2020年第37回G1マイルチャンピオンシップ予想 注目出走馬分析

重賞レースの注目馬分析

前走スプリンターズを驚異的な脚で優勝したグランアレグリア、昨年のJRA最優秀短距離馬インディチャンプ、コントレイルのライバル・サリオスなどマイルG1馬8頭が出走登録している2020年のマイルチャンピオンシップ。マイルチャンピオンシップ登録馬の中から全G1馬をピックアップし、馬券になるか分析します。

2020年マイルチャンピオンシップの注目馬を分析!

マイルチャンピオンシップの特徴

2020年のG1マイルチャンピオンシップは第5回阪神開催6日目に行われる3歳以上芝1600mの馬齢定量戦です。本来であれば京都競馬場で開催されますが、本年度は同競馬場改修工事のため阪神競馬場で開催されます。負担重量は3歳牡・騙馬56kg、同牝馬54kg、4歳以上牡・騙馬57kg、同牝馬55kg。

国際競走に指定され、外国調教馬は9頭まで優先出走権が与えられます。

またJRA所属馬であれば富士ステークス及びスワンステークス1着馬、レーティング上位5頭に優先出走権が与えられます。それ以外は通算獲得賞+過去1年の獲得賞金+過去2年のG1(Jpn1を含む)の獲得賞金の総額で多い順に出走が可能です

地方所属馬の場合はスプリンターズステークス、富士ステークス、スワンステークス、天皇賞秋で2着までに入った馬に優先出走権が与えられます。

過去10年のマイルチャンピオンシップ入賞馬のデータを見たい方はこちら

2020年マイルチャンピオンシップ出走登録馬一覧表

枠番 馬番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 ベステンダンク タイキシャトル 牡8 藤岡佑介 服部牧場
安達昭夫 (栗東) スペシャルウィーク 56kg 市川義美H
1 2 レシステンシア ダイワメジャー 牝3 北村友一 ノーザンファーム
松下武士 (栗東) Lizard Island 55kg キャロットファーム
2 3 ケイアイノーテック ディープインパクト 牡5 津村明秀 隆栄牧場
平田修 (栗東) Smarty Jones 57kg 亀田和弘
2 4 グランアレグリア ディープインパクト 牝4 C.ルメール ノーザンファーム
藤沢和雄 (美浦) Tapit 55kg サンデーレーシング
3 5 メイケイダイハード ハードスパン 牡5 酒井学 浦河小林牧場
中竹和也 (栗東) キングカメハメハ 56kg 名古屋競馬場
3 6 ラウダシオン リアルインパクト  牡3 武豊 白老ファーム
斉藤崇史(栗東) Songandaprayer 56kg シルクレーシング
4 7 アドマイヤマーズ ダイワメジャー 牡4 川田将雅 ノーザンファーム
友道康夫 (栗東) Medicean 58kg 近藤旬子
4 8 インディチャンプ ステイゴールド 牡5 福永祐一 ノーザンファーム
音無秀孝(栗東) キングカメハメハ 58kg シルクレーシング
5 9 カツジ ディープインパクト 牡5 池添謙一 岡田スタッド
池添兼雄 (栗東) ホワイトマズル 56kg カナヤマH
5 10 ブラックムーン  アドマイヤムーン 牡6 幸英明 タバタファーム
西浦勝一 (栗東) ジェネラス 57kg HimRockRacing.H
6 11 スカーレットカラー ヴィクトワールピサ 牝5 岩田康誠 ノースヒルズ
高橋亮 (栗東) ウォーエンブレム 56kg 前田幸治
6 12 アウィルアウェイ   ジャスタウェイ 牝4 藤岡康太 ノーザンファーム
高野友和(栗東) キングカメハメハ 55kg 吉田勝己
7 13 タイセイビジョン タートルボウル 牡3 石橋脩 ノーザンファーム
西村真幸 (栗東) スペシャルウィーク 54kg 田中成奉
7 14 サウンドキアラ ディープインパクト 牝5 松山弘平 社台ファーム
安達昭夫 (栗東) アグネスデジタル 54kg 増田雄一
8 15 ペルシアンナイト ハービンジャー 牡6 大野拓弥 追分ファーム
池江泰寿(栗東) サンデーサイレンス 57kg G1レーシング
8 16 ヴァンドギャルド ディープインパクト 牡4 戸崎圭太 社台ファーム
藤原英昭 (栗東) Motivator 56kg 社台レースホース
8 17 サリオス ハーツクライ 牡3 M.デムーロ ノーザンファーム
堀宣行 (美浦) Lomitas 54kg シルクレーシング

勝ち馬予想に役立つ!マイルチャンピオンシップの注目馬分析

グランアレグリア

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
タピッツフライ Tapit Pulpit 
Tap Your Heels 
Flying Marlin Marlin 
Morning Dove 

グランアレグリアはこれまで9戦6勝2着1回3着1回桜花賞、安田記念、スプリンターズステークスとG1を3勝し、馬券を外したのは5着だったNHKマイルカップだけ。桜花賞では前年にアーモンドアイが作ったレコードを0.4秒も更新して快勝しています。

