2020年第162回G1天皇賞(秋)予想 注目出走馬分析

重賞レースの注目馬分析

JRA平地G1・8勝の偉業が掛かるアーモンドアイが出走登録している2020年の秋の天皇賞。少頭数ながらクロノジェネシスやキセキ、ダノンプレミアムなどG1馬が7頭登録し、ハイレベルな争いが予想されます。天皇賞秋に出走登録した馬の中から注目馬をピックアップし、馬券になるか分析します。

2020年天皇賞(秋)の注目馬を分析!

天皇賞(秋)の特徴

G1天皇賞(秋)は第4回東京開催8日目に行われる3歳以上芝2000mの馬齢定量戦です。負担重量は3歳牡・騙馬56kg、同牝馬54kg、4歳以上牡・騙馬58kg、同牝馬56kg。

なお天皇賞には以下に該当している馬が優先的に出走出来ます。

  1. 国内レーティング上位5位以内で、牡・騙馬110ポンド、牝馬106ポンド以上の競走馬。
  2. 出走登録している外国調教馬(最大9と頭まで)
  3. オールカマー・毎日王冠・京都大賞典で1着となったJRA所属馬
  4. オールカマー・毎日王冠・京都大賞典のいずれかで2着以内に入った地方所属馬。

それ以外は通算獲得賞金+過去1年間の獲得賞金+過去2年内のG1及びJpn1の獲得賞金の総和で金額上位順に出走できます。

ジャパンカップ、有馬記念と共に秋の古馬三冠レースの初戦であり、秋の中距離最強馬を決める1戦です。

過去10年の天皇賞(秋)入賞馬のデータを見たい方はこちら

2020年天皇賞(秋)出走表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 ブラストワンピース ハービンジャー 牡5 池添謙一 ノーザンファーム
大竹正博 (美浦) キングカメハメハ 58 シルクレーシング
2 4 カデナ ディープインパクト 牡6 田辺裕信 グランド牧場
中竹和也 (栗東) フレンチデピュティ 58kg 前田幸治
3 5 ダイワギャグニー キングカメハメハ 牡6 内田博幸 社台ファーム
菊沢隆徳 (美浦) サンデーサイレンス 58kg 大城敬三
4 8 ダノンキングリー ディープインパクト 牡4 戸崎圭太 ダノックス
萩原清(美浦) Storm Cat 58kg 三嶋牧場
5 9 ウインブライト  ステイゴールド 牡6 松岡正海 コスモヴューファーム
畠山吉宏 (美浦)  アドマイヤコジーン 58kg ウイン
5 10 フィエールマン ディープインパクト 牡5 福永祐一 ノーザンファーム
手塚貴久 (美浦) Green Tune 58kg サンデーレーシング
6 11 クロノジェネシス パゴ 牝4 北村友一 ノーザンファーム
斉藤崇史 (栗東) クロフネ 56kg サンデーレーシング
6 12 キセキ ルーラーシップ 牡6 武豊 下河辺牧場
角居勝彦 (栗東) ディープインパクト 58kg 石川達絵
7 13 アーモンドアイ ロードカナロア 牝5 C.ルメール ノーザンファーム
国枝栄 (美浦) サンデーサイレンス 56kg シルクレーシング
7 14 スカーレットカラー ヴィクトワールピサ 牝5 岩田康誠 ノースヒルズ
高橋亮 (栗東) ウォーエンブレム 56kg 前田幸治
8 15 ダノンプレミアム ディープインパクト 牡5 川田将雅 ケイアイファーム
中内田充 (栗東) Intikhab 58kg ダノックス
8 16 ジナンボー ディープインパクト 牡5 M.デムーロ ノーザンファーム
堀宣行 (美浦) キングカメハメハ 58kg 金子真人H

勝ち馬予想に役立つ!天皇賞(秋)の注目馬分析

アーモンドアイ

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
レディブラッサム Storm Cat
サラトガデュー
フサイチパンドラ サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ロッタレース Nureyev 
Sex Appeal 

アーモンドアイは昨年の天皇賞秋の優勝馬。これまで13戦9勝でG1を7勝。今回の天皇賞秋を制覇すれば初のJRA平地G1・8勝、単独1位の偉業を達成します。

類まれなスピードと共に牝馬特有の切れ味を持つ馬で、体調が万全でなかった有馬記念以外、全てのレースで上り3番手以内。3歳時のクラシックロードでは全てのレースでメンバー中上がり最速です。

アーモンドアイの父はロードカナロア母はエリザベス女王杯を制し、オークスでも2着と活躍したフサイチパンドラ。母の父がサンデーサイレンスという良血。アーモンドアイの成績を見る限りマイルで取りこぼしがあるため、距離適性は母系からと考えられます。

