2022年天皇賞(秋)の注目馬を分析!
天皇賞(秋)の特徴
GⅠ天皇賞(秋)は第4回東京開催8日目に行われる3歳以上芝2000mの馬齢定量戦です。負担重量は3歳牡・騙馬56kg、同牝馬54kg、4歳以上牡・騙馬58kg、同牝馬56kg。
なお天皇賞(秋)は以下に該当している馬が優先的に出走出来ます。
- 国内レーティング上位5位以内で、牡・騙馬110ポンド、牝馬106ポンド以上の競走馬。
- 出走登録している外国調教馬(最大9と頭まで)
- オールカマー・毎日王冠・京都大賞典で1着となったJRA所属馬
- オールカマー・毎日王冠・京都大賞典のいずれかで2着以内に入った地方所属馬。
それ以外は通算獲得賞金+過去1年間の獲得賞金+過去2年内のGⅠ及びJpnⅠの獲得賞金の総和で金額上位順に出走できます。
ジャパンカップ、有馬記念と共に秋の古馬三冠レースの初戦であり、秋の中距離最強馬を決める1戦です。
↓過去10年の天皇賞(秋)入賞馬のデータを見たい方はこちら↓
2023年天皇賞(秋)出走表
枠番 | 馬番 | 出走馬 | 父 | 馬齢 | 騎手 | 生産牧場 |
所属 | 母の父 | 斤量 | 馬主 | |||
1 | 1 | ノースブリッジ | モーリス | 牡5 | 岩田康誠 | 村田牧場 |
奥村武 (美浦) | アメージングムーン | 58kg | 井山登 | |||
2 | 2 | エヒト | ルーラーシップ | 牡6 | 横山和生 | 白井牧場 |
森秀行 (栗東) | ディープインパクト | 58kg | 平井裕 | |||
3 | 3 | ドウデュース | ハーツクライ | 牡4 | 武豊 | ノーザンファーム |
友道康夫 (栗東) | Vindication | 58kg | キーファーズ | |||
4 | 4 | ダノンベルーガ | ハーツクライ | 牡4 | J.モレイラ | ノーザンファーム |
堀宣行 (美浦) | Tizway | 58kg | ダノックス | |||
5 | 5 | ガイアフォース | キタサンブラック | 牡4 | 西村淳也 | 追分ファーム |
杉山晴紀 (栗東) | クロフネ | 58kg | KRジャパン | |||
6 | 6 | ジャスティンパレス | ディープインパクト | 牡4 | 横山武史 | ノーザンファーム |
杉山晴紀(栗東) | Royal Anthem | 58kg | 三木正浩 | |||
6 | 7 | イクイノックス | キタサンブラック | 牡4 | C.ルメール | ノーザンファーム |
木村哲也 (美浦) | キングヘイロー | 58kg | シルクレーシング | |||
7 | 8 | ヒシイグアス | ハーツクライ | 牡7 | 松山弘平 | ノーザンファーム |
堀宣行 (美浦) | Bernstein | 58kg | 阿部雅英 | |||
7 | 9 | プログノーシス | ディープインパクト | 牡5 | 川田将雅 | 社台ファーム |
中内田充 (栗東) | Observatory | 58kg | 社台レースホース | |||
8 | 10 | ジャックドール | モーリス | 牡5 | 藤岡佑介 | クラウン日高牧場 |
藤岡健一 (栗東) | Unbridled’s Song | 58kg | 前原敏行 | |||
8 | 11 | アドマイヤハダル | ロードカナロア | 牡5 | 菅原明良 | ノーザンファーム |
大久保龍 (栗東) | ディープインパクト | 58kg | 近藤旬子 |
勝ち馬予想に役立つ!天皇賞(秋)の注目馬分析
イクノイックス
キタサンブラック | ブラックタイド | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | ||
シュガーハート | サクラバクシンオー | |
オトメゴコロ | ||
シャトーブランシュ | キングヘイロー | ダンシングブレーヴ |
グッバイヘイロー | ||
ブランシェリー | トニービン | |
メゾンブランシュ |
イクノイックスは昨年の天皇賞秋、有馬記念、今年のドバイシーマクラシック、宝塚記念とGⅠ4連勝中。これまで8戦6勝2着2回で、皐月賞・ダービーは2着とGⅠ出走機会全連対中。現在ワールドホースランキンで1位。
イクイノックスの父は中長距離GⅠ7勝のキタサンブラック。キングヘイロー産駒の母シャトーブラッシュはマーメイドステークス勝ちがある4勝馬。イクイノクスの半兄でキングカメハメハ産駒のヴァイスメテオールがラジオNIKKEI賞を制しています。
血統内にリファールと5×5×4、ヘイローの4×4の濃いクロスを持つ中距離配合。母系にスタミナを補うトニービンが入っているものの適距離は1800~2200m辺りで、天皇賞秋は適鞍。
前走宝塚記念は単勝1.3倍の圧倒的1番人気に応えて優勝。2着馬のスルーセブンシーズの強襲で首差まで迫られましたが、同馬が凱旋門賞4着に入ったことからも実力はやはりワールドクラス。3着のジャスティンパレスには0.2秒差を付けています。
