2023年天皇賞(春)の注目馬を分析!
天皇賞(春)の特徴
2023年のGⅠ天皇賞(春)は第1回京都4日目に4歳以上芝3200mの馬齢定量戦で行われます。負担重量は牡・騙馬58kg、牝馬56kg。国際競走に指定され外国調教馬は9頭まで優先出走権が与えられます。また地方所属馬は天皇賞(春)に優先出走権を得た馬のみ出走可能です。
なお阪神大賞典及び日経賞の1着馬、レーティング上位5位以内に優先出走権が与えられています。それ以外のJRA所属馬は通算獲得賞金+過去1年内の獲得本賞金+過去2年内のGⅠ・JpnⅠでの獲得本本賞金の総計で高い順に出走が可能です。
天皇賞(春)に優勝した馬は同年豪州で開催されるメルボルンカップへの優先出走権が与えられます。
↓過去10年の天皇賞(春)入賞馬のデータを見たい方はこちら↓
2023年天皇賞(春)出走登表
枠番 | 馬番 | 出走馬 | 父 | 馬齢 | 騎手 | 生産牧場 |
所属 | 母の父 | 斤量 | 馬主 | |||
1 | 1 | ジャスティンパレス | ディープインパクト | 牡4 | C.ルメール | ノーザンファーム |
杉山晴紀 (栗東) | Royal Anthem | 58kg | 三木正浩 | |||
1 | 2 | ディープモンスター | ディープインパクト | 牡5 | 浜中俊 | 矢野牧場 |
池江泰寿 (栗東) | Bellamy Road | 58kg | DMMドリームクラブ | |||
2 | 3 | タイトルホルダー | ドゥラメンテ | 牡5 | 横山和生 | 岡田スタッド |
栗田徹 (美浦) | Motivator | 58kg | 山田弘 | |||
2 | 4 | メロディーレーン | オルフェーヴル | 牝6 | 幸英明 | 岡田スタッド |
森田直行 (栗東) | Motivator | 56kg | 岡田牧雄 | |||
3 | 5 | アイアンバローズ | オルフェーヴル | 牡6 | 坂井瑠星 | ノーザンファーム |
上村洋行 (栗東) | Royal Anthem | 58kg | 猪熊広次 | |||
3 | 6 | アスクビクターモア | ディープインパクト | 牡4 | 横山武史 | 社台ファーム |
田村康仁 (美浦) | Rainbow Quest | 58kg | 廣崎利洋HD | |||
4 | 7 | ディープボンド | キズナ | 牡6 | 和田竜二 | 村田牧場 |
大久保龍 (栗東) | キングヘイロー | 58kg | 前田晋二 | |||
4 | 8 | トーセンカンビーナ | ディープインパクト | 牡7 | 岩田望来 | 社台ファーム |
角居勝彦 (栗東) | Hawk Wing | 58kg | 島川隆哉 | |||
5 | 9 | ヒュミドール | オルフェーヴル | 騙7 | 武豊 | 宮内牧場 |
小手川準 (美浦) | チチカステナンゴ | 58kg | サンライズ | |||
5 | 10 | サンレイポケット | ジャンブルポケット | 牡8 | M.デムーロ | 様似共栄牧場 |
高橋義忠 (栗東) | ワイルドラッシュ | 58kg | 永井啓弍 | |||
6 | 11 | ディアスティマ | ディープインパクト | 牡6 | 北村友一 | ノーザンファーム |
高野友和 (栗東) | ストリートセンス | 58kg | サンデーレーシング | |||
6 | 12 | ブレークアップ | ノヴェリスト | 牡5 | 松山弘平 | 谷川牧場 |
黒岩陽一 (美浦) | クロフネ | 58kg | 阿部東亜子 | |||
7 | 13 | ボルドグフーシュ | スクリーンヒーロー | 牡4 | 川田将雅 | 社台ファーム |
宮本博 (栗東) | Layman | 58kg | 社台レースホース | |||
7 | 14 | マテンロウレオ | ハーツクライ | 牡4 | 横山典弘 | 野毛牧場 |
昆貢 (栗東) | ブライアンズタイム | 58kg | 寺田千代乃 | |||
8 | 15 | エンドロール | ガルボ | 牡4 | 永野猛蔵 | 白井吉美 |
青木孝文(美浦) | チチカステナンゴ | 58kg | 石川 秀守 | |||
8 | 16 | シルヴァーソニック | オルフェーヴル | 牡7 | D.レーン | 社台ファーム |
池江泰寿 (栗東) | トニービン | 58kg | 社台レースホース | |||
8 | 17 | アフリカンゴールド | ステイゴールド | 騙8 | 国分恭介 | ゴドルフィン |