アーモンドアイは血統内にヌレイエフの5×3の濃いクロスを持っており、圧倒的なスピードはこのヌレイエフの血が影響していると考えられます。

父がミスタープロスペクター系なので心肺機能や筋肉のパワーは優れているものの、疲労が溜まりやすいためゆったりしたローテションが必要。過去の実績からもポン駆けが利くタイプであり、今回の天皇賞秋が距離適性から考えても偉業達成に最も適し、全力で仕上げてくると思われます。

今回天皇賞秋登録メンバーも体調不良で出走した有馬記念で惨敗した時以外は、ほとんどの馬を負かしています。体調が万全であればまず負けないでしょう。

フィエールマン

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere 
リュヌドール Green Tune Green Dancer 
Soundings 
Luth d’Or  Noir Et Or 
Viole d’Amour 

フィエールマンは菊花賞、天皇賞春2連覇と長距離G1を3勝今回天皇賞秋を制覇すれば、同一年天皇賞春秋制覇の偉業を達成します。これまで10戦5勝と年齢の割に数を使っておらず、5カ月休養明けの長距離G1である天皇賞春をぶっつけで優勝するようにポン掛けするタイプです。

フィエールマンの父はディープインパクト母リュヌドールは仏国産馬で、イタリア牝馬限定G1リディアテシオ賞の勝ち馬その父グリーントューンはフランスの2000ギニーの勝ち馬。母系は長めのマイラーなのでフィエールマンはディープインパクトの血が濃いと判断できます。

ラジオNIKKEI賞、AJCC、札幌記念と格下中距離重賞ではいずれも取りこぼしがあるためステイヤーに思われますが、これらのレースは全てゴール前の直線が短いコース。負けても0.2秒以内なのでディープインパクト譲りの末脚が届かなかっただけ。

直線が長い京都外回りコースで行われる菊花賞、天皇賞春ではまるで測ったようにゴール前でしっかり2着馬を交わしています。そのためいずれのレースでもタイム差無しの決着です。

血統から考えても距離短縮はむしろ歓迎と考えられ、ゴール前直線の案外東京コースは本馬にはプラス。今回心肺機能に優れたキセキが早めスパートをかけてくるので、展開的にも長くいい脚を使えるフィエールマンに有利。体調が万全なら3着は外さないと見ています。

クロノジェネシス

パゴ Nashwan Blushing Groom
Height of Fashion
Moonlight’s Box Nureyev
Coup de Genie 
クロノロジスト クロフネ フレンチデピュティ
ブルーアヴェニュー 
インディスユニゾン サンデーサイレンス
ラスティックベル 

クロノジェネシスは今年の宝塚記念の優勝馬2着に1秒の差を付け、さらに3着馬は1.8秒も引き離しているので圧勝と言える勝利です。他にもG1秋華賞、G2京都記念G3クイーンカップを制し、これまで16戦して馬券を外したのははずか1回という堅実派です。

クロノジェネシスの父は凱旋門賞をはじめ1600~2400mの欧州G1を5勝したパゴ。パゴは2歳から5歳夏までが競走馬としてのピークで、それ以降は勝ち切れないレースが続き引退しています。

クロノジェネシスの母クロノロジストはクロフネ産駒で、ダートのマイル戦を2戦しただけで引退。クロノジェネシスの半姉でハービンジャー産駒のノームコアがヴィクトリアマイルを制しているように、母系の影響力はあまり強くありません。

クロノジェネシスは血統内にミスタープロスペクターの4×4の濃いクロスと、ヘイローの5×4を持っており、重馬場でもへこたれず伸びてくるのはミスタープロスペクター系の特徴であるパワー溢れる筋肉が遺伝したと考えられます。

今回天皇賞秋は少頭数ながらメンバーは宝塚記念より強力。大阪杯で1分58秒4の持ち時計はあるものの2着。天皇賞秋は1分57秒台の決着はざらで、昨年は3着まで1分56秒台の決着。時計勝負には一抹の不安があります。

ただし馬場が渋ったレースは全て1着なので、当日の天候次第ではアーモンドアイに逆転できる馬です。

キセキ

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
エアグルーヴ トニービン
ダイナカール
ブリッツフィナーレ ディープインパクト サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア
ロンドンブリッジ ドクターデヴィアス
オールフォーロンドン 

キセキは2017年の菊花賞馬でこれまで24戦4勝。菊花賞以来勝ち星を挙げていませんが、天皇賞秋やジャパンカップ、宝塚記念など中距離G1で2着4回3着1回と強敵相手でも好走しています。

前々走の宝塚記念では優勝馬クロノジェネシスに1秒離され2着でしたが、3着以下は0.8秒引き離しており改めてポテンシャルの高さを実証しています。前走の京都大賞典では最後方からまくり気味に追い上げ0.1秒差2着と、相変わらず勝ち切れないレースが続きます。