宝塚記念からの直行ですが、昨年の天皇賞秋もダービーからの直行で勝利。しかもパンタラッサが作ったハイペースで逃げ込みを図る中、メンバー中最速の32秒7、勝ち時計1分57秒5という破格の時計で2着のパンタラッサに1馬身差というハイパフォーマンスを見せつけています。
今年はパンタラッサが出走していませんが、同型馬のジャックドールの単騎逃げが予想され、展開は昨年と同じか。昨年は体が未完成でしたが、古馬となり馬体が完成した今回はさらなるパフォーマンスが期待できます。勝ち負け。
ドウデュース
ハーツクライ | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
アイリッシュダンス | トニービン | |
ビューパーダンス | ||
ダストアンドダイヤモンズ | Vindication | Seattle Slew |
Strawberry Reason | ||
Majestically | Gone West | |
Darling Dame |
ドウデュースは昨年のダービー馬で、朝日杯フューチュリティーS勝ちを合わせてGⅠ2勝。これまで9戦5勝2着1回3着1回。重賞は他に皐月賞3着、今年の京都記念1着。前走ドバイターフに登録も、出走前に左前肢跛行で取り消し。以後休養に入っています。
ドウデュースの父はハーツクライ。母ダストアンドダイヤモンズは海外重賞2勝を含む6勝馬。血統内に大種牡馬リファールの濃いクロスを持ちます。
日本での7戦は全てメンバー中上り2番手以内と末脚は堅実。ダービーでも2着馬イクノイックスに次ぐ33秒7と、33秒台を出したのはこの2頭だけ。ハーツクライ産駒なので基本的に軽い馬場で広いコースが良く、ゴール前直線の長い東京2000mは適鞍。
2走前の京都記念では他馬より2kg重い58kgを背負いながら、上りはメンバー中最速、2着に0.6秒差を付けて圧勝。GⅡクラスの馬では相手にならないことを証明しています。
今回はダービー2着馬のイクノイックスとの再戦。ただし、イクノイックスが4歳春も順調に過ごしているのに対し、ドウデュースは春を全休に充てているため、実践の感覚は相手の方が上。また古馬になってから競合相手に戦っていないのはマイナス。連下で。
スターズオンアース(挫跖により回避)
ドゥラメンテ | キングカメハメハ | Kingmambo |
マンファス | ||
アドマイヤグルーヴ | サンデーサイレンス | |
エアグルーヴ | ||
サザンスターズ | Smart Strike | Mr. Prospector |
Classy’n Smart | ||
スタセリタ | Monsun | |
Soignee |
スターズオンアースは昨年の桜花賞・オークスと牝馬クラシック2冠馬。これまで10戦3勝2着4回3着3回。GⅠは他に秋華賞3着、大阪杯2着、ヴィクトリアマイル3着と、GⅠ出走機会全てで馬券になっています。
スターズオンアースの父は牡馬クラシック2冠のドゥラメンテ。英国産の母サザンスターズは海外1勝馬。祖母は米国エクリプス最優秀牝馬でGⅠ6勝のスタセリア、母の半妹でフランケル産駒のソウルスターリングが阪神ジュベナイルフィリーズ・オークスを優勝。
血統内にミスタープロスペクターの4×3の濃いクロスを持ちます。
桜花賞勝ちと前走ヴィクトリアマイルで3着ですが、パフォーマンスが良いのは2000m近辺。オークス・秋華賞・大阪杯でメンバー中最速の脚を使い、秋華賞では1分58秒7、大阪杯ではハイラップで逃げたジャックドールを後方一気でハナ差まで迫っているように、時計勝負に強い印象。
ここ4戦はルメールが手綱を取っていますが、イクノイックスを選んだためM.デムーロに乗り替わり。M.デムーロは近年乗る馬に恵まれず同騎手にとって力の入る1戦か。数年前までルメール・デムーロのワンツーで決まったレースも多く、このレースで再現があるか。連下で。
ジャスティンパレス
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
ウインドインハーヘア | Alzao | |
Burghclere | ||
パレスルーマー | Royal Anthem | Theatrical |
In Neon | ||
Whisperifyoudare | Red Ransom | |
Stellar Affair |
ジャスティンパレスは昨年の菊花賞、今年の天皇賞春と長距離GⅠ2勝。これまで11戦5勝2着1回3着2回。重賞は他に神戸新聞杯、阪神大賞典勝ち、ホープフルS2着、前走宝塚記念で3着の実績。
ジャスティンパレスの父はディープインパクト。母パレスルーマーは米国産で海外5勝。母の父ロイヤルアンセムは芝中長距離G13勝。ジャスティンパレスの半兄でオルフェーヴル産駒のアイアンバローズはステイヤーズS、阪神大賞典で2着。血統的にステイヤー。
