2021年安田記念の注目馬を分析!
安田記念の特徴
GⅠ安田記念は第3回東京開催2日目に行われる芝1600mの馬齢定量戦です。負担重量は3歳牡馬54kg、同牝馬52kg、4歳以上牡馬58kg、同牝馬56kg。国際競走に指定され外国調教馬は9頭まで優先出走権が与えられます。地方所属馬は出走資格のある馬のみ登録できます。
JRA所属馬は当年のマイラーズカップ及び京王杯スプリングカップ優勝馬、および登録された馬の内レーティング上位5位までに優先出走権が与えられます。
それ以外の馬は通算獲得本賞金+過去1年間の獲得賞金+過去2年間のGⅠ・JpnⅠの獲得賞金の総和の高い順に出走が可能です。
なお、安田記念の優勝馬には同年の米国ブリダーズカップ・マイルの終戦出走権、1~3着馬には仏国ジャックルマロワ賞への優先出走権が付与されます。
秋のマイルチャンピオンシップと共に春のマイル王を決めるレースとして定着しています。マイルは短距離馬も中距離馬も出走が可能なので非常に層が厚く、豪華なメンバーが揃う一戦です。
2021年安田記念出走表
枠番 | 馬番 | 出走馬 | 父 | 馬齢 | 騎手 | 生産牧場 |
所属 | 母の父 | 斤量 | 馬主 | |||
1 | 1 | サリオス | ハーツクライ | 牡4 | 松山弘平 | ノーザンファーム |
堀宣行 (美浦) | Lomitas | 58kg | シルクレーシング | |||
2 | 2 | ギベオン | ディープインパクト | 牡6 | 西村淳也 | 社台ファーム |
藤原英昭(栗東) | Ghostzapper | 58kg | 社台レースホース | |||
3 | 3 | ダイワキャグニー | キングカメハメハ | 牡7 | 石橋脩 | 社台ファーム |
菊沢隆徳 (美浦) | サンデーサイレンス | 58kg | 大城敬三 | |||
3 | 4 | カラテ | トゥザグローリー | 牡5 | 菅原明良 | 中地康弘 |
高橋祥泰 (美浦) | フレンチデピュティ | 58kg | 小田切光 | |||
4 | 5 | グランアレグリア | ディープインパクト | 牝5 | C.ルメール | ノーザンファーム |
藤沢和雄 (美浦) | Tapit | 56kg | サンデーレーシング | |||
4 | 6 | ダノンプレミアム | ディープインパクト | 牡6 | 池添謙一 | ケイアイファーム |
中内田充 (栗東) | Intikhab | 58kg | ダノックス | |||
5 | 7 | ラウダシオン | リアルインパクト | 牡4 | M.デムーロ | 白老ファーム |
斉藤崇史(栗東) | Songandaprayer | 58kg | シルクレーシング | |||
5 | 8 | インディチャンプ | ステイゴールド | 牡6 | 福永祐一 | ノーザンファーム |
音無秀孝(栗東) | キングカメハメハ | 58kg | シルクレーシング | |||
6 | 9 | トーラスジェミニ | キングズベスト | 牡5 | 戸崎圭太 | 川上牧場 |
長谷川浩 (栗東) | マンハッタンカフェ | 58kg | 小桧山悟 (美浦) | |||
6 | 10 | カデナ | ディープインパクト | 牡7 | 武豊 | グランド牧場 |
中竹和也 (栗東) | フレンチデピュティ | 58kg | 前田幸治 | |||
7 | 11 | ダノンキングリー | ディープインパクト | 牡5 | 川田将雅 | ダノックス |
萩原清(美浦) | Storm Cat | 58kg | 三嶋牧場 | |||
7 | 12 | ケイデンスコール | ロードカナロア | 牡5 | 岩田康誠 | ノーザンファーム |
安田隆行(栗東) | ハーツクライ | 58kg | サンデーレーシング | |||
8 | 13 | シュネルマイスター | Kingman | 牡3 | 横山武史 | Northern Farm |
手塚貴久 (美浦) | Soldier Hollow | 54kg | サンデーレーシング | |||
8 | 14 | カテドラル | ハーツクライ | 牡5 | 田辺裕信 | ノーザンファーム |
池添学 (栗東) | ロックオブジブラルタル | 58kg | キャロットファーム |
勝ち馬予想に役立つ!安田記念の注目馬分析
グランアレグリア
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
タピッツフライ | Tapit | Pulpit |
Tap Your Heels | ||
Flying Marlin | Marlin | |