キセキの父はルーラーシップ。母キブリッツフィナーレは未出走も、祖母ロンドンブリッジからオークス馬ダイワエルシエーロ、アーリントンカップを勝ったビッグプラネット、中京記念を勝ったグレーターロンドンが出ており、活力のある母系。

菊花賞勝ちがあるものの、血統から中~中長距離馬父ルーラーシップの血の影響が強く、気性の激しさも受け継いでいます。そのため現状、逃げるか追い込むかの極端なレースをせざるを得ない状態が続いています。

今回の天皇賞秋のメンバーを見ても、展開はキセキが握っていると考えられます。ここ2戦追い込みで結果を出しているので、今回も同様に早めスパートをかけてくると思われます。心肺機能は非常に優れているので、早々にはバテないでしょう。

6歳馬ですが前走を見る限り力の衰えはありません。自分の競馬に徹すれば3着以上も十分あります。特に雨などで馬場が渋ると馬が脚元を気にして激しい気性が抑えられるらしいので、稍重以上になれば買い。

ダノンキングリー

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere 
マイグッドネス Storm Cat Storm Bird
Terlingua 
Caressing Honour and Glory
Lovin Touch 

ダノンキングリーはこれまで10戦5勝。これまでG1と関連性が高い共同通信杯、毎日王冠、中山記念と芝1800m重賞を3勝しています。しかし次走の根幹距離G1皐月賞で3着、マイルチャンピオンシップで5着、大阪杯で3着とG1に一歩届かないレースが続いています。

ダノンキングリーの父はディープインパクト。母マイグッドネスは米国産の1勝馬。ダノンキングリーの半兄にマッチョウノ産駒でJpn1JCBスプリントをはじめダート重賞9勝を挙げたダノンレジェンドがいるように、母系は活力があります。

母の父にディープインパクトとニックスになるストームキャットが入っており、ダノンキングリーのポテンシャルを押し上げています。

これまでG1を5回チャレンジしており、マイルのマイルチャンピオンシップと安田記念で馬券に絡まず、2000~2400mの皐月賞・ダービー・大阪杯ではいずれも0.1秒差以内で馬券に絡んでいます。そのため実際はマイラーというより中距離馬。

休み明けは好走し、次走で着順を落とすレースが続いておりポン駆けが利くタイプスピードで押すタイプで早い時計決着なら出番があります。逆馬場が渋ると途中でスタミナ切れを落とす可能歳が大。良馬場の際は連下で。

ダノンプレミアム

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere 
インディアナギャル Intikhab Red Ransom 
Crafty Example 
Genial Jenny デインヒル 
Joma Kaanem 

ダノンプレミアムは2017年の朝日フューチュリティーステークスの優勝馬。これまで12戦6勝2着2回3着1回昨年の天皇賞秋ではアーモンドアイに0.5秒離されましたが2着を確保。続くマイルチャンピオンシップではインディチャンプに0.2秒差2着とポテンシャルが高いことを証明しています。

ダノンプレミアムの父はディープインパクト。母インディアナギャルは海外で6勝。母の父インティカブは重賞を2勝しただけですが、父としてエリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリーなどのG1馬を送り出しています。また母系には時計勝負に強いデインヒルの血が入っています。

芝2000mはG2弥生賞と金鯱賞を勝っており、香港のクイーンエリザベスステークスでも世界の強豪相手に不良馬場の中3着しているように得意。

ディープインパクト産駒ですが切れ味よりスピードで押すタイプ。上り時計は目立ちませんが、2000mまでなら最後までスピードは落ちません。今回は自分のペースで先行できるかがカギ。持ち時計はあるので早い展開に持ち込めれば昨年同様勝ち負けできます。

ブラストワンピース

ハービンジャー Dansili デインヒル
Hasili 
Penang Pearl Bering
Guapa 
ツルマルワンピース キングカメハメハ Kingmambo 
マンファス 
ツルマルグラマー フジキセキ
エラティス 

ブラストワンピースは2018年の有馬記念馬。これまで14戦7勝で、毎日杯、新潟記念、札幌記念、AJCCと重賞5勝を挙げています。成績を見れば分かりますが、勝つか馬券に絡まないかの極端なレースを繰り返しており、自分が得意な展開なら非常に強いレースをします。

ブラストワンピースの父はハービンジャー。母ツルマルワンピースはキングカメハメハ産駒で短距離の3勝馬。近親に日経賞勝ちで菊花賞と天皇賞春で2着したアルナスラインがいます。

3歳時に新潟記念で1分57秒5という時計を持っていますが、時計勝負は基本的に苦手。540kgを超える雄大な馬体とキングカメハメハ譲りの筋肉が持ち味のパワータイプで、時計の掛かる馬場が得意ただし、脚が滑るどろんこ馬場ではいずれも大敗しています。

パンパン馬場なら出番はなく、稍重と少し馬場が渋った時には出番ありです。

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