3歳時に2000m戦で3戦2勝2着1回も、皐月賞では9番人気9着。また3歳時とはいえ2000m戦での持ち時計は2分0秒3が最高。今回はジャックドールが早いペースで引っ張る典型が予想され、ペースに付いて来られない可能性が大。また血統や脚質的にジャパンカップが適案で、ここは叩き台か。見送り。
ジャックドール
モーリス | スクリーンヒーロー | グラスワンダー |
ランニングヒロイン | ||
メジロフランシス | カーネギー | |
メジロモントレー | ||
ラヴァリーノ | Unbridled’s Song | Unbridled |
Trolley Song | ||
Sous Entendu | Shadeed | |
It’s in the Air |
ジャックドールは今年の大阪杯でGⅠ馬の仲間入り。これまで16戦8勝2着2回。重賞は他に2022年の金鯱賞、札幌記念勝ちがあり、昨年の天皇賞秋では3番人気で4着しています。
ジャックドールの血はモーリス。アンブライドルズソングの母ラヴァリーノは米国産で英国にて2勝。祖祖母からストーミングホーム他海外GⅠ馬を多数輩出。また血統内にミスタープロスペターの4×3の濃いクロスを持ちます。
16戦中15戦が芝2000m戦で、芝2000mで掲示板を外したのは海外GⅠの香港カップと前走札幌記念の2回だけというスペシャリスト。左回りの2000m戦は7戦5勝で、東京2000mは1分57秒4とう時計を持っており、昨年の天皇賞秋でも1分57秒8で走破。良馬場なら時計通りに走ります。
連覇を狙って1番人気だった前走札幌記念では、ハナを主張したユニコーンライオンに譲る形で4番手先行。しかし稍重の馬場が合わなかったか、直線伸びずプログノーシス以下後続馬に引き離されています。
基本的には時計勝負が得意で、瞬発力があるわけではないので逃げてこその馬。昨年天皇賞秋は逃げたパンタラッサに譲る形で4番手追走でしたが、1分57秒8と持ち時計通りには走っています。今回短期逃げが予想され、展開的には有利です。
ただし、イクノイックス以下、時計勝負になっても32秒台で上がれる馬が多数おり、目標にされる可能性が大。有力馬が牽制し合って控え前残りの展開になれば出番も、今回は抑えまで。
ダノンベルーガ
ハーツクライ | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
アイリッシュダンス | トニービン | |
ビューパーダンス | ||
コーステッド | Tizway | Tiznow |
Bethany | ||
Malibu Pier | Malibu Moon | |
Blue Moon |
ダノンベルーガはこれまで8戦2勝2着1回3着1回。重賞勝ちは共同通信杯だけですが、皐月賞4着、ダービー4着、天皇賞秋3着、ダービー5着、ドバイターフ2着とGⅠは全て掲示板に載っています。
ダノンベルーガの父はハーツクライ。米国産の母コーステッドは2勝馬も、ブリダーズカップジュベナイルフィリーズターフで2着の実績馬。5代先までクロスが無いアウトブリード。
前走札幌記念では3番人気で4着も、優勝馬プログノーシスに1.3秒もぶっちぎられています。本番が天皇賞秋であったとしてもやや不甲斐ない内容。また同年代のドウデュース、イクノイックスとは皐月賞、ダービーで負け越しており、両馬からは若干格下の存在。
叩き2戦目で前進が見込めるものの、今回は見送り。
プログノーシス
ディープインパクト | ディープインパクト | サンデーサイレンス |
ウインドインハーヘア | ||
リアルスティール | Alzao | |
Monevassia | ||
ヴェルダ | Observatory | Distant View |
Stellaria | ||
Viavigoni | Mark of Esteem | |
Val d’Erica |
プログノーシスは今年の金鯱賞、前走札幌記念と芝2000mGⅡを2勝。これまで10戦6勝2着1回3着1回。重賞は他に毎日杯3着、香港GⅠクイーンエリザベス2世カップで2着。これまで掲示板を外したことはありません。
プログノーシスの父はディープインパクト。母ヴェルダは英国産の2勝馬。プログノーシスの半兄に英短距離GⅠ勝ちのヴォルダがいます。
日本でのレース9戦中8戦で上りがメンバー中最速。しかも6戦連続で33秒台を叩き出しているように、父譲りの末脚は強力。芝2000mは1分58秒3の持ち時計があり、この時の上りも33秒1。
前走札幌記念では展開有利なジャックドールに1番人気を譲りましたが、結果は2着に0.7秒差を付けるぶっちぎり勝ち。馬齢定量戦で3頭のGⅠ馬他、GⅠ好走馬が多数出走しているレースで、しかも稍重でこのパフォーマンスができるのは圧巻。
左回りは中京2000m2戦1勝も、東京は初。前走は2着に0.7秒差を付けていますが、ここ最近のレースの2着との着差はここ数戦0.1秒以内。切れる脚を使うタイプで、ジャックドールが飛ばす展開でゴール前引き離された場合は、届かない場合があります。抑えで。
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