2020年第73回G3鳴尾記念予想 注目出走馬分析

重賞レースの注目馬分析

圧倒的な1番人気が予想されるオークス馬ラヴズオンリーユーが出走する今年の鳴尾記念。果たして同馬を負かす馬は現れるのか、鳴尾記念出走登録馬の中から注目馬をピックアップし馬券になるか分析します。

2020年鳴尾記念の注目馬を分析!

鳴尾記念の特徴

G3鳴尾記念は第3回阪神開催1日目に行われる芝2000m馬齢別定戦です。過去のG1勝利により負担重量が加算され、基本負担重量は3歳牡馬52kg、牝馬50kg。4歳以上牡馬56kg、牝馬54kg。国際競争に指定され外国調教馬の出走が可能です。

過去に何度か開催時期と距離の変更があり、現在と同じ第3回阪神1日目、芝2000mに落ち着いたのは2012年から。G3ながら負担重量の規定がG2別定戦と変わらず、宝塚記念へ距離、ローテション共に適当なため、獲得本賞金順で宝塚記念出走を目指す馬のたたき台となっています。

そのため2012年以降の優勝馬はG1やG2の常連がほとんどです。

鳴尾記念と馬券の傾向

鳴尾記念は2012年に距離及び施行時期に変更があったため、過去8年の統計から

人気と馬券

1番人気 2勝2着2回3着0回 連対率50%、複勝率50%

2番人気 2勝2着1回3着1回 連対率37.5%、複勝率50%

3番人気 2勝2着0回3着1回 連対率50%、複勝率62.5%

4番人気 1勝2着0回3着2回 連対率12.5%、複勝率37.5%

1番人気から3番人気はほぼ同じ程度で馬券になっており、比較的固いレース。過去8年で2桁人気が馬連に絡んだことははありません。8年中5年は馬連で1~5番人気で決着しています。基本的に人気馬の中から距離適性や過去の実績で選ぶレースです。

前走と馬券

意外に多いのが新潟大賞典組で1勝2着2回3着3回。前走人気が1桁後半で好走した場合か、人気で惨敗した場合がほとんど。2桁人気2ケタ着順、1、2番人気で優勝といったパターンで馬券に絡むことははありません。

また天皇賞春からが2勝こちらは人気、着順ともに悪くて馬券になっており、基本的には血統的に3200mが長かった口。2段落ちで参戦してくるためG3のここでは大将格といったところ。また大阪杯、ヴィクトリアマイルといったG1からの参戦は人気薄でも馬券になります。

血統と馬券

阪神芝2000mはゴール前直線が短い内回りコースを使用し、さらに直線に急坂があります。瞬発力勝負に強いディープインパクト、ステイゴールド、キングカメハメハの3頭の種牡馬の活躍が目立ちます。

性別と馬券

4歳 2勝2着2回3着4回 占有率33.3%

5歳 4勝2着2回3着1回 占有率29.2%

6歳 2勝2着2回3着2回 占有率25%

7歳 0勝2着2回3着1回 占有率12.5%

4歳から6歳までさほど大きな差はありませんが、勝ち切るなら5歳馬。7歳馬以上の馬は苦戦で、8歳馬は馬券に絡んでいません。なお牝馬が馬券に絡んだのは2着が1回だけ。それも重賞3勝、G1で2着の経験があるスマートレイアーです。よほど実力がない限り馬券にならないとみていいでしょう。

鳴尾記念のレース及びコースの攻略法

鳴尾記念は阪神芝内回り2000mを使用、スタートはスタンド正面ゴール前手前の坂の下から。スタート後の直線が短く坂もあることからポジション争いはやや早め。直ぐに径の小さな第1コーナーのスパイラルカーブに入るため、1枠は外から被せられて不利。過去8年で1枠は馬券に絡んでいません。

阪神内回りは1周約1700mと小回り。ホームストレッチは約356mと短いため逃げ、先行が圧倒的に有利。ゴール手前に高低差1.9mの急坂がありますが、鳴尾記念は開幕週で行われるため芝の状態が良く、スタミナロスが少ないため多少ペースが速くても登り切れてしまいます。