西園正都 (栗東) | Gone West | 58kg | ダーレー・ジャパン・F |
勝ち馬予想に役立つ!天皇賞(春)の注目馬分析
タイトルホルダー
ドゥラメンテ | キングカメハメハ | Kingmambo |
マンファス | ||
アドマイヤグルーヴ | サンデーサイレンス | |
エアグルーヴ | ||
メーヴェ | Motivator | モンジュー |
Out West | ||
Top Table | Shirley Heights | |
Lora’s Guest |
タイトルホルダーは昨年の天皇賞春の優勝馬で、2021年菊花賞、2022年の高塚記念と合わせGⅠ3勝。これまで15戦7勝2着2回で、重賞は他に弥生賞勝ち、日経賞を連覇しています。
タイトルホルダーの父は牡馬春クラッシック2冠のドゥラメンテ。母は古馬OPまで出世したメーヴェ。タイトルホルダーの半姉で本レースにも出走登録しているオルフェーヴル産駒のメロディーレーンも芝2600m戦OP勝ちがあり、スタミナ溢れる母系。
昨秋の凱旋門賞で1番人気に推されるものの、当日土砂降りの超重馬場で11着惨敗。有馬記念では2番人気も途中失速で9着と疲れが残って惨敗。前走日経賞は59kgを背負い、不良馬場の中、2着に1.3秒差を付けて圧勝しています。本調子なら他馬との力の差は歴然。
昨年も日経賞から天皇賞春を圧勝。スタミナはメンバー中No1の存在。ただし、日経賞で惨敗した同型馬菊花賞馬アスクビクターモアも参戦。同馬は前走アクシデントの上、ディープインパクト産駒なのでもともと不良馬場は苦手。相手は2番手追走もでき、芝の状態が良いとマークがきつくなります。
とは言え、現4歳馬以外のステイヤーとは勝負付けは終わっています。能力の的にも勝ち負け。
アスクビクターモア
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
カルティカ | Rainbow Quest | Blushing Groom |
I Will Follow | ||
Cayman Sunset | Night Shift | |
Robinia |
アスクビクターモアは昨年の菊花賞馬。これまで10戦4勝2着1回3着1回。重賞は他に弥生賞勝ちがあり、皐月賞5着、ダービー3着。またセントライト記念でも2着。前走日経賞ではゲートで頭をぶつけて4馬身で負け。初めて掲示板を外しています。
アスクビクターモアの父はディープインパクト。母カルティカは英国産の1勝馬。アスクビクターモアの半兄でデインヒルダンサー産駒ケマーが欧州スプリントGⅠを2勝。母の父で凱旋門賞馬のレインボークエストは日本で天皇賞春を制したサクラローレルを輩出しています。
昨年阪神で行われた菊花賞では逃げ馬を追走し早め先頭のレースでコースレコードを樹立。バテす早い時計勝負が得意なので、絶対逃げたいタイトルホルダーを追走できます。
また前走は出遅れの上ディープインパクト産駒が苦手な不良馬場。道中も手応え無しでただ回ってきただけなので、敗因がハッキリしています。もともと春の天皇賞は前年の菊花賞馬と相性が良いため、前走で精神的な影響がなければ勝ち負け。
ボルドグフーシュ
スクリーンヒーロー | グラスワンダー | Silver Hawk |
Ameriflora | ||
ランニングヒロイン | サンデーサイレンス | |
ダイナアクトレス | ||
ボルドグザグ | Layman | サンデーサイレンス |
ライール | ||
Belga Wood | Woodman | |
Madame Belga |
ボルドグフーシュはこれまで11戦3勝2着3回3着3回。重賞勝ちはありませんが、昨年の神戸新聞杯で3着に入り菊花賞の出走権を得て、菊花賞ではハナ差の接戦。菊花賞・有馬記念・阪神大賞典で連続2着。11戦中9戦で上り最速をマークしています
ボルドグフーシュの父はスクリーンヒーロー。母ボルドグザグは仏国芝GⅢを優勝した3勝馬。近親にこれといった活躍馬はいません。血統内にサンデーサイレンスの3×3の濃いクロスを持ちます。
基本的に長くいい脚を使う馬。前走の阪神大賞典は過去10年で4番目に遅く、同じ位置にいた優勝馬のジャスティンパレスには切れ巻きした格好。今回はスタミナ任せに早いラップを刻み宝塚記念でレースレコードを作ったタイトルホルダーが引っ張るので、ボルドグフーシュ向きの展開が予想されます。
後はいつ追い出すかが問題。2頭の菊花賞馬が早めに追い比べで引き離しにかかると追いつけない場合があります。連下で。
