆に時計が遅いと前を捕らえられません。今回は逃げ馬のスマイルカナのペースがカギ。同馬は早い時計決着を経験していないのでスローに落とす公算が大です。

他馬の出方もありますが、スローペースが予想されれば圏外、ハイペースなら馬券に絡んでくる馬です。

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