過去10年の鳴尾記念入賞馬のデータを見たい方はこちら

2020年 鳴尾記念出走表

枠番 出走馬 馬齢 騎手 生産牧場
所属 母の父 斤量 馬主
1 1 パフォーマプロミス ステイゴールド 牡8 福永祐一 ノーザンファーム
藤原英昭 (栗東) タニノギムレット 56kg サンデーレーシング
1 2 トリコロールブルー ステイゴールド 牡6 和田竜二 ノーザンファーム
友道康夫 (栗東) Pivotal 56kg シルクレーシング
2 3 アドマヤジャスタ ジャスタウェイ 牡4 西村淳也 ノーザンファーム
須貝尚介 (栗東) エリシオ 56kg 近藤旬子
2 4 テリトーリアル Teofilo 牡6 藤岡康太 ダーレー・ジャパン・F
西浦勝一 (栗東) Street Cry 56kg ゴドルフィン
3 5 ブラックスピネル タニノギムレット 騙7 松若風馬 ノーザンファーム
音無秀孝 (栗東) アグネスデジタル 56kg サンデーレーシング
3 6 キメラヴェリテ キズナ 牡3 岩田望来 ノースヒルズ
中竹和也 (栗東) Cozzene 52kg 加藤誠
4 7 ラヴズオンリーユー ディープインパクト 牝4 M.デムーロ ノーザンファーム
矢作芳人 (栗東) Storm Cat 54kg DMMドリームクラブ
4 8 レッドジェニアル キングカメハメハ 牡4 酒井学 社台ファーム
高橋義忠 (栗東) マンハッタンカフェ 56kg 東京ホースレーシング
5 9 サトノフェイバー ゼンオロブロイ 牡5 古川吉洋 フジワラファーム
南井克巳 (栗東) Distorted Humor 56kg サトミホースカンパニー
5 10 サイモンラムセス ブラックタイド 牡10 川須栄彦 ヤナガワ牧場
梅田智之 (栗東) マヤノトップガン 56kg 澤田昭紀
6 11 ジェシー エイシンフラッシュ 牡5 坂井瑠星 坂東牧場
石坂公一 (栗東) トニービン 56kg キャロットファーム
6 12 ドミナートゥス ルーラーシップ 牡5 松山弘平 ノーザンファーム
藤原英昭 (栗東) フジキセキ 56kg サンデーレーシング
7 13 レッドガラン ロードカナロア  牡5 北村友一 社台ファーム
安田隆行 (栗東) シンボリクリスエス 56kg 東京ホースレーシング
7 14 アメリカズカップ マンハッタンカフェ 牡6 幸英明 社台ファーム
須貝尚介 (栗東) コロナドズクエスト 56 谷掛龍夫
8 15 エアウィンザー キングカメハメハ 牡6 川田将雅 社台ファーム
角居勝彦 (栗東) サンデーサイレンス 56kg ラッキーフィールド
8 16 サトノクルース ディープインパクト 牡4 武豊 ノーザンファーム
池江泰寿 (栗東) Sadler’s Wells 56kg サトミホースカンパニー

勝ち馬予想に役立つ!鳴尾記念の注目馬分析

ラヴズオンリーユー

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
ラヴズオンリーミー Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Monevassia Mr. Prospector
Miesque

ラヴズオンリーユーは昨年のオークスを無敗で優勝。前走ヴィクトリアマイルでは3番人気でしたが、優勝馬アーモンドアイから1.2秒離され7着。ただしエリザベス女王杯3着から長期休養明けで、決して適距離ではないマイル戦で1:31.8の時計で走れるのは素質が高い証拠。

ラヴズオンリーユーの全兄はドバイターフを優勝し、皐月用や菊花賞、天皇賞秋で2着したリアルスティール。ディープインパクトと母の父ストームキャットはニックスであり、どちらかといえば中距離以上で高いパフォーマンスを発揮できる血統です。

今回は3歳時に強い勝ち方をした忘れな草賞と同じ舞台。過去10年で牝馬が鳴尾記念で牝馬券になったのはスマートレイアー1頭しかいませんが、格や実力はスマートレイアーより上。前走激走して二走ボケが無ければ、他の登録馬の能力を比較してもまずは勝ち負け。

サトノクルース

ディープインパクト ディープインパクト Halo
Wishing Well
ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
リッスン Sadler’s Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Brigid Irish River
Luv Luvin’

サトノクルースは昨年の菊花賞2着馬。クラシックは全て出走し重賞勝ちはありませんが、他にセントライト記念を2着。8戦して3勝6連対、皐月賞とダービー以外はすべて上がり3番手以内と末脚も非常に安定しています。今回は菊花賞以来の出走です。

サトノクルースの父はディープインパクト母リッスンはイギリスのマイルG1フィリーマイルの優勝馬です。全姉にローズステークス優勝、エリザベス女王杯で3着したタッチングスピーチがいます。また祖母ブリギッドから海外G1勝利馬が多数出ている良血です。

母はマイラーですが、母の父サドラーズウェルズの地が入ると日本の競馬では長距離でズブイタイプが多く、サトノクルースはサドラーズウェルズの血が強く出ている模様。血統内にノーザンダンサーの5×3という濃いクロスと、勝負根性を伝えるヘイルトゥリーズンの4×5のクロスがあります。