グランアレグリアの父はディープインパクト。母タピットフライは米芝マイルG1・2勝を含む7勝を挙げた活躍馬。母の父は米国リーディングサイヤーに輝いたタピットという良血。そのためマイル戦で驚異的なパフォーマンスを見せるグランアレグリアの能力は母系から。

前走スプリンターズステークスでは休養明け初戦、プラス12kgという条件に加え、直線が短く先行有利な中山で4コーナー過ぎ15番手から一気に14頭ごぼう抜きで先行抜け出したダノンスマッシュに2馬身差を付けて圧勝した末脚は強力。

今回は得意なマイル戦に戻るため、さらなるハイパフォーマンスが期待できます。また阪神1600mも、同じコースの桜花賞をレコード勝ちしているように問題ありません。メンバーも安田記念で負かした相手がほとんどで、相手関係からも順調ならまず負けないでしょう。

インディチャンプ

ステイゴールド サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ゴールデンサッシュ  ディクタス
ダイナサッシュ
ウィルパワー キングカメハメハ Kingmanbo
マンファス
トキオリアリティー Meadowlake 
What a Reality 

インディチャンプは昨年の安田記念とマイルチャンピオンシップを勝ち、JRA最優秀短距離馬に輝いた実力馬。これまで16戦8勝2着1回3着4回で、中7勝がマイル戦という典型的なマイラーです。

インディチャンプの父はステイゴールド母ウィルパワーは短距離の4勝馬も、祖母に短距離からマイル戦でG1や重賞勝ち馬を多く送り出しているトキオリアリティーの血を持ち、インディチャンプの距離適性も母系から。

本年度はマイラーズカップを優勝し、安田記念でも2番人気でグランアレグリアに0.5秒差、2着アーモンドアイとは0.1秒差の3着と、きっちり実力を発揮しています。また父がステイゴールドなので、舞台が阪神マイルに変わっても問題はないでしょう。

ただし過去10年で安田記念からの直行で馬券に絡んだのは2015年に優勝したモーリス1頭だけ。実力は折り紙付きですが、臨戦過程がやや不安。2、3着候補。

アドマイヤマーズ

ダイワメジャー サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
スカーレットブーケ ノーザンテースト
スカーレットインク
ヴィアメディチ Medicean Machiavellian 
Mystic Goddess 
Via Milano シングスピール 
Salvinaxia 

アドマイヤマーズはこれまで11戦6勝2着1回3着1回。6勝全てがマイル戦のもので、これまで朝日フューチュリティーステークス、NHKマイルカップ、香港マイルとマイルG1を3勝しています。

アドマイヤマーズの父はダイワメジャー母ヴィアメディチはフランス芝マイルG3の勝ち馬で、祖母のヴィラミラノもフランスの芝マイルG3勝ち馬という血統も完全にマイラー血統内にヘイローの3×5×5の濃いクロスを持ち底力を押し上げています。

前走スワンステークスでは0.3秒差3着でしたが、重め残しで明らかにたたき台。本番は得意なマイル戦なのは言うまでもありません。

アドマイヤマーズの父はダイワメジャーなので既に馬体は完成しており、後は如何に能力を維持するかにかかっています。父ダイワメジャー同様に先行して粘る脚質なので、直線に急坂がある阪神コースに変わるのはアドマイヤマーズにはプラスです。

今回は同脚質のインディチャンプとの兼ね合いがカギ。脚質に幅が無いので、直線の長い安田記念では差し脚に転じたインディチャンプに先着を許しています。大崩れは無いものの勝ち切るには難しく抑えまで。

サリオス

ハーツクライ サンデーサイレンス Halo
Wishing Well 
アイリッシュダンス トニービン
ビューパーダンス 
サロミナ Lomitas Niniski 
La Colorada 
Saldentigerin  タイガーヒル 
Salde 

サリオスはこれまで6戦4勝。昨年の朝日杯フューチュリティーステークスの優勝馬で、これまで先着を許したのは無敗の三冠馬に輝いたコントレイルだけ前走の毎日王冠でも古馬相手に0.5秒差を付けて優勝したように、今年の3歳馬の二枚看板ともいうべき存在です。

サリオスの父はハーツクライ母サロミナは独オークス優勝馬という良血。半姉にはディープインパクト産駒で本年度の府中牝馬ステークスを優勝したサラキアがいます。

マイル戦は朝日杯フューチュリティーステークス勝ちを含め3戦3勝ですが、皐月賞、ダービーで2着しているように、血統からもベストパフォーマンス2000m前後能力は一級品ですが距離適性という面では不安が残ります。

毎日王冠優勝後は本来天皇賞秋に向かうべきところを、アーモンドアイの偉業達成のため馬主側がマイルチャンピオンシップに矛先を変えている経緯があります。また優勝した毎日王冠も例年に比べメンバーが手薄です。