ジャスティンパレス
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
パレスルーマー | Royal Anthem | Theatrical |
In Neon | ||
Whisperifyoudare | Red Ransom | |
Stellar Affair |
ジャスティンパレスは今年の阪神大賞典の優勝馬。昨年の神戸新聞杯も優勝し、これまで9戦4勝2着1回3着1回。ホープフルSで2着、菊花賞では優勝馬アスクビクターモアぁら0.1秒差3着しています。
ジャスティンパレスの父はディープインパクト。母パレスルーマーは米国産で海外5勝。母の父ロイヤルアンセムは芝中長距離G13勝。ジャスティンパレスの半兄でオルフェーヴル産駒のアイアンバローズはステイヤーズS、阪神大賞典で2着。血統的にステイヤー。
前走は1番人気のボルドグフーシュより1kg重い斤量を背負いながら、瞬発力の違いを見せて0.3秒差を付けて完勝。ただし、早い流れになった菊花賞ではボルドグフーシュより上がりが0.2秒遅く、ステイヤー血統とはいえ無尽蔵のスタミナと言うわけではなさそうな印象。
今回はタイトルホルダーが早いラップを刻むため、追走するとスタミナ切れを起こす可能性も捨てきれません。抑えまで。
シルバーソニック
オルフェーヴル | ステイゴールド | サンデーサイレンス |
ゴールデンサッシュ | ||
オリエンタルアート | メジロマックイーン | |
エレクトロアート | ||
エアトゥーレ | トニービン | カンパラ |
Severn Bridge | ||
スキーパラダイス | Lyphard | |
Ski Goggle |
シルバーソニックは昨年のステイヤーズSの優勝馬。これまで21戦6勝2着3回3着6回。前走サウジアラビアの芝3000mGⅢレッドシーターフHを優勝。7歳にしてステイヤーとして本格化しています。
シルバーソニックの父はオルフェーヴル。トニービン産駒のエアトゥーレは阪神牝馬ステークス他6勝。祖母スキーパラダイスは仏国GⅠ馬。父オルフェーヴルにディクタス、母にトニービンとスタミナ強化の血が入り、血統的ステイヤー。
またシルバーソニックの半兄でアグネスタキオン産駒キャプテントゥーレは皐月賞、フジキセキ産駒のアルティマトゥーレは短距離重賞2勝と近親に活躍馬が多数。
一昨年より3000m超のレースしか使っておらず、昨年の天皇賞春ではスタート直雨後に放馬し、そのままタイトルホルダーを追走し2番手でゴール版を通過。それ以外の3000m超のレースで馬券を外してい安定感が強み。
ただし馬体が450kg程度しかなく、58kgの斤量は実質初。また切れ味は無いので決め手に欠き、叩き合いでは競り負けする可能性が大。見送り。
ディープボンド
キズナ | ディープインパクト | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | ||
キャットクイル | Storm Cat | |
Pacific Princess | ||
ゼフィランサス | キングヘイロー | ダンシングブレーヴ |
グッバイヘイロー | ||
モガミヒメ | カコイーシーズ | |
モガミポイント |
ディープボンドは2年連続天皇賞春の2着馬。これまで21戦5勝2着4回3着1回。重賞は3歳時に京都新聞杯勝ちがあり、2021・22年の阪神大賞典を連覇。仏国芝2400mGⅡフォア賞勝ち。2021年の有馬記念でも2着しています。
ディープボンドの父はキズナ。母ゼフィランサスは短距離からマイルを3勝の条件馬。近親に高松宮記念とスプリングステークスを勝ったローレルゲレイロ。母の父が短距離馬を多く出すキングヘイローなので、ディープボンド距離適性は父のキズナから。
昨年も凱旋門賞に参加し18着の大負け。一昨年2着だった昨年の有馬記念では同じ凱旋門賞に参戦したタイトルホルダーには先着も、優勝馬イクノイックスから1.2秒も離され8着。
3連覇を狙った阪神大賞典ではスローペースに泣かされ、上位馬に切れ負けして0.5秒差5着。逃げ馬を0.1秒差捉えられなかったことからも本調子ではなかったか。
3年連続で同じローテーションも、過去2年に比べると前走での精彩に欠けます。また昨年の天皇賞春で能力の差を見せつけられたタイトルホルダーは前走で復活。逆転するには材料を欠きます。天皇賞春はリピーターが多いレースも、今年は良くて抑えまで。
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