血統上は長くいい脚を使えるタイプで、一度加速するとスタミナがあるのでどこまでも伸びていくタイプ。切れる脚は無いのでラヴズオンリーユーを負かしに行くのであれば早めスパートで持久力勝負。皐月賞で1.59.7と時計は持っているので、あとは当日の気配次第。

エアウィンザー

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector
Miesque
マンファス ラストタイクーン
Pilot Bird
エアメサイア サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
エアデジャヴー ノーザンテースト
アイドリームドアドリーム

エアウィンザーは2018年のG3チャレンジカップの優勝馬。2019年の大阪杯で0.2秒差5着しているように、阪神芝2000mは得意。昨年秋に骨折し休養。骨折長期休養明けの前走G3新潟大賞典ではトップハンデを背負い5番人気で1.2秒離され9着。

前走終始8番手で、特に強く追って惨敗というわけではないので、おそらく調教代わりに使った可能性が大。今回は今後のG1で確実に出走するため本賞金加算に来ると思われます。

全兄のエアスピネルはマイラーですが、秋華賞馬の母エアメサイアは中距離馬。母の一族はマイルから中距離で活躍しています。既に6歳で競馬人生は長くないので、ここはしっかり仕上げてくれば馬券になります。

トリコロールブルー

ステイゴールド サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ゴールデンサッシュ ディクタス
ダイナサッシュ
ペンカナプリンセス Pivotal Polar Falcon
Fearless Revival
Tiriana Common Grounds
Proudfoot

トリコロールブルーは昨年の鳴尾記念3着馬。重賞勝ちはありませんが、ここまで18戦してオープン勝ちを含め5勝。リステットド、オープンクラスでは常に2、3着している、いわゆるオープン大将です。

トリコロールブルーは既に6歳馬ですが、父ステイゴールドは成長力があり使い減りしない産駒を多く出す種牡馬。母ペンカナプリンスはイギリス芝1400mG3の勝ち馬で、アイルランドG1、1000ギニーで2着。その子供もそれなりに活躍して重賞に入着こそすれ勝ち切れていません。

昨年に比べると相手が強化されており、他の重賞では馬券に絡んでいません。父ステイゴールドも勝ちきれない馬だったので相手なりに走るでしょうが、今回は人気になっても馬券的に厳しいと言えます。

レッドジェニアル

キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector
Miesque
マンファス ラストタイクーン
Pilot Bird
レッドアゲート マンハッタンカフェ サンデーサイレンス
サトルチェンジ
セカンドチャンス スキャン
ベップイチバン

レッドジェニアルは昨年の京都新聞杯の優勝馬で、前走大阪杯は最低人気で8着。前走で負かしたステイフーリッシュが前週のG2目黒記念で差のない3着なら、格下G3の鳴尾記念でいい勝負か。

ただし京都新聞杯優勝後は馬券に絡んでいません。前走大阪杯は負かしに行った有力馬が崩れて漁夫の利を得ただけと言えなくもありません。

レッドジェニアルの父は産駒にスピードとパワーを伝えるキングカメハメハ。参考の距離適性は母系に依存することが多い種牡馬です。母レッドアゲートはG2フローラステークスの優勝馬。秋に当時オープンだった紫苑ステークスも3着していますが、成績はここまで。5歳春にG2日経新春杯で軽ハンデを活かし3着していますが、それ以外は馬券に絡んだことはありあません。

母系から基本的に早熟と考えられ、また血統内にミスタープロスペクターの3×4の濃いクロスがありパワーとスピードが強化されても一本調子のイメージがあります。前走G1出走馬なので人気になっても、馬券にはならない判断します。

レッドガラン

ロードカナロア キングカメハメハ Kingmambo
マンファス
レディブラッサム Storm Cat
サラトガデュー
ダンスオンザルーフ シンボリクリスエス Kris S.
Tee Kay
ダンシングサンデー サンデーサイレンス
ダンシングキィ

レッドガランは前走の重賞初挑戦の新潟大賞典で1番人気も6着。ここまで11戦してリステッドクラスを含め5勝。その内4勝は阪神コースという阪神巧者です。さらに11戦中8戦が上がり3番手以内で、前走も上がり3位です。

レッドガランの父は短距離馬のロードカナロア。豊かなスピードと心肺機能を産駒に伝え、距離適性は母系に依存する種牡馬です。母ダンスオンザアルーフは未勝利馬。その母ダンシングサンデーはミッシュそうですが、ダンスインザダーク、ダンスパートナーの全妹です。

母の父シンボリクリスエスも中距離以上で活躍する産駒が多い種牡馬。末脚は母系の血の影響が強く出ていると言えます。

新潟大賞典1番人気惨敗馬が鳴尾記念で巻き返す例は優勝こそないものの過去8年で2回あります。阪神巧者であり、東京2000mでも0.1秒差3着があるので距離も問題ありません。馬券は連下で。

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