今回はマイルを得意とする古馬一線級との初対戦。昨年同じ臨戦過程で臨んだダノンキングリーも5着と馬券に絡みませんでした。人気より期待はしにくく、抑えまで。

レシステンシア

ダイワメジャー サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
スカーレットブーケ ノーザンテースト 
スカーレットインク 
マラコスタムブラダ Lizard Island Danehill Dancer 
Add 
Mapul Wells Poliglote 
Pulma 

レシステンシアは昨年の阪神ジュベナイルフィリーズの優勝馬で昨年のJRA最優秀2歳牝馬。今年の桜花賞、NHKマイルカップでも2着しており、マイル戦では実力上位の存在です。

レシステンシアの父はダイワメジャー母マラコスタラムブラダはアルゼンチンのG1フィルベルトレレナ大賞典の優勝馬という良血。母系に時計勝負に強いデインヒル、スタミナを強化するサドラーズウェルズの血が入っているので早い時計で逃げ粘れるのも納得です。

NHKマイルカップ後に軽度の骨折が判明したため休養。調整遅れから秋華賞を回避してマイルチャンピオンシップに臨んできています。成長期の骨折なので自体は競走能力が削がれる訳ではなく、馬体は幾分か成長しているでしょう。調教が良ければ実力は出し切れると判断。

芝マイルの持ち時計は1分32秒7とサリオスより早いものの、古馬一級線のグランアレグリアやインディチャンプ、アドマイヤマーズよりは遅く、さらに逃げ馬なのでこれらの馬の目標になる可能性が大。またNHKマイルカップでラウダシオンに屈したように切れる脚はありません。今回は見送り。

ラウダシオン

リアルインパクト ディープインパクト サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア
トキオリアリティー Meadowlake 
What a Reality 
アンティフォナ Songandaprayer Unbridled’s Song 
Alizea 
スナッチド Cat Thief 
Christmas Star 

ラウダシオンは本年度のNHKマイルカップの優勝馬。れまで8戦4勝2着2回3着1回で、馬券を外したのは朝日フューチュリティーステークスのみと堅実です。

ラウダシオンの父はディープインパクト産駒で3歳時に安田記念を優勝したリアルインパクト。母アンティフォナはダート短距離の1勝馬ですが、母の父ソングアンドプレーヤーはアンブライドルズソング産駒で米ダート中距離G1を優勝しているので距離は持ちます。

前走初の古馬との対戦である富士ステークスでも2着しているようにマイル戦は安定しています。またNHKマイルカップでの持ち時計も優秀で、人気になるサリオスより持ち時計は上です。

前走はプラス16kgが示すように、あくまで叩き台にも関わらず優勝馬とは0.2秒差。今回ハンデが1kg軽くなるのはプラスです。NHKマイルカップ勝ちがフロックに思われサリオスより人気が無いようなら馬券的にも妙味。前走より絞れれば3着以内に入る可能性は高いと見ます。

ペルシアンナイト

ハービンジャー Dansili デインヒル
Hasili 
Penang Pearl Bering
Guapa 
オリエントチャーム サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ニキーヤ Nureyev
Reluctant Guest 

ペルシアンナイトは2017年のマイルチャンピオンシップの優勝馬で、同レース3年連続で馬券に絡んでいます。これまで27戦4勝で、マイルチャンピオンシップ優勝以来勝ち星を挙げていません。

ペルシアンナイトの父はハービンジャー母オリエントチャームはJRA最優秀ダートホースに輝いたゴールドアリュールの全妹で、自身は芝のマイル戦で4勝。兄弟に根岸ステークス勝ちでマイルチャンピオンシップ3着のゴールスキーがいるように距離適性は母系から

今年の札幌記念で2着、前走の富士ステークスでも4着しているように、高いレベルで能力は維持しています。しかし、年々マイルチャンピオンシップでのパフォーマンスは落ちています。新興勢力の台頭もあり、今回は見送りが賢明か。

ケイアイノーテック

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo 
Wishing Well 
ウインドインハーヘア Alzao 
Burghclere 
ケイアイガーベラ Smarty Jones Elusive Quality
I’ll Get Along 
アンナステルツ Danzig
Edge 

ケイアイノーテックは2018年のNHKマイルカップの優勝馬。これまで22戦3勝2着2回3着2回で、NHKマイルカップ優勝以降、勝ち鞍どころか馬券にも絡まない状態が続いていましたが、前走富士ステークスで15戦ぶりに3着と馬券を確保しています。

ケイアイノーテックの父はディープインパクトはJRAダート重賞2勝を含む9勝を挙げたケイアイガーベラ全兄に豪州芝マイルG1を2勝したフィアスインパクトがおり、距離適性は母系から。

NHKマイルカップ優勝時は先行脚質でしたが、昨年秋から差し脚に転向。今年に入ってから差し脚が安定し、安田記念でも5着入っているように復調気配。本年度重賞を6戦し、中5戦でメンバー中上がり3番手以内で、早い時計でも追い込んできています。

今回は先行馬が強力で差し馬有利の展開が予想され、前崩れになれば差し脚に徹する本馬には有利。成績から人気薄が予想されるため、穴馬として面白い存在です。

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