Morning Dove |
グランアレグリアは昨年の安田記念の優勝馬。これまで12戦8勝2着1回3着着1回でG1を5勝。前走ヴィクトリアマイルを圧勝し、古馬マイルG1完全制覇を達成。前走の勝ち時計1分31秒はコースレコードに0.5秒差と優秀です。
グランアレグリアの父はディープインパクト。母タピットフライは米芝マイルG1・2勝を含む7勝馬。母の父は米国リーディングサイヤーのタピットという良血。そのためマイル戦で驚異的なパフォーマンスは母系の底力と父のパフォーマンスの賜物。
出走有力メンバーは昨年全て負かしており、今年は5歳となり馬体はさらに充実。前走も持ったままで直線先頭に立ち、鞭一発で後続を突き放すなど強い一言。叩き3戦目でさらなる上昇も見込めます。負ける要素はほとんどなく、アクシデントが無い限り本命。
インディチャンプ
ステイゴールド | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ゴールデンサッシュ | ディクタス | |
ダイナサッシュ | ||
ウィルパワー | キングカメハメハ | Kingmanbo |
マンファス | ||
トキオリアリティー | Meadowlake | |
What a Reality |
インディチャンプは一昨年の安田記念の優勝馬で、昨年の安田記念も3着。1番人気で2着だったアーモンドアイとは1/2馬身差。昨年のマイラーズカップ優勝以来勝ち星から遠ざかっていますが、使う重賞は全て掲示板に載っています。前走初距離の高松宮記念でも0.1秒差3着と力の衰えは有りません。
インディチャンプの父はステイゴールド。母ウィルパワーは短距離の4勝馬も、祖母に短距離からマイル戦でG1や重賞勝ち馬を多く送り出しているトキオリアリティーの血を持ち、インディチャンプの距離適性も母系から。また父は晩成血統なので6歳でも力の衰えはまだありません。
マイルG1で先着を許しているのはアーモンドアイとグランアレグリアだけ。今年はアーモンドアイいないので相手はグランアレグリアただ1頭。ただし安田記念、マイルチャンピオンシップでグランアレグリアに楽に交わされているので格付けは終わっています。
切れ味勝負となった良馬場ならまず勝てませんが、ステイゴールド産駒が得意な重馬場ならディープインパクト産駒のグランアレグリアは苦手なので逆転も。対抗。
サリオス
ハーツクライ | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
アイリッシュダンス | トニービン | |
ビューパーダンス | ||
サロミナ | Lomitas | Niniski |
La Colorada | ||
Saldentigerin | タイガーヒル | |
Salde |
サリオスは2019年の朝日フューチュリティステークスの優勝馬で、昨年の皐月賞、ダービーでも2着。昨年秋は三冠馬となったコントレイル、同クラブ所属のアーモンドアイとの直接対決を避けマイル路線に。毎日王冠を優勝し、マイルチャンピオンシップで5着に健闘。
サリオスの父はハーツクライ。母サロミナはドイツオークス馬で、祖母サルデは違う父からもドイツオークス馬のセリエンホルデを送り出している底力のある母系です。父、母共にクラッシックディスタンスの馬なので、サリオスも本来は2000~2400mが適鞍。
マイルチャンピオンシップではメンバー中上り最速をマークしていますが、グランアレグリアとは0.4秒差、インディチャンプには0.2秒差を付けられています。また今回は斤量の恩恵が受けられません。
ハーツクライ産駒なので直線の長い東京コースはプラスも、グランアレグリアとは2戦2敗。前走得意な距離だった大阪杯でもグランアレグリアとは0.2秒差を付けられているので、現時点で逆転は難しいと考えられます。2,3着候補。
ラウダシオン
リアルインパクト | ディープインパクト | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | ||
トキオリアリティー | Meadowlake | |
What a Reality | ||
アンティフォナ | Songandaprayer | Unbridled’s Song |
Alizea | ||
スナッチド | Cat Thief | |
Christmas Star |
ラウダシオンは昨年のNHKマイルカップの優勝馬。これまで12戦5勝2着2回3着2回で、前走京王杯スプリングカップを1番人気で優勝し、再び波に乗っています。
ラウダシオンの父はディープインパクト産駒で安田記念勝ちのあるリアルインパクト。母アンティフォナはダート短距離の1勝馬。5代先までクロスの無いアウトブリードです。母系にディープインパクト系と相性が良いストームキャットの血が入っているのが本馬の強み。
ラウダシオンの父は古馬になってから阪神カップを連覇している短めのマイラー。そのため前走は適距離。NHKマイルカップ勝ちがあるものの、馬体が完成しつつある現在だと1600m戦はやや長い可能性が。また先行脚質で、他馬の目標になる可能性があります。相手が強化される今回は見送り。
シュネルマイスター
Kingman | Invincible Spirit | Green Desert |
Rafha | ||
Zenda | Zamindar | |
Hope | ||
セリエンホルデ | Soldier Hollow | In the Wings |
Island Race | ||
Saldenehre | Highest Honor | |
Salde |
シュネルマイスターは今年のNHKマイルの優勝馬。これまで4戦3勝2着1回で、2着は2000mの弥生賞。マイル戦は3戦3勝のパーフェクト。前走の勝ち時計は過去10年のNHKマイルカップの中で最も早く、昨年の安田記念の勝ち時計と同タイム。
シュネルマイスターの父は欧州芝マイルG1を4連勝したキングマン。母セリエンホルデはドイツオークスの優勝馬という良血。血統内にクリスの4×5、ノーザンダンサーの5×5のクロスを持っています。
母系にスタミナを強化するサドラーズウェルズの血が入り、前走時計勝負の持久力比べになり浮上。早い時計に対応できたのはプラス。また3歳馬なので前走より3kg軽い54kgで出走でき、額面通りなら1分31秒で走破できる計算。これはグランアレグリアのヴィクトリアマイルでの勝ち時計と同じ。
他馬より実績は劣るものの、外国産馬なので早熟傾向に現時点の完成度では古馬とそん色ない可能性。グランアレグリアとインディチャンプとの比較ではどうかも、サリオスには逆転できる可能性が。3着候補。
ダノンプレミアム
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
インディアナギャル | Intikhab | Red Ransom |
Crafty Example | ||
Genial Jenny | デインヒル | |
Joma Kaanem |
ダノンプレミアムは2017年の朝日フューチュリティステークスの優勝馬。これまで14戦6勝2着2回3着1回で、マイル~2000mを中心に重賞5勝。2019年の天皇賞秋、マイルチャンピオンシップで2着。昨年の天皇賞秋と香港カップで4着しています。
ダノンプレミアムの父はディープインパクト。母インディアナギャルは海外で6勝。母の父インティカブは重賞を2勝しただけですが、父としてエリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリーを輩出。また母系には時計勝負に強いデインヒルの血が入っています。
ただし天皇賞秋では好走するものの、安田記念は2年連続参戦で共に2桁着順と縁がありません。母系に時計勝負に強いデインヒルが入っていますが、マイル戦では1分32秒5の壁を破っていないので本当の時計勝負になった時は不利。良くて3着まで。
ダノンキングリー
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
マイグッドネス | Storm Cat | Storm Bird |
Terlingua | ||
Caressing | Honour and Glory | |
Lovin Touch |
ダノンキングリーは共同通信杯、毎日王冠、中山記念と1800m重賞を3勝。これまで15戦5勝2着1回3着2回で、皐月賞で3着、ダービーでも2着。昨年の大阪杯では1番に気にも優勝馬ラッキーライラックに0.1秒差3着に敗れるなど、G1に今一歩届かない馬。
ダノンキングリーの父はディープインパクト。母マイグッドネスは米国産の1勝馬。ダノンキングリーの半兄にマッチョウノ産駒でJpn1JCBスプリントをはじめダート重賞9勝を挙げたダノンレジェンドがいるように母系は活力があります。
母の父にディープインパクトとニックスのストームキャットの血があり、本馬のポテンシャルを押し上げる格好。ただし、マイルG1はマイルチャンピオンシップで5着、昨年の安田記念で7着と現在ではマイル戦は距離不足の印象。また昨年の天皇賞秋から使っておらず、レース勘の戻りも疑問符。
今回は見送り。
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